パタゴニアのメッセージを凝縮した
モニュメンタリーがローンチ!
パタゴニアが5月9日から全直営店で「Patagonia Unfashionable Weeks」をスタート。「ファッションはわたしたちには関係ない。」という衝撃的なメッセージとともに、公式サイトに最新フィルム『ザ・シットスロポシーン 安物のガラクタの時代へようこそ』をローンチした。さらに各地で、アンファッショナブル トークショー&フィルム上映会やパタゴニア・アンファッショナブル・リペアプログラムも展開中。
https://www.patagonia.jp/quality/
『THE SHIT・THROP・O・CENE』
消費社会の現状とパタゴニアの取り組みを
ユーモアたっぷりに描いたこの映画は必見!
原始人からインフルエンサーまで。
ポスターからしてユーモアにあふれている。
『ザ・シットスロポシーン』は、難しい映画ではない。
ポスターに象徴されるようにエンターテイメントとしてもとても優秀だ。
なぜ私たちがあふれるほどモノを所有するようになったのか? 生物学的、脳科学的な側面と歴史的、社会的側面から考察する。次々と安物を買って消費していく現代を “ゴミ新生紀”とシニカルに表現し、地球のキャパシティを超えて、環境破壊が進む現状を提示する。
そこで「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」と掲げるパタゴニアが、具体的に何をやっているのか? 大量の不良品を生んでしまったウェーダー(水に浸かって釣りをするときにはく防水パンツ)の問題にフォーカスして、パタゴニアのスタッフが解決していく過程と、流行の誕生の歴史や現代の広告戦略とからめて、物語はコミカルに進行していく。
耐久性のある服は長く着られるから、地球環境保護につながるというパタゴニアのメッセージが終盤に登場するのだが、同時に「耐久性のある製品をつくるのは意外に難しい」という事実を痛感することになる。最後には消費漬けになった現代人の、自己救済へのヒントも紹介される。
David Byars
『ザ・シットスロポシーン』を監督したドキュメンタリー映画作家。2017年にアメリカ合衆国のマルヒール国立野生動物保護区占領に関する『NO MAN'S LAND』で監督デビューを果たし、ドミニカ共和国の無国籍民問題を取り上げた2019年の『MASSACRE RIVER』では複数の映画祭で賞を受賞。さまざまな問題を取り上げる社会派だが、『ザ・シットスロポシーン』を斬新な手法で、楽しめる作品に仕上げた手腕は見事。
Dr. Ann-Christine Duhaime
マサチューセッツ総合病院で10年以上、小児脳神経外科部長を務めた医師。脳と行動の関係と環境問題に長年、関心を抱き、ハーバード大学で特別研究員としてプロジェクトに参加。2022年には著書『Minding the Climate: How Neuroscience Can Help Solve Our Environmental Crisis(気候への配慮:神経科学が環境危機の解決にどのように役立つか』も上梓。『ザ・シットスロポシーン』では脳科学的に消費行動を分析している。
Sofi Thanhauser
ブルックリンを拠点に、作家、アーティスト、ミュージシャンとして活動する。長年のフィールドワークに基づいて2022年に上梓した著書『Worn: A People’s History of Clothing(織物の世界史―人類はどのように紡ぎ、織り、纏ってきたのか)』は新聞やファッションメディアで高く評価された。『ザ・シットスロポシーン』では私たちの洋服がどうして増えていったのか、流行はどのように生まれたのかなどについてわかりやすく解説している。
Patagonia
1973年にベンチュラにて創業。以来、50年にわたってクオリティの高い製品をつくり続け、アウトドア業界に数々のイノベーションを起こしてきた。このレスポンシブルカンパニーで働くさまざまなスタッフが『ザ・シットスロポシーン』には登場し、ハイクオリティな製品をつくる過程についてフランクに話をする。衣料品を進化させるためには、失敗は極めて重要であったという結論に続いて、彼らが幸せについても語るシーンは印象的だ。
ファッションはわたしたちには関係ない。=今年だけじゃなく何年も着るためにものをつくる。
パタゴニアはもともと生死を左右するアウトドアギアからスタートしたアウトドア企業だ。アパレルもギアと捉えて耐久性にこだわる姿勢は、90年代に成長だけを求めない、環境経営や持続可能性について考える企業にシフトしたときから変わらない。今回の一見過激なメッセージも、パタゴニア流の逆説ととらえることができる。
登場人物も魅力的で、現代を分析するコメンテーターも素晴らしい。映画の中で数パターン展開されるパタゴニアの架空CMも必見だ。百聞は一見にしかず。とりあえずはパタゴニアのサイトで見てほしい。
この映画は「ファッション=流行にのっただけの使い捨ての、すぐゴミになる安物の服」としてとらえている。しかしながら、ファッションが意味するものはそれだけではないはずだ。この作品が自分のファッションについて、ファッションと環境の関係について、あるいは哲学的にファッションを考えるきっかけにもなることは間違いない。
トークショーには栗野宏文氏はじめそうそうたるゲストスピーカーが登場!
パタゴニアの主要店舗ではフィルム上映会と「アンファッショナブル」をテーマにしたトークショーも開催される。ユナイテッドアローズ 上級顧問の栗野宏文氏、minä perhonen デザイナーの皆川 明氏などが登壇予定。彼らが何を語るのか? 興味深い。また無料のリペア・イベントも開催されるので、詳細は特設サイトでチェック!
アンファッショナブル トークショー&フィルム上映会の今後のスケジュール
5月15日(水) 19:00~21:00 パタゴニア 軽井沢
5月16日(木) 19:00~21:00 パタゴニア 東京・丸の内
5月17日(金) 19:00~21:00 パタゴニア 東京・ゲートシティ大崎
5月18日(土) 19:00~21:00 パタゴニア 京都
5月19日(日) 19:00~21:00 パタゴニア 東京・渋谷
パタゴニア・アンファッショナブル・リペアの今後のスケジュール
5月18日(土)/ 19日(日)11:00~18:00(17:00最終受付)
パタゴニア 東京・二子玉川
5月18日(土)/ 19日(日)11:00~18:00(17:00最終受付)
パタゴニア 白馬・アウトレット
パタゴニア日本支社 カスタマーサービス TEL:0800-8887-447