
(前編のつづき)
「UNIQLO(ユニクロ)」から、毎シーズン人気の特別コレクション「Uniqlo U(ユニクロユー)」2025年春夏コレクションが3月20日(木祝)に発売される。
黒澤怜慈:「過去10年で最も難解であり、最もハイセンス」のウワサは本当でした。
それに先んじて、消費者目線のリアルな試着ルポをプレスルームで決行。前編では「ジャケットがない。デニムもない」というファッション偏差値高めのラインナップから、モデルの黒澤怜慈が大人男子へのお勧めを厳選。つづく後編では、買って120%間違いのない「黒」を中心に試着していく。



バケットハットをかぶった黒澤のコーディネートは、“ブルー寄りのグレー”のカラーパレットが印象的な「前編」のラストカットから。
コーディネートは、ロングオーバーサイズシャツ長袖(¥4,990)・ワイドフィットチノ(¥3,990)・UVカットハット(¥2,990)の3点だ。研ぎ澄まされたカジュアル、ワンランク上の大人の“LifeWear”を打ち出した2025年春夏の空気を感じて欲しい。設置されたトルソーもグレーと生成が中心で、テーマである「軽やかなレイヤードスタイル」に付随する3つのキーワード、「Fresh Pastel Color」「Light Fabrics」「Utility Items」を顕著に物語っていた。
①ワイドフィットチノ ¥3,990

「黒」縛りの後編、試着1アイテム目は「ワイドフィットチノ」の「09 BLACK」だ。サイズ展開が手厚く、ウエストは70cmから120cmまで。通常ならば最大サイズである91cmにも次があり、95cmから120cmまで6サイズも揃うのだ。加えて、2クッションほど付く「丈長め」まで選べる。難点は、大きいサイズも「丈長め」も、実店舗では販売されず、オンライン限定展開であること。
黒澤:実店舗に試着用サンプルのキングサイズを置いて欲しいところ。でもそれだと選択肢が多すぎて迷っちゃうお客さんが多くなるのかな?
テーパード控えめのワイドシルエットで、ヒップから脚部全体までストレスフリーな傑作ノータックチノパン。「前編」では提案色として「05」「06」「07」「08」の4つの濃淡があるグレーから「07 GRAY」が採用されたチノパンをチョイス。手持ちの「09 BLACK」のほか、「35 BROWN」「38 DARK BROWN」「30 NATURAL」を加えた5色展開で、複数買いもお勧め。
②フーデッドブルゾン ¥5,990



公式ビジュアルで猛プッシュされているアウターが「フーデッドブルゾン」だ。綿73%・ナイロン27%の混紡でライトウェイト。ブルゾンとフーデッドパーカの中間にあり、アウター使いからインナー使いまで汎用性が高く、端境期に重宝する。
黒澤:公式ビジュアルではお行儀よくフードを寝かせており、ストリートテイストが控えめです。
なお、XXLが最大サイズであるアイテムがほとんどの今春夏では珍しく、4XLまで展開がある。
③オーバーサイズステンカラーコート ¥9,990

手持ちのコートよりも先に、シンプルに「フーデッドブルゾン」と「ワイドフィットチノ」を試着した黒澤の、メリハリのあるシルエットとバランスに注目して欲しい。腰からストンと落ちるチノパンの上に、丸みを帯びたブルゾンが乗っかるのだ。
これぞ、教科書通りのスタイル方程式とは趣を異にするパリのエスプリ。アーティスティック・ディレクターのクリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)とサラ-リン・トラン(Sarah-Linh Tran)が率いるデザインチームからの提案だ。



今春夏のテーマに則った「軽やかなレイヤードスタイル」で料理すべく、「前編」でラスボス扱いだった「オーバーサイズステンカラーコート」を試着。ブルゾンとパンツもカラーはすべて「09 BLACK」だ。レイヤードで暗く沈むこともなく、「ユニクロユー」に特有の軽さが際立っている。
黒澤:お次はグッズ。さらにハットと手前にあるバッグも「黒」で重ねてみようかと。
④UVカットハット ¥2,990


隠れ人気商品になりそうな「UVカットハット」。ファッションアイテムであるが、アウトドア用途でも活躍間違いなしの優れもの。リサイクルポリエステル100%の素材には紫外線を防ぐUVカット機能と軽度の撥水加工が施されている。裏地の肌にあたる部分にはメッシュが張られており蒸れにくい。
黒澤:デザインかと思ったらベンチレーションでした。紐まで同色で美しい。あと、キャップと違ってハットはサイズ調整ができない認識でしたが…。
なんと、アジャスターで頭周りのサイズ調整が可能。強風対策や浅く被りたいときにも対応する。ファッション視点とユーザビリティ視点で担保される機能性が、コンパクトに詰まっている。リーズナブルな2,990円(税込)のプライスにも驚きだ。
⑤ショルダーバッグナイロン ¥2,990

