コロナ禍をきっかけにスタートした新しい日常で、ライフスタイルが変わったという人は多い。洋服やモノへの考え方はどうか? 個人的定番は不変? それとも新定番が生まれたか。この連載ではWITHコロナ時代のスタンダードアイテムを100人に聞く。ムロフィスの中室太輔さんは、長年探して好みのものが見つからなかったソックスのブランドを立ち上げた。
【MY STANDARD 100 #74】 中室太輔さん(ムロフィス ディレクター/39歳) クルールンのリブソックス
リブソックス各¥3,200/クルールン(INVENTORY)
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はき心地がよくて気分を上げてくれる カラフルなリブのロングソックス
改めて考えると、すべてにおいてやっぱり少しずつ変わりました。食事の摂り方や家での過ごし方。仕事での外出頻度。打ち合わせの頻度。買い物の量。お酒の量。床屋に行く頻度…いろいろ変わっていますね。ECサイトなどでも買い物することが増えました。自粛期間中、PCと向き合っていることが多かったのでその影響があるかもしれませんが、人がインスタグラムなどですすめているものを素直に「いいかも」「使ってみようかな」と思って買うようになりました。
ちなみにずっと欲しかった自転車(2000年代のライズアンドミュラー社の「BD-1」のデッドストック)を買うことができたのは、コロナ禍のおかげかもしれません。こういう状況じゃないと改めて探さなかったと思います。
直接人に会う機会が少なくなり、洋服も「着ていてどれだけストレスがないか」「どれだけ気持ちを上げてくれるか」を重要視するように。冬物のニットは着ていて気持ちがいいカシミヤが多くなりましたし、テアトラのような機能、着心地ともにストレスを感じないものを好んで着るようになりました。気持ちを盛り上げてくれる色アイテムを身につけるようになったのもひとつの変化です(冬の日照時間が少ない北欧家具の色合いが明るいのと同じですね)。
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ヘリルのカシミヤカーディガンにジョンスメドレーのニット、ダウンベストはテアトラです。暗い色に傾きがちな冬のコーディネートを、シオタのホワイトデニムで一気に明るくして黄色のソックスを合わせて気分が上がる色合いに。
クルールンはコロナ禍をきっかけに僕が立ち上げたソックスのブランド。色合い、素材感、リブのピッチ、長さ。ずっと探していましたがあまりにも見つからなさすぎて、痺れを切らして自分でつくりました。素材にエジプト綿を使っているので肌ざわりがとにかくいいのと、気分を盛り上げてくれる絶妙な色もMY STANDARDに加えた理由。愛用のジェイエムウエストンのローファーとの相性も抜群です。
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爪先を熟練の技がいるリンキング縫製で仕上げているから、フラットでゴロゴロ感がありません。ちなみにクルールンは僕が幼少期を過ごしたアントワープの公用語のフラマン語で「いろいろな色」を意味します。
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柔らかくて気持ちいい!「大人のニット」
INVENTORY https://store.inventory-iac.com/items/31271
Photos:Naoki Seo(still)
Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori
Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori