日頃からメガネを着用しているUOMOエディターの愛用私物フレームをご紹介。
01:YUICHI TOYAMA.|U-151
20年ぶりのサーモント
集英社に入社して気づけば20年以上経っている。「20年」。自分にとっては「地続き」だが、編集部最若手の堀池と話していると、たびたびそれは「隔絶」だと思い知らされる。まさに隔世の感。
で、20年前、まだ新人時代だった頃の自分は「サーモント」のメガネだった。今も青山にあるクレイドルで購入したエフェクター。なぜサーモントを選んだのかは忘れてしまったが、ブローラインがゴリゴリに太かったのは覚えてる。正直、似合っていたのかも怪しい。
その後、今に至るまでいくつものメガネをかけ替えてきたが、その間サーモントを選ぶことは二度となかった。が、昨年のユウイチトヤマ.の展示会でなぜか目に留まり、手を伸ばしていたのがこの「U-151」だった。丸みを帯びたボストン寄りのウェリントンシェイプ。記憶のサーモントよりずいぶんとマイルドな印象だ。ブリッジの細工も品があって、ただクラシックなだけじゃない。
その自分の姿を鏡で見て思い出したけど、そういえば、ちょうど今の自分の年齢くらいだった頃の父親がやはりサーモントをかけていた。昔は特に何とも思わなかったけど、こうしてみると、やはり父親の面影を感じる。「20年」。目には見えないけれど、やはりそれは着実に自分の中に堆積され、今と地続きに繋がっていた。
大人の文化系男子のためのマンガレーベル「UOMOマンガ」では、かっぴー先生と福満しげゆき先生の連載を担当。セルカークレックスの愛猫「ほこり」を飼い始めてからは、静電気を発しない素材や毛が付いても目立ちにくいグレーを選ぶなど、“猫ファースト”のワードローブにシフト中。
02:Zoff|ウェリントン
誰でも挑戦できるウェリントン
去年からの超個人的すぎる変化は髪型。さらさらな直毛からパーマスタイルに変えたのですが、今まで愛用していたアイウェアが似合わなくなってしまいました。リムの細いメタルフレームが似合うと思っていたのに、どれも全然しっくりこない……。似合うと確信を持てるメガネなら高価でも購入するのですが、新しい形に挑戦するなら安価であってほしいもの。
そんななか選んだのが、王道のウェリントンかよ、ってツッコミを貰いそうですが、顔の印象が大きく変わる太いリム&黒縁は敬遠しがちで実はウェリントンは初挑戦。顔周りにボリュームが出る黒髪パーマのおかげで、黒縁メガネの強さに負けなくなったんだと思います。しかもフレームは六千円台。薄いブラックカラーのレンズを入れて、すっかりこの夏のスタメンに。
ちなみにZoffの方曰く、このウェリントンフレームが店頭で一番売れているということ。あれ、もしかして髪型関係なかった?
2023年入社の編集部最年少。本誌では『プロゴルファー!HIKARU』としてゴルフ連載を担当。ときたまデザインの効いたアイテムを着ると、副編集長吉崎をはじめ先輩達にツッコまれがち。真夏生まれだが夏の暑さにも冬の寒さにも弱い。趣味はツーリングと音楽フェス。
03:金子眼鏡店|KA-64
日常で気兼ねなく掛けられる。金子眼鏡店のクラウンパント「KA-64」
言葉にすると陳腐になるが、眼鏡はそれとなく知性を感じさせるものを選びたい。日差しが強い日あるいは真夏になると、気持ちが浮かれてしまうのか、サングラスはファッションとして主張できるものが好きだけれど、眼鏡には不思議とその欲が湧かない。
そんな自己満足を叶えてくれるのが、クラウンパントのフレーム。ラウンドやボストンよりも個性が出すぎず、適度にエッジが立っていて顔にメリハリもつけられる。クラウンパントはフレームフランスと呼ばれるヴィンテージが有名だけれど、あちらは全体のラインに繊細さがなく、むろんアジアンフィットでもないため、どうしてもメガネに合わせにいくような感じがある。それはそれでアリだが、もう少し普段使いに寄り添ってくれるモダンなフレームのほうが、日ごろから気兼ねなくかけられていい。
と、ここまで語っておいて両目の裸眼視力は1.5。「なんだ、メガネいらねーじゃん」と言われたらぐうの音もでない。書いていて、実用ではなく演出でメガネをかけることこそファッション的主張ではないかと気づいてきた… いやぁちょっと恥ずかしい。
クルマと時計担当。幼少期からのクルマ好きで、大学時代は自動車部に所属。ウェブでは「文化系ネオクラシック車と30人の男たち」も手掛けた。愛車はアルファロメオの「ジュリア」。クルマはイタリア車好き、ワードローブはカジュアルなフレンチスタイルが好み。猫舌のため一年中、アイスコーヒー派。