ニュースペーパーバッグのような面持ちの「ショルダーバッグナイロン」にも「黒」がある。他色は「30 NATURAL」「48 YELLOW」、そして2025年春夏の提案色である「78 PURPLE」が揃う4色展開。2つの内ポケット付き。
オンライン公式説明文に「A4サイズのPCが収納可能」とあるが、これは大きさはもとより、PCの重さにも耐え得るタフネスについても折り紙付きということ。ハットとともにヘビロテしよう。

ここで趣向を変えて、個体差がわかりづらい「黒Tシャツ(半袖・長袖・7分・5分)」にフォーカスして全部見せ。素材と質感まで把握しよう。
黒澤:たしかに。見た目はほぼ一緒だし、数点のお勧めよりも全部見せのほうが親切!
ちなみに、「ユニクロユー」の今春夏の商品構成はメンズ(19)・ウィメンズ(19)・グッズ(3)と例年並みだが、カットソーの割合が高くメンズ全19アイテムのうち8点を占める。そして、ほぼすべてに買って120%間違いのない「黒」がある。店頭やオンラインでチェックし忘れたり、土壇場で迷うことがないよう、試着ルポでイメージを固めておこう。
⑥エアリズムコットンクルーネックTシャツ ¥1,990




着た瞬間、涼しい接触冷感機能。
黒Tシャツ全7点から、まずは黒澤いち推しから試着スタート。「エアリズムコットンクルーネックTシャツ」は、綿53%・ポリエステル30%・複合繊維17%の混紡で組成された機能素材「AIRism(エアリズム)」の「長袖」だ。これ以上の購入理由はない。最大サイズは4XLで、身長180cmの細身体型である黒澤はLサイズを試着している。
黒澤:僕の写真枚数=お勧めのレベルです。エアリズムの長袖は写真4枚の最上級。着て帰りたい。
⑦エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ/5分袖 ¥1,990


「5分袖・オーバーサイズ・ドロップショルダー」の旬のサイジングが魅力のエアリズム半袖。
続いて、「ユニクロ ユー」でお馴染みの「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ/5分袖」を試着。先の長袖のようなアメリカンサイズのジャストフィットではなく、袖幅と胸幅が広く着丈が短めのトレンドシルエット。好き嫌いは分かれる。
⑧クルーネックTシャツ ¥1,500


レギュラーフィットのヘビーウェイト。
ツルツルしたエアリズムの素材感とは真逆。ヘビーウェイトコットン100%の天竺素材を使用した標準シルエットの「クルーネックTシャツ」も根強い人気。ミリタリーTシャツのようなネックラインを採用し、襟はバインディング仕様で型くずれや伸びを抑える。最もラギッドな1枚だ。
⑨クルーネックTシャツ7分袖 ¥1,990



先の「クルーネックTシャツ」と同じヘビーウェイトだが、オーバーサイズ・7分袖の新提案。
黒澤:昔は5分袖のバリエーションに驚き、今春夏は新しい7分袖に完敗。1枚でサマになります。
ヘビーウェイトコットン100%の天竺素材を使用。定番のスタンダードフィットを、ドロップショルダーで身幅も大きいオーバーサイズフィットに変換し、7分袖にアレンジした「クルーネックTシャツ7分袖」は今春夏を象徴するアイテムだ。レイヤードで活用しよう。サイズはXXLまで。
⑩クルーネックセーター半袖 ¥3,990




ニット扱い。子供っぽく見えない「黒」の半袖。
黒澤:正確にはTシャツではありません。でもニットでもないような…。
これも黒澤の大好物。綿52%・ポリエステル48%の混紡素材を天竺編みで仕上げた「クルーネックセーター半袖」には、正方形の胸ポケットが付く。「09 BLACK」「31 BEIGE」「35 BROWN」の3色展開で、サイズはXXLまで。
⑪[WOMEN'S] スーピマコットンオーバーサイズT ¥1,990


ウィメンズから異端Tシャツ。
綿100%のSUPIMA®(スーピマ)コットンも人気素材のひとつ。肌触りがよい「スーピマコットンオーバーサイズT」のウィメンズ最大サイズはXXLで、身幅は64.5cmもある。5分袖の仕様のため、袖付けが短めのフェミニン袖ではなく、大人男子の着用に耐える。袖回りは少しタイトだ。
⑫ドライEXクルーネックTシャツ ¥1,990



