仕事道具であり、かつスタイルにも左右されるカバンを、40歳男子はいかにして選んでいるのか。まずは、働き盛りの読者4人に普段使いの私物を持ち寄ってもらい、働くカバンのヒアリングからスタート!
山崎さんの場合|仕事専用と割り切った模範的3WAY


BRAND:ACE
仕事専用と割り切って選んだのは、ブリーフ、バックパック、ワンショルダーの3WAYで使えるバリスティックナイロン製。企業説明会用のポインターや折りたたみ傘、決済用の印鑑など用途が異なるものをポケットごとに収納。
大國さんの場合|ドレッシーな仕事着でもラフに使えるレザートート


BRAND:CISEI
スーツなどに合わせる仕事カバンとして、イタリアのシセイを長年愛用。留め具付きの開け口は、広がりすぎない利点も。滑らかなカーフレザーのくったり感も魅力。「白いピッグレザーのライニングは中が見やすいです」。
長嶋さんの場合|メゾンの隠れたベーシック。主張しない見た目が心地よい


BRAND:HERMÈS
「バッグを数多く所有する」中から、アノニマスで上品なバケツ型ワンショルダーをメインの仕事用に。トワルアッシュ素材の馴染みのよさと「適当に突っ込める」使い勝手や、肩に掛けたときの見た目も気に入っている。
大木さんの場合|本場の自転車ブランドが作る堅牢性と軽さに惚れ込んだ


BRAND:BAICYCLON BY BAGJACK
ドイツのバイクブランドが手がけたショルダー。「100均で揃えた」というポーチに小物を用途別に分けて収納。PCガジェット類のほか、ライカなども持ち歩く。「重たいからストラップがもう少し太ければ…」との要望も。
今のバッグに満足していますか?

長嶋 僕たち4人の愛用品を並べてみると、デザインや素材は違いますが、全体的には落ち着いた色でビジネスっぽいですね。
大國 スーツやジャケパンに合わせることを考えるとネイビーが万能なんですよね。
大木 僕は建築現場で働くことが多いので、汚れが目立たない黒にしています。
山崎 人事職だと「会社の模範的存在」という意識が必要なので無難な黒を選びました。形は、皆さんが想像する“模範的な”3WAYビジネスバッグ。シンプルですが、ポケットがたくさんあって僕には便利です。
大國 全部使いこなしてます? 僕はポケットに何を入れたか忘れてしまう(笑)。だから、何でも入って中身がすぐわかる、口の大きなトートバッグにしているんです。
山崎 僕の場合は、業務ごとに使うアイテムが異なるので、シーンに合わせてコンパートメントやポケットを分けて使っています。
長嶋 大木さんのショルダーバッグは、何かいろいろ詰まってそうですね(笑)。
大木 持ってみます?
長嶋 めちゃくちゃ重い!(笑)
大木 デザイン・設計系の仕事柄、持ち運ぶものが多くて、軽く10キロは超えてしまいます。A3の書類やノートPC、iPadなど、時には専門書も入れているので。だから、バッグ自体は軽くて丈夫、そして口の大きなものを、という視点で本格的な自転車ブランドのショルダーバッグになりました。
大國 この重さで電車に乗るんですか?
大木 さすがにクルマ移動が多いですが、電車も自転車も乗りますよ。この荷物で、子どもの送迎を自転車ですることもあります。
山崎 想像するとヤバいですね。
大木 ちょっとした筋トレです(笑)。
大國 僕が使っているレザートートは、大きさと丈夫さ、そして上品に見えることがポイント。スーツスタイルに合わせる用途がメインです。IT関連の仕事なので、取引先と会わないオフィスワークの際は、もっとカジュアルなキャンバストートを使っています。
長嶋 中身の入れ替えはどうしてますか?
大國 小物は二つのポーチにまとめて、中身を入れ替える手間を最小限にしています。
大木 僕もポーチで小分けにしています。入れ替えというより用途別という感じ。仕事の内容によって使わないポーチは省くなどして、少しでも軽くなるように運用しています。
山崎 僕は小さい持ち物が多いので、ポケットが多いほうが役立つんです。会社のノートPCは持ち出せないので、必要な情報はUSBメモリなどに入れていることが多くて、荷物は結構コンパクト。これくらいの使い勝手がちょうどいい。ただ、訪問先によっては上品なレザートートを持っていくときも。
長嶋 シーンに応じた使い分けをされているんですね。僕は服装自体がカジュアルなので、どんなバッグを使ってもそれほど影響はないんですが、今メインで使っているのは、名品と言われるエルメスのエトリヴィエール。ノートPCさえ入れば十分なんです。ブランド的にも見た目的にも、自分の価値観に合っていて、身につけていて心地よいし、対外的な意味でも申し分ない。汚れてきたとしても、味になると思っています。
大國 シセイのトートは10年近く使って味が出てきていますが、実は同じモデルを2回買っているほどのお気に入りなんです。大木さんは、ヘビーに使われるから買い替えも多そう。壊れたら、また同じものを買いますか?
大木 壊れては買ってを繰り返して、この軽量ショルダーにたどりつきましたけど、次壊れたら、別のモデルを買いそうです。あらためて「壊れない」バッグを探したいので(笑)。
長嶋 四者四様のライフスタイルがバッグにも出ますよね。名刺代わりとも呼べる自分らしいものが選べたら最高でしょうね。