
充実した毎日を過ごすために「欠かせないモノ」って? 40代7人のファッションと必需品から、人生を謳歌するためのモノ選びを知ろう。
19歳で渡米し、サンフランシスコでヴィンテージの魅力に出会う。帰国後、2015年AWシーズンより「SEVEN BY SEVEN」 をスタート。今の自分につながるアメリカンカルチャーを感じられるアイテムを日用品としてセレクトするように。最近は、健康や体力づくりも生活の重要テーマになっている。
01:カットソーとスウェットは杢グレーばっかり

「よく着るカーキやブラックの服に合うというのもあるけど、経年変化で色が抜けていって表情が変わるのが面白いから、無意識に集めていますね。そういう意味で杢グレーには個性がある」
02:カシミール地方のストール

「取引先であるインドのカシミール地方の工場を訪れたときに直接購入した、手織りによる上質な一枚。この写真から想像できる10倍繊細な肌触りです(笑)。大判で使い勝手もいい」
03:バッグは基本、トート

「荷物があるときはもっぱらトートバッグ。お気に入りはこの3つ。インドの職人が手刺繡したリーバイスロゴ、パッチワークをあしらったショップのノベルティ、(加賀美)健さんが描いてくれた世界で一つのオリジナルイラスト」
04:RUSTLERのブラックデニム


「ラングラーのサブレーベルとして生まれたラスラー。アメリカのスーパーで売っていて、デニムとしては無味無臭なんだけど、それが気分。ブラックのストレートはどんな服にも合う」
05:「New Balance」のX-RACER UTILITY

「ニューバランスは、中学生の頃から履いていてトレンドのモデルより変わり種のほうが好き。フリスクが入りそうなポーチやジップポケットがいい意味で変で、2色買いしました」
YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」の企画・クリエイティブディレクションをはじめ、Netflix JapanのコンテンツやNHKの音楽番組「おかえり音楽室」を手がける。40代になり、ものを選ぶ際は、「自分は何が好きか」より「なぜ好きか」を意識しながら、作り手と使い手それぞれの背景やプロセスを想像することを大切にしている。
06:時計は一つだけ


「手持ちの時計をすべて手放してパテック フィリップのカラトラバ Ref.5096の一本に。長く愛用できる最高峰を手に入れたことで、その日時計をつけるかつけないかを決めるとともに、時間との向き合い方を考えるようになりました」
07:ヴィンテージのベルト

「スタイリスト白山春久さんがアプレッセのルックで使っていたロザリアプロダクトのベルト。ヴィンテージのティファニーのバックルの価値を現代に引き継いだ逸品です」
08:一生なくさないためのキーリング

「毎日持ち歩く鍵につけるキーリングが僕にとってのアクセサリー。エルメスのシェーヌダンクルの“じゃないほう”が自分好み。敬愛する白洲次郎が使った歴史や物語にも惹かれる」
人気アーティストを多数抱える音楽レーベルの代表。2023年には、レコードをメインに、オリジナルのアパレルやデッドストックのぬいぐるみなどを扱うテスト&タイニーをひっそりオープン。20代の頃から好きなものは変わらず、むしろ愛着が増している。いい意味で保守的になっていると自己分析。
09:友人のブランド「Diaspora skateboards」のリュックとTシャツ

「ここ数年好きなブランドの一つ。リュックは毎日、Tシャツは週2くらいで着てます。駒沢に店があるけど、スケーターの中学生とかも店に来ていて。その感じも含めて好きです」
10:ブラックジーンズを集める

「2000年代にブラックジーンズをよくはいていたのが再燃。古着で探すのはもちろん、最近は新品でもいい感じの色落ち具合のものが多くて。サンデイズベストのジーンズはオススメ」
11:老眼鏡、始めました

「去年から眼科で老眼が進んでいると言われ続け、ついに正月にデビュー。普段かけているメガネと似たデザインで、度数はいちばん弱いものを選びました」
12:カーハートのミシガンチョアジャケットはあえての紺で

「定番の茶色はよく見るけれど、どうしても紺と黒が欲しくて古着店で探して買いました。この生地の風合いが好きなんだけど、硬くてめちゃくちゃ動きづらい(笑)。たくさん着て馴染ませます!」
13:ここ数年の足元は「Last Resort AB」のスニーカー

