10年前、米国ブルックリンに古着も扱う人気店FRONT GENERAL STOREを設立後、代々木上原と渋谷・神山町に日本支店のFRONT 11201を出店した、ニシヤマイクタカさんのある日のスタイリングを深掘り。全アイテムのベースに濃厚なヴィンテージ愛があった。
幅広い年代の古着をメインにセレクトしながらオリジナルで服作りをしているニシヤマさん。自身のワードローブもヴィンテージ愛がすごかった。
1最近かけ始めたメガネはフレンチヴィンテージ
「最近、Gigi Fazziのメガネ(右)と、Speakeasy Tokyoで買ったフレンチヴィンテージのメガネ(左)をかけ始めました。どちらもハンドメイドです。以前はアメリカの’50〜’60年代のアイウェアばかりかけていましたがフレンチのほかにはない美しい素材と形がいい。ウェリントンとパントの中間のような絶妙なフレームに、テンプルの形もきれい。
2’50sヴィンテージがモチーフのオリジナル開襟シャツ
そして開襟シャツは、’50〜’60年代にかけてアメリカ産で見られるレーヨンギャバジンのシャツを再現したオリジナルです。着るほどにとろみが増し、しっとりしながらもタフな素材に惚れて、当時に近い生地を開発。必ずしも時を経た服を着ること自体にこだわっているわけではなく『いい形で経年変化し、ワードローブに残る』普遍的なアイテムが好きなんです。
3ソックスはレトロなタイダイ染めを新品で(上)
4’80sヴィンテージをサンプリングした白T(下)
ソックス(上)やTシャツ(下)のようなアンダーウェアなら、清潔で買い替えのきくものが欲しいのでヴィンテージをサンプリングしながら、タフな新品を愛用しています。このTシャツは’80年代のアメリカの無地Tのネックを分解して組成を調べ、強度のあるタコバインダーや、気持ちいい丸胴も踏襲。元ネタの佇まいに近づけるために今季は2㎜ほどリブを狭めました。透け感のない厚地で、ヴィンテージ調のやわらかい風合いが気に入っています。
5’80sのコロンビアはゴアテックス素材がいい
’80年代のコロンビアのフィッシングジャケットは着丈の短さが特徴的かつゴアテックス素材で雨の日にも重宝。’80年代はゴアテックスがマスプロダクションに使われ始めた過渡期。コロンビアはいつの時代も先進的なアプローチをし続けていますね。
6’60sヴィンテージのリネンスラックス
’60年代のスラックスは粗くゴワッとした素材で当時の美しいシルエットのまま残っていて、今はいても馴染む。これぞヴィンテージの醍醐味ですね」
Profile
23歳でナップザックを背負って単身渡米。委託販売やショールームの主宰を経て、NYブルックリンに自身のショップ「FRONT GENERAL STORE」をオープン。玄人好みのオリジナルアイテムにもファンが多い。
Composition&Text:Takako Nagai