「黒Tシャツを全部着てみた」のラスト。最もスポーティーでケミカルなTシャツはポリエステル70%・ナイロン30%の混紡素材。
黒澤:3XLと4XLも4月中旬にオンライン入荷予定ですって。運動するならビッグサイズで。
汗を素早く吸収して拡散させる「ドライEX」機能が盛り込まれた「ドライEXクルーネックTシャツ」。脇に縫い目のない丸胴仕様で肌へのストレスを軽減し、袖下の脇部分はメッシュで切り替えられており通気性も抜群だ。なお、この半袖の長袖バージョンである「ドライEXUVカットTシャツ長袖」も今春夏は展開しているが、カラバリはグレー系だけでなぜか「黒」が存在しない。
黒澤:「ドライEX」のショーツがありました。
⑬ストレッチドライEXショーツ ¥2,990


上下のセットアップで着用できる「ストレッチドライEXショーツ」。文化系スポーツ男子の完成だ。
黒澤:レギュラーラインの「ドライEX」は完全にスポーツ寄りですが、「ユニクロ ユー」の「ドライEX」だと袖の長さやパンツの丈、そしてシルエットまで、ギリギリ洋服寄りな気がします。
⑭エアリズムコットンオーバーサイズボーダーTシャツ ¥1,990

軽快にプレスルームを回遊中、メンズとウィメンズを合わせた今春夏の全38アイテムの中で唯一の柄物、「エアリズムコットンオーバーサイズボーダーTシャツ」を発見。しかも、オンブレチェック(Ombre Check)ならぬ、“オンブレボーダー(Ombre Border)”という絶妙な柄だった。
黒澤:ボーダーが控えめ過ぎるにもほどがある。今春夏の「ユニクロ ユー」の象徴は、実はこれ?
5分袖やオーバーサイズシルエット、ドロップショルダーなど、先の「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ/5分袖」とパターンは同一の隠れキャラ的存在。カラーは「08 DARK GRAY」と「30 NATURAL」の2色展開で、サイズはXXLまで。
⑮ロングオーバーサイズシャツ長袖 ¥4,990




黒澤:なんのことはない綿100%の黒シャツ…。
だが、生地をよく見ると夏用のシアサッカー素材であることがわかる。「前編」で色違いの「05 GRAY」を試着し、その着心地に感動した黒澤、同じ「ロングオーバーサイズシャツ長袖」の「09 BLACK」を「ドライEX」の上下にレイヤードした。肌離れのよいシアサッカーの天然の機能性をうまく取り入れ、「黒」に潜ませた傑作シャツだ。
羽織りにもなるよう着丈が長く、スリットは深めで補強のガゼットが付く。黒澤の着こなしが正解。
⑯ユーティリティオーバーサイズシャツ半袖 ¥3,990

大人男子にお勧めの「ユニクロユー」2025年春夏、ラストカットは「後編」の「黒」縛り16アイテム目となる「ユーティリティオーバーサイズシャツ半袖」。ワークシャツとミリタリーシャツの中間を行くデザインで、肘が隠れるほどの長めの袖丈と、大きな2つのマチ付きフロントポケットが印象的。コットンポプリンの綿100%も嬉しい。
黒澤:シャツの前立てに、サングラスを掛けられるループまで付いていました。クリストフ・ルメールさんとサラ-リン・トランさんは、日本の夏を本当によく理解していると思います。
試着ルポは以上。今一度「前編」と「後編」をチェックして、3月20日(木祝)の発売日に備えておこう。「ジャケットもジーンズもなく、過去10年で最も難解であり、最もハイセンス」という前評判の「ユニクロユー」は、洋服好き大人男子への挑戦状だ。上手に取り入れてカジュアルを格上げしよう。
《オマケの1枚》⑰[WOMEN'S] デニムバミューダショーツ ¥2,990

オマケの1枚。
2025年春夏の「ユニクロ ユー」で唯一のジーンズが、こちらの「デニムバミューダショーツ」だ。残念ながらウィメンズだが、最大サイズ36(ウエスト91cm)は大人男子も余裕で着用可能である。
黒澤:“バミューダショーツ”の名前が女子っぽいですね。ビッグサイズは争奪戦になりそう…。
Uniqlo U 2025年春夏コレクション
発売日:2025年3月20日(木)
販売店舗:
[フルラインナップ] 国内76店舗、オンラインストア
[一部商品] 国内全店舗
商品構成:メンズ(19)・ウィメンズ(19)・グッズ(3)