生活に溶け込む、飾らない魅力にあふれた工芸にも、ニューベーシックのヒントがある。自分に、大切な人に贈りたい、京都のこだわり土産はここから。
かみ添の便箋
品
日本の文化に親しまれた唐紙に現代の感性を加え、和紙の新しいかたちを提案する、かみ添。西陣にあるお店は、まるでギャラリーのような緊張感があり、無音の独特の空気が流れている。写真の便箋は、越前の楮紙に、版画手法の一つでもある雲母摺りによって文様や柄を表現したもの。店主の嘉戸さん曰く、この紙の質感と相性がよい文具は、鋭利なペンよりも鉛筆だそうだ。思い出をしたためたり、大切な人への近況報告に使ってみたくなる。便箋セット¥2,000
京都府京都市北区紫野東藤ノ森町11-1
TEL:075-432-8555
営業時間:12時〜18時
定休日:月曜、その他不定休
御箸司 市原平兵衞商店のみやこばし
品
伝統と食文化、二つの京都を味わったら、自然とそれらを結ぶ匠の技に興味を覚えるもの。そんな京都ブランドは数あるが、お土産にしたいのが箸。1764年に創業し、宮中の禁裏御用として今に至る市原平兵衞商店には、素材と仕上げにこだわった箸が豊富に揃う。おすすめは150年以上もの間、囲炉裏の煙でいぶされた京都のすす竹を使った「みやこばし」。丈夫で反りにくく、上品な風合い。今では貴重な材料として扱われている。箸(大サイズ)¥7,480・箸置き¥440
京都府京都市下京区堺町通四条下ル小石町118-1
TEL:075-341-3831
営業時間:10時〜18時30分、日曜・祝日11時〜18時
不定休
YAMADA MPD ART CLUBの清水焼 茶碗
品
食卓を彩るうつわへの関心は、収集品の世界へと移り、ゆくゆくは骨董にたどり着く。そんな趣味人の自然な流れをひとくくりで提案してくれるYAMADA MPD ART CLUBには、河井寛次郎や濱田庄司といった偉大な芸術家から、無名のヴィンテージ、現代の作家ものまでが、程よい余白で並んでいる。しかもアートや音楽とミックスした提案もボーダーレスでいい。写真は清水焼のヴィンテージ。緑釉の美しい絵付けすらもファッション感覚で楽しみたくなる。茶碗¥66,000
京都府京都市中京区寺町通竹屋町上る藤木町22
TEL:075-286-3985
営業時間:11時30分〜18時
定休日:火・水曜、その他不定休
ニット¥56,100/へリル(にしのや) シャツ¥42,900/オーラリー フォー エディフィス(エディフィス 新宿)
小丸屋住井の名入れ京丸うちわ
品
京の花街では、夏のあいさつに芸舞妓さんたちが得意先に名入りのうちわを配る風習がある。お茶屋や料亭などに行くと、白地に赤字のうちわを目にすることも多く、それは地元に愛される由緒あるお店であることを意味している。その京丸うちわを作り続けている小丸屋住井では、オリジナルの名入れのオーダーが可能。職人の手によって竹の筒を裂くことで骨が作られ、また別の職人が伝統的な朱色で書いてくれる。ウェブから注文も可能。オリジナルのうちわ¥4,400
京都府京都市左京区岡崎円勝寺町91-54
TEL:075-771-2229
営業時間:10時〜18時
定休日:日曜・祝日
ニューベーシックを着て巡る「大人の京都」
Stylist:Takeshi Toyoshima
Composition&Text:Masayuki Ozawa Yukino Nakai[MANUSKRIPT]