
Tシャツは11,000円、シャツは24,200円から!
こだわり強めの洋服好き大人男子にとって、一度は体験してみたいパーソナルオーダーサービス。だが、敷居が高かったり、高額だったり、店に何度も足を運ぶ必要があったり、出来上がりにまで時間が掛かってしまうという懸念材料も付きものである。そんな悩みを解決してくれるショップが、2020年7月に“完全受注型”アパレルブランドとして開業した「THE ME(ザ・ミー)」だ。
その噂を聞きつけた2人の大人男子が、「THE ME」の体験型サロン(渋谷区恵比寿南1ー17-15)に来店。「Tシャツ」と「シャツ」の画期的なカジュアルオーダーを体験してみた。




こだわり強め大人男子の1人目は、PR会社「にしのや」ディレクター兼「NEAT」デザイナーの西野大士(にしのだいし)。その隣で、「THE ME」店舗責任者である工藤主税(くどうちから)が採寸を受け持つ。ちなみに西野は自身の「NEAT HOUSE」でスーツのオーダーを手掛けており、ひと通りのオーダープロセスは熟知している。
西野大士:でも、Tシャツで寸法を測ってもらうなんて初体験です。今日はよろしくお願いします。
工藤主税(THE ME):承知しました。西野さまの基本サイズは「12」…と。いくつかのサンプルのグレーディングをセンチ単位で調節するカジュアルオーダーですので、どうぞご安心ください。
薬師神:そうそう。とってもイージーでした。
西野:あっ、その声は。
①半袖Tシャツ:薬師神(165cm・60kg)


工藤(THE ME):顧客の薬師神さまです。
薬師神:おつかれさまです。
真剣な表情の2人の間からひょっこり登場。こだわり強め大人男子の2人目は、編集部員の薬師神(165cm・65kg)だ。すでに「THE ME」を3週間前に体験済みであり、着用中の白Tシャツは「半袖・スーピマコットン・白・サイズ14からの微調整・クルーネック・スリット有り・ポケット有り」でのカジュアルオーダーになる。
西野:さっき耳にした「12」はサイズですか?
工藤(THE ME):はい。Tシャツとシャツは9サイズあり、西野さまは1つ小さい「10」がベストかと。薬師神さまは「14」ですが。
薬師神:いかにも。
西野:ええっ!?




若いころのあだ名は“Mr.ミディアム”だったという日本人標準体型の西野(170cm・70kg)は、「長袖・スーピマコットン・黒・袖リブ有り・クルーネック・スリット有り・ポケット無し」でカジュアルオーダー完了。加えて、パンツインもするので着丈はちょっぴり長めにアレンジ。
工藤(THE ME):素材は愛知県産の綿100%です。1本ずつガス焼きした後でシルケット加工を加え、糸表面の凸凹をなくし、一般的な綿素材と比べるとシルクのような光沢とハリがあります。
西野:ちなみにお値段は…。
工藤(THE ME):スーピマコットンですと、半袖で15,400円(税込)、長袖で18700円(税込)です。あと、通常のビスポークなどはオプションが増えると価格が上がっていきますが、「THE ME」の場合はいくら修正しても価格が変わりません。
西野:とっても良心的でホッとしました。
薬師神:大学のサークルでもTシャツを工場にオーダーしたりしたけど、「THE ME」のような品質は絶対にないです。これは消耗品ではなくて、大人のベーシックワードローブだと思うの。
西野:なるほどです。

Tシャツの次は「シャツ」のカジュアルオーダーへ。某有名ブランドのビジネスシャツやボタンダウンシャツなど、セミオーダーを受け付けるテーラーやセレクトショップも都内には至る所にある。もちろん、玄人の2人も経験済みだが…。
西野:スポーツ選手や細い人など、既製服でカバーできない方の需要が多いイメージでした。
薬師神:ボクは初めてスーツをオーダーしたとき、メンズクラシックのルールに則って、注文服の重鎮みたいな人に小さいサイズで押し切られた経験があります。それが正解なんだろうけど、なかなかノーと言いづらい空気がネックでした。「THE ME」はファッションの店だから信頼できる。
西野:私も同じくNOと言えない日本人です。
工藤(THE ME):そういうお客様にこそ、「THE ME」の体験型サロンに来て欲しいです。もっと気軽にオーダーを楽しんでもらいたい。
②長袖シャツ:薬師神(165cm・60kg)




