「メゾンマルジェラと『BLEACH』久保帯人がともに作る・DSMGのウィンドウインスタレーションを目撃せよ」

この秋、メゾンマルジェラは3つの展示を東京で開催する。ひとつは、大ヒットマンガ『BLEACH』で世界中から熱烈な支持を集め続けるマンガ家・久保帯人と初タッグを組んだドーバーストリートマーケットギンザでの独創的なウィンドウインスタレーション。もうひとつは、メゾンのクリエイションのコアである「アーティザナル」コレクションのルック25体を展示し東京・恵比寿で開催する「アーティザナル 2024 エキシビション東京」。そしてメゾンマルジェラオモテサンドウのウィンドウでも、コレクションピースが展示される。かつて見たことのないメゾンマルジェラに出会えそうだ。

話題を呼んだパリでのエキシビションが東京に上陸

メゾンマルジェラの創造性のコアであり、オートクチュールに相当する「アーティザナル」コレクション。今年1月に発表された2024年「アーティザナル」コレクションは、写真家・ブラッサイが描く退廃的な夜のパリにインスピレーションを受けたムードあふれるものだった。

「服を着るという儀式＝自己を構成する行為」ととらえて身体をキャンバスに見立て、内面の表現としての外面をつくり上げるコレクションは大変な好評を呼び、3月にはパリの本社ビルでエキシビション形式の「アーティザナル 2024 エキシビション」を開催（上画像）。こちらもコレクション同様大きな話題となった。

このエキシビションを11月2日から11月24日まで、東京・恵比寿で「アーティザナル 2024 エキシビション東京」として開催することが決定。

オートクチュールコレクションを様々なアングルから検視するポスト・モーテム（事後解剖）は、クリエイティブ・ディレクター、ジョン・ガリアーノが考案した展示形式で、彼のクリエイションのレイヤーを１枚ずつめくるようにつまびらかにするもの。

マンガ家・久保帯人がメゾンマルジェラのためにスペシャルな描き下ろし

それに先立ち、『BLEACH』で世界的な人気を獲得したマンガ家・久保帯人との協業が実現。メゾンマルジェラのために「アーティザナル」コレクションをまとったキャラクターを描き下ろした。

久保氏は、ジョン・ガリアーノ氏が率いるメゾンマルジェラからのたってのオファーである、協業を快諾。描き下ろしに至り、過去に類を見ないビジュアルが世に出ることとなった。

今回のルックの特徴はプロテーゼ（補装具）が形作る、彫刻のようなシルエット。それを久保氏が「自身のキャラクターに着用させたらどうなるか」と再解釈。ニットやスカートの質感も実際のコレクションピース（上画像）を忠実に再現している。

この作品の制作風景がわかるタイムラプス動画はこちら。迷いのない線画とルックを再現するためにさまざまな試行錯誤が繰り返される様子が、つぶさに見て取れる。

DSMGでメゾンマルジェラと久保氏の織りなす世界を全身で体感！

協業の舞台となるのは、東京・銀座のドーバーストリートマーケットギンザ（DSMG）。このウィンドウを10月26日から11月24日までジャック。ここで上記のキャラクターは、実物に近い大きさで展示される。キャラクターの元となったルックは、恵比寿のエキシビションで11月2日から公開されるので、ぜひ実物も見て欲しい。

キャラクターのみならず、月、街灯、雨粒や石畳上の水たまりはすべて久保氏による描き下ろし。それに加え写真をマンガ風に加工した石畳、モノクロ写真の橋など平面の要素と、マネキンや実物の街頭など立体の要素が融合し、だまし絵のような幻想的な世界を生み出す。

ウィンドウでは、久保氏の描き下ろしのキャラクターと3体のショールックを展示。コレクションの雰囲気に全身で浸ることができる。

また、同店3階にあるメゾンマルジェラに隣接する特設の「メゾンマルジェラブックストア」では、ジョン・ガリアーノが2024年「アーティザナル」コレクションの制作にあたり研究し着想を得たアーティストや作品に関連する本の数々も紹介。さまざまな角度からコレクションについて知ることができるので、あわせて見に行きたい。

実際のコレクションピースが見られるエキシビションは11月2日開始

そして、11月2日から11月24日まで、ゲストを2024年「アーティザナル」ショーの世界観に誘うエキシビションがメゾンマルジェラトウキョウの上階で開催される。こちらではルックを25体という大ボリュームで展示。

本展はジョン・ガリアーノによって考案されたもので、2024年2月にパリで関係者のみに公開されたフォーマットを拡張している。

発案の初期段階よりインスピレーションとなったものから、実験的なテクニックの使われ方、ルックを通して語られるストーリーまで、コレクションを多角的に考察。

ジョン・ガリアーノ本人がこの展示会のために録音したオーディオガイドは、コレクションの背景や物語、技術的なディテールに、これまでにない角度から没入する体験を提供してくれる。貴重なコレクションピースを間近で見られるこの機会、ぜひともお見逃しなく。

TITE KUBO

1977年広島県生まれ。’96年「週刊少年ジャンプ」でデビュー、2001年より『BLEACH』の連載を開始。全74巻、シリーズ累計発行部数は1億3000万部を突破し完結後も世界中で根強い人気を誇っている。現在、シリーズの最終章でもあるテレビアニメ『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』がテレ東系列ほかにて放送中。

テレビアニメ『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』