毎回、新しい刺激に富んだブランドとのコラボレーションを発表しているH&Mが今回新たなパートナーに選んだのは、気鋭の韓国ブランドのRokh。クラフツマンシップとアートワーク、両方の魅力を備えた独自のパワフルなクリエイションはどのように生まれたのか。キーパーソンの二人に尋ねた。
タイムレスだけど、どこか違和感のある
美しさをもった世界観を表現したかった。
―― ロク・ファン（左）
Rokhクリエイティブ・デザイナー
今回が初となる韓国のデザイナーとの
コラボレーションは、特別な体験です。
―― アン=ソフィー・ヨハンソン（右）
Ｈ&M ウィメンズウェア・デザイン最高責任者
クリエイティブ・アドバイザー
ロク・ファン（以下R）：H&Mの過去のコラボレーションはどれも象徴的な試みとして脳裏に強く刻まれていて、今回H&Mから（コラボレーションの）お話をいただいたときは「まさか！」と胸が高鳴りましたね。
アン=ソフィー・ヨハンソン（以下A）：Rokhは彼にしか生み出せないスタイルとメッセージが際立っていて、リスペクトしてやまないブランド。また韓国のデザイナーとの協業は過去に例がなく、いろんな点で今回の取り組みは特別な意味をもっています。
R ：最も強く意識したのは「いかにタイムレスなものを届けられるか」ということ。クラシカルで美しく、かつ買ってくれた人が自由にスタイリングを楽しめるようなコレクションとは？を模索しました。
A ：最初にミーティングを行ったのが2022年の11月、それから約1年半――完璧なコレクションを目指して時間をかけて世界観を共有しました。そうね…。 “結婚”みたいなコラボレーションでしょう（笑）？
R ：タイムレスであると同時に、Rokhらしいアイコニックな要素も反映しています。それは例えば、ボタン使いやテーラーリングの解体と再構築だったり。
A ：リサイクル素材にオーガニック素材…サステナブルであることにもこだわり、見た目の質感や耐久性にも妥協せず、粘り強く対話を重ねましたよね。
R ：今季は、Rokhで初めてメンズウェアを発表したのですが、並行してこのH&Mとのメンズラインにも取り組んでいたので大変でした（笑）。でもメンズウェアならではの“ルールからの逸脱”は、困難ながらも自分にとって楽しく新しい挑戦になりました。
ロク・ファン氏が最もお気に入りというオーバーサイズトレンチコート。「袖のボタンは外してケープのように着ても楽しい。通常のトレンチとは異なるシーム使いなど“微妙な違和感”を意識しました」。
タグの「0000-0000」の数字はRokhでもお馴染み“タイムレスである服”の象徴。
クロムフリーレザーを使用するなど、環境にも配慮された、1と同型のトレンチコート。重厚感がありつつ軽やか。日本＆韓国でのエクスクルーシブ展開。
ボディのバックにホッチキスの分解図と使い方の手順をプリントした、ユーモラスなTシャツ。
一見シンプルなケーブルニットも、前身頃のみが大胆に短く設定されるなど、”違和感”が楽しめる。
４月18日（木）より、限定店舗とオンラインショップにて堂々発売される。
Rok Hwang
Rokhクリエイティブ・デザイナー。2003年に渡英、セントラル・セントマーチンズを卒業後、CELINEに入社。長きにわたりフィービー・ファイロの元で経験を積み、’16年に自身のブランド、Rokhをスタート。「ファッションで表現するコンセプチュアルアートの形式」がブランドコンセプト。今季よりメンズラインを始動。
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