工藤(THE ME):薬師神さまのシャツを横から見てみてください。ブルーと白の重なりがミルフィーユのように映えるよう、シャツの着丈を白Tシャツよりほんの少し短く設定してあります。
シャツのオーダーでは、素材をブロード・オーガニックコットン・スビンコットン・ストライプ柄スビンコットン・テックウールの5種類から選択。Tシャツと同様に「000」から「016」までの9サイズ展開で、希望に応じてカスタムしてくれる。
薬師神:ボクは「スビンコットン」の「014」で、80cmある着丈を「002」の74cmまでカットして、スクエアテールで仕上げました。これで見映えがよいビッグシルエットのシャツになりました。
西野:なるほど。ヴィンテージラルフのビッグシャツのボリュームは好きですが、ラウンドした裾がお尻まですっぽり掛かってワンピースみたいになってしまい購入を諦めたことがあります。

メンズシャツは5つの素材それぞれに半袖と長袖が用意されており、襟デザイン(スタンドカラー、レギュラーカラー)・ポケット(有り、無し)・裾デザイン(スクエアテール、シャツテール)の3箇所がカスタマイズ可能。シャツ生地を含め、西野は「ストライプ柄スビンコットン・レギュラーカラー・半袖・ポケット有り」を選択した。




当初、薬師神サイズの「014」のサンプルを試着したところビッグサイズがイメージに合わなかった西野、ツーサイズ小さい「010」からサイズの微調整を加えることにした。シャツはパンツインすることが多く、腰回りにゆとりを持たせるため標準以上の着丈の長さが必要、しかも裾出しで着ることもあるので長すぎないように…の細かさだ。
工藤(THE ME):サイズ「010」の基本サンプルから、袖丈を2.5cm、着丈を3cmプラス。ちなみにスビンコットンは兵庫県産で、綿100%です。
西野:あと、シャツは第1ボタンまで留めることが多いです。夏場でも窮屈にならないよう首周りに余裕を持たせたい。細かくてスミマセン…。

受注生産ブランド「THE ME」の体験型サロンにて、西野大士チョイスによる長袖Tシャツと半袖シャツのカジュアルオーダーが完了。これから工場に発注し、“1着のみの”贅沢な生産体制に移る。
商品到着予定の「約3週間後」が待ち遠しい。
あれから3週間後…

カジュアルオーダーが発注され、工場から商品が到着したとの知らせを受け、季節外れの雪が舞うなか恵比寿南の「THE ME」体験型サロンに急ぎ訪れた西野大士(にしのやディレクター兼NEATデザイナー)。3週間前がつい昨日のようである。
西野:いやはや。今回の取材、ガチでした…。




店舗の奥では編集部員の薬師神と「THE ME」店舗責任者である工藤主税が待機していた。まだビニールが被ったままの出来たてホヤホヤの個人オーダーを、おごそかにラックからピックする。
薬師神:料理番組のように「ハイ。3時間煮込んだブイヤベースがこちらの鍋になります」など、ボクが仕込むはずもなく。常にガチです。
西野:着てみたい。ワクワクします。

“在庫を持たない・レジを持たない・受注生産”という斬新な業態が話題の「THE ME」のロゴは、「Theme(テーマ)」の掛詞でもある。
コロナ禍前のノームコアから昨今のミニマルトレンドに至るまで、成熟した大人男子のテーマとしてすっかり定着した感がある「ベーシックワードローブの需要の高まり」は、「THE ME」のカジュアルオーダーシステムと非常に親和性が高い。まさに、時代にフィットしたファッションだと言える。
③長袖Tシャツ:西野(170cm・70kg)




