一般的なヘンプデニムとは一味違う
ジーンズはカジュアルスタイルの大定番アイテムだけに周りとの差別化が難しい。だが、「EDWIN(エドウイン)」が「EDWIN TOKYO HARAJUKU」のオープン8周年を記念して発売した「88(はっぱ)デニム」なら、独特の風合いとシルエットで周りと大きく差をつけられる。
88デニムに使われている素材は「大麻」。太古の時代から人類に愛された素材であり、日本では穢れを祓う神聖な素材として神具や横綱の綱に使われるだけでなく、庶民の日常着としても広く長く使われてきた。また、高強度、高吸湿性といった素材特性を持つことでも知られている。
麻を混合したヘンプデニムは世の中に多く見られるが、一般的なヘンプデニムに使用される糸は、経糸に綿、緯糸に大麻糸もしくは綿と大麻の混紡糸を用いているのに対し、88デニムは経糸と緯糸の両方に大麻100%の糸を使用している。
染色にもこだわっている。大麻の糸はインディゴ染料の浸透性が低く、一般的なロープ染色では濃度が上がらないため、絞りながら染める綛(かせ)染めで染色している。綛染めはロープ染色に比べ圧倒的に手間がかかり、生産性も低い伝統的な染め方だが、少しずつ染め上げていくことで糸の芯までしっかりと染まり、穿きこむほどに深みのある独特な風合いの色落ちを楽しめる。
綛染めで染められた糸は旧式のシャトル織機で織り上げられる。大麻の糸は綿に比べて糸の伸度(伸び)が低いため、強い力がかかると糸が切れてしまう。そのため、糸のテンションを下げてゆっくりと織る必要がある。旧式のシャトル織機で織られるデニムの幅は狭く、織るスピードもかなり劣るため生産効率は低いが、独特の凹凸ができ、自然なムラと膨らみのある表情が生まれる。ジーンズの裾を折り返した脇にあるセルビッジが旧式シャトル織機で織った証だ。
そんなセルビッジデニムで仕立てたのが、モモからスソまでズドンと落ちる超ワイドなシルエットのジーンズ。秋田にあるエドウインの自社縫製工場で裁断から縫製まで丁寧に一貫生産されている。ラベルには、大麻モチーフがプリントされた鹿革を使用しており、デニム生地同様に穿きこむことで経年変化を楽しめる。
あらゆる点で普通と一線を画す88デニムで、大人のジーンズスタイルを構築しよう。