コロナ禍をきっかけにスタートした新しい日常で、ライフスタイルが変わったという人は多い。洋服やモノへの考え方はどうか? 個人的定番は不変? それとも新定番が生まれたか。この連載ではWITHコロナ時代のスタンダードアイテムを100人に聞く。エディターの宮田恵一郎さんは、“地球との共生”という視点がライフスタイル全般において重要に。
【MY STANDARD 100 #85】 宮田恵一郎さん(フリーエディター/34歳) CFCLの無縫製ニット
カーターロングスリーブT¥24,000/CFCL
<
>
生産過程にもこだわった 一歩進んだサステナブルニット
まわりの人のために、時間、お金、労力を費やしたいと思うようになりました。まず身近なところで“不要不急といわれる職”やそれに準ずる仕事をしている人のために。それから少しずつ範囲を広げていって、最終的には地球の一員として、役割を果たして生きたいと思っています。
こと洋服に関しては応援したい、また共感できる、哲学のあるものを着たいという意識が高まりました。そして自分の中で重要になってきているのがサステナブルやダイバーシティという観点。たとえばニットなら、着心地や、自分好みのシルエットであることはもちろん、素材がただエコというだけでなく、生産背景や作り手の労働環境など社会的問題を含めて“地球との共生”に考えが及んでいるか。そういう経緯もあって、手持ちのワードローブをリペアすることも増えました。
そんな折に出会ったのが、CFCL(“Clothing For Contemporary Life(現代生活のための衣服)”)。2021年春デビューの新進ブランドです。これからの時代は、外装を重視するファッションから、もう一歩踏み込んで生産過程の在り方やものづくりの哲学がトレンドになっていくと予想しています。CFCLはそのリーダーに相応しいブランドだと確信して、自分のワードローブに取り入れました。
<
>
3Dコンピューター・ニッティングの技術を使ったニット製品がメインです。機能性や環境に配慮して国産素材を選び、流通経路の透明性を開示しています。高品質な日本製の糸を使うことで、自宅で洗濯ができて、かつ速乾性をもつイージーケアのアイテムに注力しているのも素晴らしい。
CFCLのニットとリペアを繰り返してはいているポストオーバーオールズのデニムを合わせました。インディビジュアライズド シャツにJ.M.ウエストンの”ゴルフ“を合わせたトラッドな装いも、CFCLのニットを一点投入すると今っぽくアップデートできるな、と思いました。
<
>
CFCLのニットは、身幅が広く、背面にライン状の編柄を入れるなどミニマムながらモダンなデザインが持ち味。一着丸ごと編み上げる無縫製ニットの技術でつくられているから、必要なときに必要な枚数だけつくることができるという点も優秀です。
<
>
おしゃれな大人のイージーパンツ
CFCL TEL:03-5962-7946
Photos:Naoki Seo(still)
Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori
Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori