ファッションからコスメ、ガジェットまで、UOMO編集部員が実際に愛用する名品を毎日1つずつ紹介!
KIJIMA TAKAYUKIのニットベレー
被り物のなかでは変化球ですが、僕はベレー帽がもつやや非対称的な佇まいが好きです。日本では、手塚治虫さんや『ドラえもん』のジャイ子ちゃんが被っていたこともあって「昭和の漫画家」という印象も強いですが、元々は男らしいミリタリーアイテムのひとつ。
チェ・ゲバラのベレー姿も勇ましいですが、とりわけ印象的だったのは1978~79年頃の萩原健一さん。当時からDCブランドをいち早く着こなしたスタイルアイコンでもありますが、その頃のライブ映像を見ていると、崩れた髪型や無精髭も相まったワルな雰囲気に、斜め被りのベレー帽がさらに磨きをかけている。まったく世代ではないものの「おぉ、カッケェ…」と思ってしまった。
ただ、ワルな雰囲気に憧れる人は、たいていなりきれないわけで…。今の時代に自分が被るなら、クリーンな格好にも合うものがいい。そこで見つけたのがキジマタカユキのものでした。ニット編みだから左右非対称にも被れるし、頭頂部につく「チョボ」と呼ばれるヘタのようなもの(普通は製造の工程上できてしまう)や、頭を締め付けるレザーのパイピングもなく被りやすい。思わぬところから受けた影響が、自分のスタイルの幅を広げてくれたりするものです。
UOMO編集 西坂
Movie:Mitsuo Kijima
Stylist:Masashi Sho
Stylist:Masashi Sho