ご褒美出張かと思いきや一転。くまなく札幌を歩きおしゃれな人を探す。妥協なきスナップ取材を敢行!
長崎県出身の九州男児。独自の「アメリカンカジュアル」を模索。今回で「撮る」ことに目覚めた。
新人時代、怒濤の表参道スナップで、「忍耐力」を高める。札幌を訪れるのは約20年ぶり。方向音痴。
1|田原大輔さん(会社員)
「レコード店で出会いました。令和のフリッパーズ・ギターと呼びたい!」(松川・以下同)。
2|金住康弘さん(globule mag. ディレクター)
「古着のシャツの絶妙なブルーがいい。ロングヘアとマッチしすぎでは!」。
3|小見光さん(globule mag. スタッフ)
「ウィローパンツのセットアップのインに、タイダイを合わせるセンスに脱帽です」。
4|佐藤健輔さん(会社員)
「シャツがかなりロング丈ですが、バッグのショルダーによってうまく引き締められている」。
5|高橋大地さん(会社員)
「アンブロコラボのニットが、長岡亮介を彷彿とさせる知的な雰囲気に合っていますね」。
6〜10|[右から]上田真嗣さん(会社員)・平松亮人さん(会社員)・小俣弦也さん(WAKE.オーナー)・多田佳貴さん(フロントエンドエンジニア)・飯塚浩亮さん(測量業)
週末はみんなで集合!
ミニマルな「ウェイク」スタイル
「ウェイクをホームにして同じファッションやカルチャーを共有できているのに憧れます。年を重ねるのもいいもんだなあ。個人的には飯塚さんのキャラが濃くて気になりました(笑)」。
11|相馬賢治さん(MaW スタッフ)
「ユーゲンの柄シャツを選ぶ上級者。ボタンの開け方やサイジングもバッチリです」。
スタイリングもスナップもあきらめたらそこで試合終了
始まりから松川節が炸裂していた。数々のハードな撮影でお世話になってきた、スタイリストの松川総さん。今回の「爆撮」企画ではフォトグラファーを連れて行かないことを相談すると、「カメラ買うわ」と即決。さすが九州男児、とにかく決断が早い。
スナップ当日、羽田空港で待ち合わせるとその手には「RICOH GR Ⅲ」のコンデジが握られていた。「俺、今日から森山大道を目指すよ」。この顔、マジだ。これが、入社以来のスパルタスナップ修業の始まりだった。
到着早々、松川さんが事前にリサーチしていたグロビュール マグというショップを目指す。昨年オープンしたばかりのお店で、スタッフの古着の取り入れ方に松川さんもうなる。その後、ウェイクに移動し、常連のお客さんとオーナーの小俣さんを撮影。みんな、いい笑顔だ。札幌駅付近に戻っていると迷子に。「えっ中林君、道間違えてない…?」。札幌、比較的わかりやすい街なのに、なぜ⁉ この日はタクシーも使わずひたすら歩き続け、15人ほどをハント。日も暮れてきたので、小俣さんに教えてもらった、めんよう亭へ。絶品ジンギスカンでつかの間のチャージ。「今日まだ撮り足りないな…。プレシャスホールという伝説のクラブがあるんだけど、23時から行かない?」ごめんなさいもうギブです…。
2日目の開始直後に事件は起こる。「ちょっと預かってくれない」とカメラを手渡された瞬間、手から滑り落ちていく…買ったばかりのRICOHを落とすというまさかの失態。「ひゃー!」「おおお!」「データ大丈夫ですか…」「大丈夫そう。でも少し傷ついたから、もうメルカリで売れないわ」「いや、そこは大谷ばりのフォトグラファー二刀流目指してくださいよ!」。
この日はアナトミカやサウス2 ウエスト8が集まる札幌屈指のファッションエリアでスナップ。ランチは二条市場の「たけ江鮨」に閉店ぎりぎりで滑り込み。うっうまい。食べ終わると同時に「もうちょっと粘りたいんだけど」とカメラを構える。もちろん、やりましょう! 大通公園付近で飛行機の時間までラストスパートをかける。最後の最後に松川さんベストのポードルルスのオーナー宍戸さんを撮影することができた。
22時45分羽田空港到着。ハードスケジュールのスナップ出張もこれで終わりかと思いきや松川さんが一言。「締めに空港スナップやっていく?」。もう勘弁してください…。