「今までは病気なんじゃないかってくらいアディダスのキャンパスを履き続けてきたんだけど、数年前からはこれ。池尻のアンダーザサンで買ってます」
14:洋服は、基本的に古着屋で手に入れる

「下北のFILMとヒッコリーにはオープン当初から通っています。行けば何かしらいいものに出会える。特にFILMはセレクトと自分の服装とのベクトルが似ていて安定感があります」
15:愛着がありすぎて一生着るだろう「L.L.Bean」のジャケット

「10年くらい前に下北のヒッコリーで買って、ひたすら着続けているヴィンテージのジャケット。ここまで愛着をもてる服に出会ったのは初めてでうれしくもあります。もったいないとは思いつつガシガシ着てます」
2008年から天童木工でデザイナーとして活動した後、’14年に山形のプロダクトレーベル、「山の形」を設立。’20年にZeltを設立し、インテリアや家具デザインを行う傍ら、書店「Zelt Bookstore」を営む。素材のよさを生かしたプロダクトに惹かれることが多く、年を経るごとに気に入ったものをひたすらに収集する傾向が。
16:スウェットは山形のブランドが好き

「山形の米富繊維がやっているヨネトミとコーヘンのスウェットは、袖を通したときの心地よさが格別。ニットメーカーが作るスウェットは、素材に表情があるのもいいんですよね」
17:ユニフォームは「VOIRY」のパンツ

「道具としての服、という感覚ではいています。会議のときはウール混(左)を、普段はチノっぽいものを。汚れたりくたびれたものは、犬の散歩や作業用として長く愛用し続けています」
教職に就いた後、淡水魚のグッピー研究のために大学院で学んだのを経てパンの道へ。生産者の顔が見える素材選び、薪窯での焼成など大地の恵みを生かすパン作りを行う。朝4時30分から重労働を行うため、作業中はストレスフリーなアイテムを選び抜き、プライベートでは古着を愛用。五感を刺激し、自分を幸せにするアイテムに囲まれて暮らす。選ぶアイテムはもちろん、生き方そのものが有機的。
18:プライベートは「OMA」の服がほとんど

「豪徳寺の古着店・圧縮の店主で、OMAというブランドを運営する松田水緒さんのセンスを信頼していて、私服は主にここ。ブルゾンは古着、チャンピオンのトレーナーはアーティストでもある彼が僕の好きな淡水魚を描いてくれました」
19:0歳のときに母が編んでくれたニット帽

「どうやら僕は“古いもの”に惹かれるみたいでして。実家のクロゼットに眠っていたのがこの手編み帽。当時は大きめだったらしく、だいぶ大人になった今になって愛用しています」
20:「LUNAサンダル」は立ち仕事の味方

「適度な柔軟性があり、履いているうちに足がソールに馴染んでいく。軽くて疲れにくいので、冬は五本指ソックスを合わせて仕事しています。趣味の釣りや川遊びにもこれを履いて出かけます」
21:へたってもカッコいい「homspun」のTシャツ

「コットンTシャツはhomspunのもの。レディスがメインのブランドで、XXLサイズならメンズでも着られる。作りが丁寧で、とにかく丈夫。着倒してへたってもなお、カッコいいです」
22:パンツは軽くて乾きやすいのが最重要

「いろいろ試して行き着いたのが、軽くて洗濯しやすいワークマン。作業上、膝の部分が破けるので、当て布をして補修しています。夏はパタゴニアのバギーショーツを」
23:「いらっしゃいませ」エプロン

「開店以来、エプロンもたくさん試しましたが、結局手が伸びてしまう存在。周りからは“シャレなの!?”と言われますが、肩が凝らないんですよ」。不可欠ゆえに常に新品をストック。
出版社勤務後、表参道でブックカフェを営む。店舗形態はアパレル店のインショップ。加えて40代後半になり、かつて購入したストーリーのある上質な服を「たくさん着てあげたい」気持ちから、プライベートはもちろん、自宅や仕事中もさらにおしゃれを楽しむように。衣類、靴類、ファッション雑貨、香水は店舗のバックヤードにストック。出勤後にその日の天気や客層に合わせ、ウィットに富んだ装いを心がけている。
24:メゾンのスーツをカジュアルダウンして着る