西野:スーピマコットンのクオリティはもちろん私も熟知していますが、自分好みのサイズなので全体的にさらに肌心地がよくなったように思います。無料オプションの胸ポケットを付けたほうがよかったかどうか、今も悩んでしまいますね。
ウエスト40インチのリーバイス501大戦モデルをベルトで絞り、シンプルに合わせたコーディネート。キャップは「ニート」のオリジナルだ。
西野:工藤さんに「ここ、どうしますか?」と聞かれるたびに、明確に答える必要がある。オーダーするのって、「自分のスタイルを改めて問われる」ことを意味するんだなと思いました。

木漏れ日が差し込む「THE ME」体験型サロンの店内で、上質なスビンコットン100%の半袖シャツを手に取る。さて、店主にあれこれ注文した西野のオーダーは、果たして正解だったのか!?


薬師神:ビフォー(上:基本サンプル)&アフター(下:サイズ調整後)で並べるとわかりやすい。
大きな違いはネック。M~L相当のサンプルでは第1ボタンまで留めてしまうと長時間の使用には耐えられそうもない。その首周りを「15-1/2~16」程度まで広げてスムーズな着用を可能にした。
工藤(THE ME):胸囲とネックで見ると、これが本来の西野さまサイズだと思われます。
西野:たぶん私はミディアム体型で首が太めなのでしょう。そして、袖丈をプラスしたぶん、きっちりとボリュームがあるので子供っぽく見えない。着丈も長くしてあるのでパンツインしてみます。
④半袖シャツ:西野(170cm・70kg)




薬師神:そうそう。西野さんのパンツインはシャツの裾を全部入れるのではなく、裾を引っ張り上げて腰回りを少したるませてからベルトで絞るスタイル。ゆえに、長めの着丈が必要なのね。
工藤(THE ME):西野さまが単純にサイズアップしたシャツを購入した場合、パターンが大きいためフロントボタンの間隔が開き過ぎ、ベルトのバックルの位置に1番下のボタンが重なってしまう。その収まりの悪さが解消されているはずです。
西野:これは基本サイズがMからL相当からの微調整なので、ボタンとバックルまで中心線が奇麗です。こういう方法があるんですね。

最後はパンツインで正面カット。西野と愉快な仲間たちの笑顔がすべてを物語っていた。
上質なものこそシンプルに、シンプルな服こそ自分らしく。「DESIGN YOUR OWN BASICS」を掲げ、定番アイテムのサイズ補正やディテール変更を提案する受注生産ブランド「THE ME」を体験しよう。きっと、個人オーダーのイメージが変わる!


工藤(THE ME):本日は誠にありがとうございました。またお越しくださいと言いたいところですが、「THE ME」はここからが真骨頂なのです。
西野:えっ。
薬師神:採寸したサイズの変更が無ければ、色違いや素材違いなど電話1本でも用意できるって。西野さんにお勧めしてよかったです。
西野:長袖Tの白はすぐ必要になりそう。いろんなビジネスヒントもいただきました。感謝です!
《オマケの2枚》


オマケの2枚。
薬師神が「THE ME」公式サイトにログインすると、自分がオーダーしたシャツとTシャツの寸法がデータ化されていた。今後はマイサイズのアイテムを簡単にオンライン注文できる。
薬師神:パーソナルデータを見るとなんだか嬉しくなっちゃう。西野さんにも教えてあげよう。
THE ME

住所:渋谷区恵比寿南1ー17-15 VORT恵比寿VI 2階-B
TEL:03-4233-4000
営業時間:11:00~19:30 / ※電話orウェブ予約制
定休日:月曜日・火曜日
オーダー所要時間(目安):
・約20分(商品を見たい方、サービスを知りたい方)
・約60分(初めてオーダーする方、2回目のご来店)
・約90分(複数のオーダー、着回しのご提案)