2024.08.18
最終更新日:2024.08.18

【大人の夏服】金子恵治さんは雨の日こそ服を楽しむ

ジェントルな傘に、上質なカジュアルウェアで“引き算”する。

金子恵治
フォックス・アンブレラの傘

「雨の日の主役は凜とした佇まいのフォックス・アンブレラの傘。ピンと張った生地に雨粒が跳ねる、フォックスサウンドと呼ばれる音が心地よい。ちなみに僕はファッションは足し引きして“ゼロ”にすることを信条にしていて、この傘を持つときは、ブルーデニムとヴァンズでカジュアルに引く。ただしデニムはザ・ロウを選び、シャツは超長綿のイレーヴ、薄いはおりのジャケットはY…と傘の品格に馴染む上品さを大切に」。すべてを傘で守る前提の思いきったセレクトだ。トワルアッシュを用いたエルメスのヴィンテージボストンとともに、優雅に出かける。

身軽なバブアーでブリティッシュ気分な傘なしスタイル。

金子恵治 2
ゴルフのブーツ
バブアーのナイロンコート

少しの移動なら傘をささないことも。珍しい’70年代のバブアーのナイロンコートは、英国軍で採用された“DPM”迷彩柄。「クセのあるアイテムですが、合わせはクラシカルに。スラックスはドーメルのコート生地を使ったもの。弱撥水なので雨の日にピッタリ。ウエストンでゴルフのブーツを買ってからは、結構な頻度で雨でも履いています」。シャツはエルメス、ポリエステルキャップはエルイーのもので、撥水効果も。雨でも心底ファッションを楽しむセレクトだ。

雨の様子によってスタイルを変える面白さに目覚めました

「雨の日は、好みのブリティッシュのアイテムを合わせるのが楽しみになります。英国の老舗、フォックス・アンブレラの受注を自分のお店『ブティック』で始めたことをきっかけに強く再認識しました。ずっしりとした傘からは、英国王室御用達の歴史と、作りのよさが同時に感じられて、男の所有欲が満たされる。エレガントな傘とリラクシングなスタイルの掛け合わせを計算するのも面白いです。冬ならマックコートを着るという王道の選択肢で遊んだっていいと思いますし、とにかくこうしたオーセンティックな雨の日のアイテムは気分が上がります。もはや『雨よ来い』と思うほど(笑)。

 一方で、雨でもクルマで移動する日は、傘を持たない格好を考えるのもいい。最新のテックウェアも便利ですが、あえて薄いナイロン素材のバブアーなんてはおって出たら粋じゃありませんか?(笑) くっきりとした迷彩柄をどう合わせるか、あれこれ考えるのも楽しい時間です」

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