ファッションからコスメ、ガジェットまで、UOMO編集部員が実際に愛用する名品を毎日1つずつ紹介！
GUCCIのパイピングジャケット
アレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブディレクターに就任してはや7年。グッチがずっと好きなのですが、大枚をはたいてウェアを買う際は「モードとヴィンテージ」の間隙を絶妙に突いたものを選ぶようにしています。たとえば全身にGUCCIロゴや、背中にメッセージが派手に入ったものなどは、僕自身は得意ではない。そこで好んで着ているのが、このパイピングジャケットです。
英国のスクールジャケットや、アメリカのアイビーリーグを彷彿とさせるトラディショナルなデザインですが、パイピングの色がグッチの赤と緑、それも黒を数滴落としたような落ち着いたトーンであしらわれている。おまけに裏地も光沢のある美しいグリーンで気に入っています。色の入ったクレストボタンも可愛いですよね。着丈もグッチのものにしてはコンパクトで、着た時のバランスも決まります。
それにしても恥ずかしながら、あのGGロゴやトリコロールを多用したウェアやバッグ、そして70sを強く意識した華美で構築的なテーラードなどのインスピレーション源がどこにあるのか、実はよくわかっていませんでした。そして今年、映画『ハウス・オブ・グッチ』を観て（物語が史実にたいしてどうかはさておき、衣装や小道具の時代考証、再現度の高さはとても面白かった）、トム・フォード期までのアーカイブスがまとまった写真集を買って…現行のモチーフの一部はオールドグッチに帰するものであることを再認識。イタリアの貴族的な趣味というか、あの派手さは英仏のそれとも異なると思うけど、60〜70年代に各国のセレブリティが着ていた姿などは本当に格好いい。そして、それを今の感覚で着るならどうするかを考えるのが楽しい。ますます好きになります。
UOMO編集 西坂
Stylist：Masashi Sho