「セカンドハンズで見つけたボッテガ・ヴェネタのスーツ。最も好きだったトーマス・マイヤー時代のもので、裏地がシルクなのも◎。あえて仕事中に着るのが楽しくて」
25:「TUBE」の服をコレクション


「アパレル界のレジェンド斎藤久夫さんのブランド・TUBEのファン。シルクのブルゾンや手編みのウールニットなど、上質な素材を使いつつ遊び心にあふれている。ラストコレクションの2025春夏は、一点モノのシャツを2枚手に入れました」
26:ブランケットみたいなアウターで寝転ぶ

「話題のコアラマットレスを購入したものの、実際は音楽を聴きながらソファで寝落ちすることが常。TUBEの軽くて暖かいウールのシャギーコートが布団の代わりに…」
27:アクセサリー代わりにメガネでしゃれる

「服装や天候、気分によって毎日つけ替えます。リムにゴールドやプラチナを使用したリンダ・ファローをメインに、blinc vaseやドリス・ヴァン・ノッテンなども。カラーレンズ、サングラス、リーディンググラスの三軸で揃えています」。約20本所有し、購入は主にblincで。
28:究極のインナーは「モンベル」のスペリオルシルク

「インナーは触り心地や吸保湿性がよい素材が好み。スペリオルシルクに辿り着き、ショーツとタイツを愛用していましたが、販売中止に。代わる逸品を見つけたいと思う日々です」
29:スタンダード靴は「Maison Margiela」

「足の形に合うのでMaison Margiela率が高め。タビが有名ですが、それ以外のレースアップやスニーカーも好み。中敷はフットワークスのオーダーメイドを必ず装着しています」
脚本家・プランナーとして映像系の会社に勤務。地方への出張も多いため、必需品の中にはその土地で手に入れたものも多数。年を重ねると徐々に興味の範囲や行動が固定されていきがちだと気づき、最近はこれまで経験していないことに意識的に挑戦中。新しい価値観に接することこそが40代を謳歌する秘訣だそう。
30:見た目も値段もいい。英軍のトラウザーズ

「カジュアルさの中に、スーツ発祥の国ならではの仕立てのよさが光る。価格もちょうどよく、見つけたらつい手に取ってしまうアイテム。5本ほどストックしていた時期もあるほど好きなアイテム」
31:「エンダースキーマ」のブーツ

「和装のとき、寒い季節は下駄や雪駄だと足元が不安だなと思っていたときにたまたま出会った一足です。フロントジッパーは着脱も気軽にできて、重宝しています」
32:和服にも洋服にも使える羽織

「服装のテイストの可能性を広げたいと思ったのがきっかけで、昨年から和装に挑戦しはじめました。アイテムはY.&SONSで探すことが多いです。これは店員さんが着ていたのを見てひと目惚れ。リネンの滑らかさが美しい一着です。長めのカーディガンをはおる感覚で洋服にも合わせやすい」
33:メガネは近所の「The PARKSIDE ROOM」で購入

「普段からMYKITAのメガネを愛用していましたが、同じデザイナーのブランドだと知って購入。縁は細いのですが程よい存在感があり、少し真面目な雰囲気を出したいときの一本として使用中」
34:スニーカーは結局シンプルな一足に落ち着く

「2024年は自分が中高生だった頃に流行ったスニーカーが多数復刻。adidasのTOBACCOはそれこそ学ランに合わせていて。当時はデザインに物足りなさを感じていましたが、今の服装にはこのくらいのシンプルさが合うなと実感」
35:出張に重宝する「CITERA」のスーツ


「地方のプロジェクトでは行政との仕事も多いのでスーツは必須。軽くて、シワになりづらいことに重きを置いて見つけたのがCITERAのイージースーツ。着心地はもちろん、乾きやすいのも出張先ではうれしい!」
36:リペアや染め替えをして、着る

「古着が好きなのですが、見た目は気に入ってもいざ身につけると、シルエットや色味が“もう少しこうなれば”と思うこともしばしば。自宅のある吉祥寺にはたくさんのリペアショップがあるので、自分の好みにカスタムしています。お気に入りの店に出会うべく、開拓中」