色について並々ならぬこだわりがある大人たちのこの冬の「色の哲学」。第二回は毎シーズン美しい色を展開するオーラリーのデザイナー、岩井良太さんに話を聞いた。
AURALEE デザイナー 岩井良太さんは…
「優しい中間色に包まれたい」
「オーラリーには品のいい色をつくるという軸があります。だからといってコンサバな色でデザインするのではなくファッションとして純粋に楽しみを感じられるカラーパレットを追求したい。毎回、何百色かのカラーをデスクに並べてみて直感的に今を感じる色をピックアップして生地作りに入ります。生地の色味に納得がいって初めてデザインに取りかかります。かといって、『あの色を着ている人』という色の印象ばかりが強くつくのは避けたいんですよ。だから自分で着る色もスモーキーでフェード感のある中間色が多くなります(笑)。茶色一つとっても赤みや黄みの強さによって雰囲気が変わりますし、中間色には独特な上品さを感じます。今日、僕が着ているライトグリーンはまさに今季の気分です。いつものワードローブに足すだけで新鮮ですしルック(下)のように淡い色同士でコーディネートするのも好きです」
PROFILE
2015年にオーラリーを立ち上げ、昨年「ファッション プライズ オブ トウキョウ」を受賞。2019年3月にはパリコレデビュー。
2019秋冬のカラーパレットは、ベージュやグレーなどベーシックなカラーを軸に、グリーン・ブルー・ピンクなどを足した軽やかなラインナップ。やわらかなトーンが特徴的。
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Photos:Mao Nakazawa
Composition&Text:Takako Nagai
Composition&Text:Takako Nagai