杉山さんはいつだって服にロマンを求めている。独自の感性でパリのストリートやモードを見つめる彼の心を動かしたモノとは?
「服はブランドのフィロソフィであったり、購買の体験や思い入れが深いものを大事にしたいタイプ。作り手の人間味や思想、時代背景にロマンを感じるんですよね。
ダリの古着TシャツBLESSのレザーブレスレット
BLESSのマップトートバッグ
BLESSのラウンジパンツ
Equipmentのシルクシャツ
古着商から買ったスカーフ
最も好きなブランドは、ドイツの『ブレス』。彼女らはアートとして服を見ていて、例えば革ブレスには“BLESS.OF COURSE NOTHING ELSE THAN ANOTHER ADDITIONAL SOMETHING”という言葉が刻まれている。定番のトートは、高級スーツ地で作った『イケてるけど使えない』潔さがいい。最もヤバいのはナイキのジャージーと501を前後で合わせたビッグパンツ。量産服をアートピースに仕立てた名作は15万円もする一方、先の革ブレスはひとつ4000円ほど。ハイブランドとも異なる独自の価値のとらえ方に、ものづくりのロマンを感じます。
エキップメントのシャツとダリのTシャツ、スカーフは古着商から買ったもの。ストリート出身だから黒は好きだし、薔薇のタトゥーを彫っているので、この花柄のシャツにはビビッときた。ダリに関しては、ヒップホップ界隈でリスペクトしている人が実は多く、自分も破天荒な生き様に惹かれた一人。この服を着て、ダリがモンマルトルに住んでいた
’20年代のパリを想像したくなります。そしてスカーフは、『“ウォーリーをさがせ!”みたいだけど、どこにもいない』と言われて買ったもの。見入ってしまう没入感が面白い(笑)。
Ofr.ParisのオリジナルTシャツ
Ofr.Paris×NOVESTAのスニーカー
最後はOfr.パリのロゴTとスニーカー。Ofr.は世界中のファッション業界人が支持する書店。肩肘張らない雑多な感じがよくて、気難しい店主のアレックスも人間くさくて好き。Ofr.とは“Open free ready”の略で、自分の店をつくるときも大いに影響を受けました。この服を着て、たまに思いを馳せています」