1950年に英国クラークスから発売されたデザートブーツ。イギリスに先駆けアメリカでブレイクし、1960年代にはモッズに支持されたことでも知られる。誕生から75周年を迎えた今年、1950年代のカラーリングを復刻した記念モデルが登場。「定番名品」として愛され続けるカジュアルシューズの魅力を再発見する。
クラークス オリジナルズの代表作「デザートブーツ」のタイムレスな魅力とは?
「カジュアルシューズ」を確立した先駆的存在
クラークスの創業は1825年。靴専用ミシンや防水加工の革靴を開発する革新的なシューメーカーとして実績を重ねていった。デザートブーツを考案したのは、4代目のネーサン・クラーク。第二次大戦中にビルマ(現ミャンマー)に駐屯していた際、エジプト・カイロでつくられたキメの粗いスエードとゴムソールのブーツに感銘を受ける。この靴が砂漠地帯(desert)に駐屯する南アフリカ師団のアイデアによるものと聞いて終戦後、「デザートブーツ」というモデル名で売り出すことに。
ドレスシューズか作業靴かの二択だった時代に、その概念をくつがえすデザートブーツは当初社内で不評だった。そこでネーサンは1949年にアメリカ・シカゴで開催された世界的な靴の展示会に出品。ファッション誌『エスクァイア』の編集者の目に留まり、1950年に誌面に紹介されるとアメリカで大ヒットシューズになる。1960年代にはモッズ御用達となり、ヨーロッパにも広く浸透。日本には1964年に上陸し、スーツにもカジュアルにもマッチする万能な定番靴として不動の地位を築く。
定番|Desert Boot
スエードアッパー&クレープソールのシンプルデザイン
クラークス オリジナルズのデザートブーツは、丸みを帯びたラウンドトウのベーシックなシェイプが特徴。スエードアッパーとクレープソールをステッチダウン製法で縫い合わせる。スエードは高品質な原皮をベルベットのように起毛させ、クレープソールは天然ゴム樹木の樹脂を使用して、耐摩耗度と弾力性を高めているのもクラークスならでは。トレンドに左右されないスタンダードなルックスは唯一無二だ。
定番のデザートブーツは右からサンドスエード、ブラウンスエード、コーラスエード、ブラックスエードの4色展開。2アイレット仕様で靴紐の調整がしやすく、コントラストカラーの替え紐が付属する。シックに見せたいときは同色、カジュアルにアクセントを付けたいときは紐を替えてと、2タイプの見え方が楽しめるのもうれしい。
新定番|The Desert Boot 75th Anniversary
1950年代のカラーリングを復活させた75周年モデル
シルエットや天然ゴムのクレープソール、ステッチダウン製法はそのままに、「ウルフスエード」という昔のカラーを復活させた75周年モデル。1950年代のカタログにも掲載されていたクラークスのエクスクルーシブカラー「ウルフスエード」を英国タンナー、チャールズ・F・ステッド社に依頼して再現。粗めのスエードはやわらかくて足なじみがよく、履いた瞬間から長く愛用したブーツのような感覚が得られる。ヒールにプルタブが付くのも記念モデルの特徴で、脱ぎ履きがしやすい。
タンの「THE DESERT BOOT 75TH ANNIVERSARY 1950 2025」のスペシャルラベルが特徴。ダークチョコレートのシューレースのほか、アッパーと同色の替え紐が付属する。またステッチダウン糸はシューレースと同じ、ダークチョコレート色でコントラストをつけた。「ウルフスエード」のブラウンがかったダークベージュの色味も新鮮。レトロなムードがあり、デニムやアウトドア系のスタイルにもよく似合う。
クラークス ジャパン
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