今年は梅雨入りが例年よりも早く、しかも大雨に見舞われることも増え、防水ジャケットが必要になる6月。パタゴニアのレインウエアは今年からすべてPFC(フッ素化合物)-フリーの撥水加工になり、より環境負荷が少なくなった。アウターのほか、蒸し暑い時期にうれしいアイテムを紹介する。
環境負荷の少ないPFC-フリー撥水加工のレインウエアをメンテナンスしながら着てほしい
「パタゴニアでは製品をつくる際、環境負荷をどのように軽減するかを考えています。今回紹介するレインウエアも、廃棄される魚網や、リサイクルナイロンを素材として使用しています。そして2023年、パタゴニアのレインウエアはすべてPFC-フリーの撥水加工となり、より環境に配慮された製品となりました。
PFC-フリー撥水加工になった製品のパフォーマンスを高い状態で保つために、重要になるのがメンテナンスです。レインウエアも普段着ているTシャツのように、皮脂や汗、泥などが付着したときには洗濯が必要です。(レインウエアの洗濯方法については、パタゴニアのWebよりご確認ください)防水シェルは洗うと効果が落ちる、洗わないことが正解と思っている人もまだ多いようですが、正しい方法で洗えば製品の寿命は長くなり、パフォーマンスも維持できます。
パタゴニアのレインウエアは、環境に配慮しながらも、用途に合った優れたパフォーマンスを発揮してくれます。今回紹介する3製品はすべて3層構造のシェルですが、高温多湿の日本の環境でも着やすく、様々なアクティビティで使用できる汎用性の高いものとなっています。特におすすめなのはグラナイト・クレスト・ジャケット。ほかの2製品と比較してテクニカルな要素が多く、雨のトレイルで快適な時間を提供してくれます」(桑原)
※今回紹介する製品はすべて、「フェアトレード・サーティファイド縫製」による。「フェアトレード・サーティファイド」とは、発展途上国などでつくられた製品に対して、公正な価格で取引をすること。それによって生産者の生活を持続的に向上させる取り組み。
01.トレントシェル 3L・ジャケット
タウンユースしやすいシンプルアウター
比翼仕立てでファスナーが隠れた汎用性の高いデザインが魅力。登山やトレッキングのエントリージャケットとしても人気のトレントシェル 3L・ジャケットは、パタゴニアが独自に開発した防水・透湿性機能、H2Noパフォーマンス・スタンダード・テクノロジーを採用した3層構造の生地を採用している。3層生地ながらしなやかで着やすく、両脇にはベンチレーションも装備。
このEvening Mauve(くすんだピンク系カラー)ほか、ファッションのトレンドと親和性の高いくすみカラーをラインナップしている点も、文化系アウトドアファッションに取り入れやすいポイントだ。
02.スレート・スカイ・ジャケット
ネットプラス素材の多機能型ジャケット
ほかの2製品よりも薄手の生地を使用した着やすいレインジャケット。漁網を使用したネットプラス・ポストコンシューマーリサイクル・ナイロン100%素材を使用し、H2Noパフォーマンス・スタンダード・テクノロジーを採用している。
コンパクトに収納できるミニマルなデザインは、日常的なレインウエアとしても重宝する。スレート・スカイ・ジャケットも写真のSmolder Blue(ダークネイビー系の色)ほか、くすんだカラーが展開され、ファッションとして取り入れやすい。
03.グラナイト・クレスト・ジャケット
パタゴニアを代表するレインジャケット
雨天のトレイルにも心強いハイスペックな本格的仕様。フロントジッパーとチェストポケットには雨の浸入を防ぐジッパーガレージ(ファスナーのスライダーを収納するフラップ)が。フロントのネック部分が高く顔をすっぽり覆うフードはフォーム入りのつばも備え、2通りの方法でフィット感が調整可能だ。両脇にベンチレーションのためのピットジッパーも備える。
ネットプラス・ポストコンシューマーリサイクル・ナイロンにH2Noパフォーマンス・スタンダードを採用した3層構造シェル。くすみカラーだけでなく、Metric Orangeのような鮮やかカラーも。梅雨どきには色で気分を上げるのもあり。
04.キャプリーン・クール・デイリー・グラフィック・フーディ / シャツ
オールシーズン使えるテクニカル・トップ
キャプリーン・クールはパタゴニアを代表するテック素材。速乾性と伸縮性が特長で、冷涼から暑熱まで幅広い状況で、アクティブに動いているときも快適な着心地をキープする。半袖・長袖のTシャツのほか、フーディもラインナップ。
毎シーズン、グラフィックや色を変えて登場する定番で、レイヤリング・システムのベースになるアイテムだ。リサイクル成分を50〜100%含むポリエステル素材を使用し、ハイキュ・ピュア防臭加工済みだから、汗をかいても臭いが気にならない。蒸し暑い梅雨シーズンもこれがあれば乗り越えられる。
05.アウトドア・エブリデー・パンツ
梅雨時期に心強いナイロン素材の撥水パンツ
水の中でも外でも使える多機能パンツ。ストレッチナイロン素材に、DWR(耐久性撥水)加工済みで、UPF(紫外線防止指数)40+のUVプロテクションも備える。梅雨から夏のレジャーシーンまで、1本持っているといろいろなシーンで使えて便利。
ウエストがゴム&アジャスターのイージー仕様。ポケットにフラップやファスナーが付き、中に入れたものが落ちにくいのも、アウトドアのアクティビティで重要だ。裾にゴム入りで足さばきがよく、シルエットもきれいでデイリーにコーディネートしやすい。
06.ツイル・トラベラー・パンツ
テックパンツながらコットンの風合いがナイス
一見チノパンのようなルックスで、普段着から旅まで大活躍の多機能型パンツ。オーガニックコットンとポリエステルの混紡素材に吸湿発散性加工を施し、蒸し暑い時期も心地よくはける仕様に。股部分にガセットを入れ、アクティブな動きにも対応してくれる。
ボタン&ファスナーフロントにドローコードを加え、ベルトなしで調整できる。腿にはスマホやICカードなどを入れるのにちょうどいいファスナーポケット付き。写真のSage Khaki(カーキグリーン系)ほかFurry Taupe(ベージュ系)、Plume Grey(ブルーグレー系)と文化系アウトドアスタイルにも取り入れやすい3色展開。
07.P-6 ロゴ・トラッカー・ハット
夏涼しいメッシュ仕様の定番キャップ
日差しが強い屋外でのアクティビティにキャップやハットはマスト。「帽子は暑くて苦手」という人におすすめしたいのが、後頭部がメッシュで涼しいトラッカー・ハット。ミッドクラウンの6パネル構造で、形のよさにもファンが多い。
前頭部とヘッドバンドはオーガニックコットン・キャンバス、つばは漁網をリサイクルしたネットプラス素材で写真の2色のほかWhite w/Light Plume Greyの展開もある。
08.サーフ・ブリマー
ウォーターアクティビティにマストな新作ハット
パタゴニアの帽子類はシェイプがいいと、愛用するファッションユーザーも多い。こちらはサーフィン、フィッシング、ビーチと水辺のアクティビティで日差しから頭を守る新作のバケットハット。後頭部の伸縮性クロージャーと4か所で調整できるチンストラップ(取り外し可能)が、水中での帽子のずれを防いでくれる。
頭頂部には通気も兼ねる水抜き孔付き。DWR(耐久性撥水)加工済みのナイロン95%(リサイクル・ナイロン65%)/ポリウレタン5%素材。写真のPlume Greyほか、トレンド感のある全3色展開。
Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori