ダウンもいいけれど、秋冬の装いをグッと大人っぽくしてくれるのが、風格漂うコート。UOMOエディターが取材する中で見つけた逸品を是非手に入れて欲しい。
01:HERMÈS|ピーコート
「可愛さだけでできている」
文化系コートの代表であるピーコート。可愛く少年ぽいイメージとは裏腹に「重くて窮屈」な記憶があり、実はこの20年ほどはまったく着たいと思わなかった…。しかしエルメスの新作ピーコートにはすっかりやられた。
フルレングスのロングは可愛いAライン。胸の部分のハンドウォーマーは実用的なのはもちろん、寒い冬の日に白い息を吐きながら手を入れる仕草も可愛い。こういうところにレザーをあしらったりカラーのパイピングを施したりするのはピーコートあるあるだけど、このコートは余計なプラスアルファの処理がないのもシンプルで好感がもてる。
フロントボタンやチンフラップなどのディテールが微妙に大きめのバランスで、全体の印象をシュッとした雰囲気というよりは、可愛い方向に振っている。大人にこそぜひ!
02:blurhms ROOTSTOCK |ノーカラーコート
「ヴィンテージっぽいけど現代的」
ここ数年ショートアウターが断然気分で、コートを買い足した記憶が一切ない。そんな僕が久しぶりにコートいいな…と思ったのがブラームス ルーツストックのノーカラーコート。
言ってしまえばモッズコートのフードなしが一番近いと思うのですが、本家は近年値上がり傾向。おまけにサイズ感もオーバー気味。それはそれでいいのですが、もう少しすっきりと見せたい派にはこれがうってつけ。ウールとラミーの混紡の粗野な質感で、色味は落ち着いたブラウンだから、合わせる服の幅が広い。
これが本家と同じくカーキだとちょっと男っぽすぎる。実にいいところを突いたコートなわけです。
03:MACKINTOSH|HUMBIE
「ぜひ試して欲しいハンパ丈」
なんでもレディスでの大ヒットを受けて、満を持してメンズにも投入されたのが昨年で、さらなるスマッシュヒットを記録したとか。そこまで言われると自ずと評価は厳しくなるのだけれど、試着した瞬間に降参しました。
ゆったりしたボディに膝上の着丈、新鮮。堅苦しさの全く感じられない千鳥格子、かわいい。やっぱりポイントは「丈」だろうか。ロングでもショートでもない中途半端なミドル丈。
何事も「中途半端」はよくないって言われがちだけど、これは例外。一番上の釦とチンタブだけ留めて着るのがおすすめです。
04:ATON|エアウェザーコート
「何枚あってもいい、黒アウター」
この10年でおそらくアウターを100枚以上は買ったけど、一つ言えるのは黒のアウターはいくつあってもいいということ。
とにかく合わせを選ばないし、場所や相手も選ばない。頑張りたい日も、頑張りたく無い日も寄り添ってくれるから本当に最高。
ATONのナイロンコートはライナーを着脱出来るのでロングシーズン着ることが出来て、比翼仕立てなので品もよく、カジュアル過ぎないところが良い。ひとまず思考停止なウィークデイに週5で登板してもらおうと計画中。
05:HERILL|ゴールデンキャッシュリバーシブルコート
「“理性を吹っ飛ばす”ヤバいコート」
へリルのデビューシーズン、受注会で衝撃を受けて思い切って手に入れたカシミヤのダッフルコート。それ以来の衝撃が再び。
へリルの定番ニットでおなじみのゴールデンキャッシュを使用して仕立てられたバルマカーンコートは一度袖を通すと50万越えという価格を忘れて「欲しい!」の感情に支配されてしまう。
比較的重厚なダッフルコートに対して、今回のバルマカーンはまるでカーディガンのように軽やかに着られるのも魅力。履きこんだデニムやローテクスニーカーと合わせてこんな極上のコートをデイリーにガシガシ着る贅沢、してみたい!