40歳を過ぎて、ゴールドアクセサリーに興味が湧いてきた。20代、30代はシルバーを選んでみたり、アクセサリーそのものを敬遠した時期もあるが、年を重ねて肌に艶がなくなってきたからこそ、品格や清潔感を足してくれるゴールドの力に頼りたい。そして金の価格は年々高騰を続けていて、これからも上がり続ける可能性が高い。そう、今こそ積極的にゴールドに課金するときなのだ。
攻めのブレスレットに挑戦
Bracelet|CARTIER
これまでならゴールドの色気や強さに躊躇して、細めのチェーンブレスを選んでいたかもしれないが、その考え方を改めたい。むしろ加齢によって感じるマイナスポイントを補ってくれる、太めのゴールドブレスレットを狙うべきだ。ただ、それはギラつきを感じさせる「キヘイ」のブレスレットではない。しっくりくるのは、カルティエの名品「マイヨン パンテール」。豹の動きを連想させる18金のフラットリンクのチェーンが上品かつ知的で、40代の手元を飾るのにふさわしい。
「22金」の輝きを首元に
Necklace|MARIE-HÉLÈNE DE TAILLAC
同じゴールドでも、金の純度によって印象はガラッと変わる。例えば、イギリスのヴィンテージなどに多い9金は輝きが控えめだし、一方で深みのあるオレンジ色を楽しむなら24金(純金)がいい。そしてマリーエレーヌ ドゥ タイヤックは約92%の純度をもつ「22金」にこだわっている。このネックレスは、限りなく24金に近い色味でありながら、マット加工を施すことでピカピカに輝きすぎないようにしている絶妙なバランスが魅力だ。インドの職人の熟練した伝統技術の賜物。スウェットなどには、18インチ(約46㎝)の短めのものがしっくりくる。
ヴィンテージのゴールドを掘る
Vintage Ring|WORLDLY WISE
ゴールドアクセサリーは新品だけでなく、ヴィンテージで探すのも面白い。ベイクルーズが手がけるメンズジュエリーのセレクトショップ「ワールドリーワイズ」は、イギリスをはじめ世界各国のピースを揃えている。1963年のイギリス製の9金のリング。ボディの縁にミルグレインが施されているのが珍しい。
Vintage Ring|OLD & NEW
シグネットリングを探すなら銀座の「OLD & NEW」に行ってみよう。多くの業界人たちが通う名店で、オーナーの川上正美さんにいろいろ話を聞きながら選ぶのがおすすめ。中央のシグネットリングはイギリス製の「シールド」の変形タイプで、ネイビーエナメルの縁取りが特徴。より気軽に探したいなら、代々木八幡にあるヴィンテージストア「フロント 11201」がいい。旬の古着を選ぶ感覚でゴールドアクセサリーを買うことができる。特に14金のアイテムが豊富で、18金などに比べてイエローの色味が強くなくシルバーアクセサリーとミックスしたときに馴染みやすい。耐久性も高く、カジュアルに楽しむにはちょうどいいのだ。
Vintage Bracelet|FRONT 11201
イタリア製の14金のフィガロチェーン。ヴィンテージならではのくすみにも惹かれる。
シンプルで強いリングに投資
Ring|SHIHARA
肌が枯れてきて、少しずつシワも目立つようになった40歳の手元に合うリングの最適解とは何か? 一つの答えとして、ゴールドのシグネットリングがある。もともとはトップ部分にイニシャルや紋章を刻印したデザインだが、選ぶべきは刻印のないシンプルなもの。さらにボリュームがあれば、エイジングを重ねた手をぐっと引き締めてくれる。シハラの18金イエローゴールドのリングはまさに理想形。幅1・5㎝の正方形のトップは、シハラの中でいちばん大きなサイズ。存在感はありながら、シャープな雰囲気が漂うリッチなリングを一つだけ添える。大人ならではのアクセサリーへの投資の仕方だ。サイズ展開3~28号。
手元に「細い金」を散らす
Ring|PASO
Bracelet|GIGI
Watch|JAEGER-LECOULTRE
ゴールドを重ねて楽しむなら、繊細なデザインをバランスよくつけたい。例えば、ジャガー・ルクルトの「レベルソ・トリビュート」を軸にしながら、細めの金を散らしてみる。ケースの厚さがわずか7・56㎜のウルトラスリムなので、右手に華奢なパソのシグネットリングとアンカーチェーンをモチーフにしたジジのブレスレットを合わせるくらいがいい。ピンクゴールドのケースが、イエローゴールドのリングやブレスレットと引き立て合う。
オーダーメイドの実力を知る
Bracelet / Ring|KATSUYOSHI SHIMADA
せっかく高価なゴールドを買うなら、自分だけのシンデレラサイズを手に入れてみるのはどうだろうか。鍛造作家のシマダカツヨシさんが手がけるジュエリーブランドでは、デザイナー自ら手首の骨格・腱・筋肉の特徴を見極める「手首診断」を行い、細部まで希望に合わせたハンドメイドをオーダーできる。特にこだわっているのが、バングル内側のカーブ。内径10〜21㎝まで1㎜刻みで、独自の手首研究を通じて導きだした最高の状態に微調整してくれる。鍛造という伝統的な刀鍛冶の技術を用いており、表面はシャープに見えるが、肌への接地面が丸いのでとにかく心地よい。デザインは基本的に1型のみで、今回は24金と18金のバングルを重ねた。人さし指につけた24金のリングも0〜30号まで展開。公式サイトあるいは不定期で開催される受注会で購入できる。