2022.12.25

【大人のベストバイ】エルメスのマフラー、コモリのレインコート…  2022年にエディターが「買ってよかった」5選 #04

ファッションからコスメ、ガジェットまで、UOMO編集部員が実際に愛用する名品を毎日1つずつ紹介する「エディター私物」。2022年に本当に買ってよかったお買い物を振り返る。

UOMO副編集長 吉﨑の場合


01:COMOLIのレインコート

【大人のベストバイ】エルメスのマフラー、の画像_1
冬の雨天時のアウターはレショップ別注のマッキントッシュ。対して、春や秋のレインコートって自分の中で長らく「正解」がなかった。 ポスタルコのレインポンチョは見た目も気に入っているし、使い勝手もいい。都会にも自然にも映えるフォレストグリーンも気に入っている。ただ丈が短い。袖丈も、着丈も。そこが惜しい。その点、春夏に手に入れたコモリの新作レインコートは、着丈が長く、何より信じられないくらい軽量。見た目もモダン。しかも蒸れない。結局、本当にどしゃ降りの日はどうしたって傘が必要になるんだから、オーバースペックなゴアテックスや、止水処理されたテープやジップまではいらないんだなと気づいた。 いつもの服に普通に着られて、馴染む。やっと見つけた「正解」の一着だった。満足。



02:丹羽布団店の座布団

【大人のベストバイ】エルメスのマフラー、の画像_2
クッションではなく「座布団」なのがいい。家に和室はないけれど、意外と便利であると落ち着く。それが座布団。 これは明治5年創業以来、150年にわたって続く、名古屋にある老舗の木綿ふとん店のもの。5代目当主の丹羽拓也さんは、伝統を大切にしながらも、次々と新しいチャレンジを仕掛けている。この座布団も、そもそもはハンス.J.ウェグナーのYチェアのためにつくられたもの。なぜ? Yチェアの座面に寸分たがわず、ぴったりと収まるらしい。 「らしい」というのは、自分がYチェアを持っていないから。現在は、ウェグナーの別の椅子で使っていますが、今のところ特に過不足なし。すでに100点なのに、本来の用途であるYチェアと掛け合わせたとき、満足度はいったい何点になってしまうのか? 将来Yチェアを買う楽しみがもうひとつできた。



03:さかもとゆりのアシカのオブジェ

【大人のベストバイ】エルメスのマフラー、の画像_3
「Sea Lion」と商品名にはあった。小学生時代にアニメ『ゴマちゃん』を楽しみに観ていた自分は、迷わず「なんてかわいいアザラシだ!」と思った。単語をググると、果たして「それ」はアシカだった。えっ、アシカだったのか。実際の生き物を見れば「一発」の違いも、陶器だとわかりづらい。 「アシカには小さな耳がついていますが、アザラシには耳の代わりに孔があるだけです」。「アザラシの後ひれは小さくて折りたためませんが、アシカは折りたためます」。その他、歩き方も違えば、泳ぎ方も違う。この「Sea Lion」はどうか。耳…いや、耳、ないように見えるんだけど。つやつやしているようでマットな釉薬仕上げ。ふっくらした腹まわりを親指で撫でながら、作家のさかもとゆりさんはどんな人だろうかと想像する。『ゴマちゃん』は観ていなかったのだろうか。 他のオブジェもひととおりチェックする。次買うなら…「Koala」だ。セラミックの質感って意外とコアラを表現するのにもぴったりなのだなと思う。だがコアラとアザラシは一緒に並べたときに収まりが悪そうだ。相性で言えば「Pelican」。アシカ&ペリカン。バディとしての説得力を奇妙に感じる。自分だけだろうか。



04:gallery deux poissonsのキーチェーン

【大人のベストバイ】エルメスのマフラー、の画像_4
普段はアクセサリーを一切身に着けない自分だが、UOMO5月号「文化系男子のための『ツッコまれない』アクセサリー」のページを見ていいな、と思ったのが、このギャラリー ドゥ ポワソンのキーチェーンだった。 恵比寿にあるジュエリー専門のギャラリーで、これはオリジナルのあずきチェーン。「ギャラリーオリジナルなんだよね」って人に言いたくてたまらない。聞いてほしい。思う存分ツッコんでほしい。本誌とは趣旨が逆になってしまった。 用途はもちろん自宅の鍵をつけるだけで、いたってシンプル。清々しい単機能性。アクセサリーとしてももちろん気に入っている。



05:HERMÈSのマフラー

【大人のベストバイ】エルメスのマフラー、の画像_5
マフラーは、本当は大判が好きだ。ただ、建物に出入りするたびにいちいち取ったり、また巻き直したり…の手間が煩わしいのも確か。そして意外とボリュームのあるコートやダウンの首もとを、ショートマフラーでコンパクトにきゅっとまとめるのも嫌いじゃない。 このエルメスのマフラーは片面がチェック、もう片面がオレンジになったデザイン。個人的にはチェックが苦手で、これまで無地のマフラーばかり買っていたけれど、二、三年くらい前にはじめて別のブランドでブラックウォッチを試してみたところ、思ったほど抵抗がなく、むしろ巻くのが楽しくなった。 ではこのチェックはどうか。率直に言って、あまりセオリーにはない配色と発色。いろんな意味で「微妙」だ。二、三年前までの自分だったら、まったく惹かれなかっただろう。でも今はこれがいい。この歳になっても、まだ新しいものを楽しめるっていいなと思う。



Movie:Mitsuo Kijima
Stylist:Masashi Sho

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