旬のアイテム選びや着こなしを手っ取り早く知りたいなら、街ゆくかっこいい大人を見るのが一番だ。おしゃれな人はみんな、自分なりのこだわりを詰め込んだオーダースーツを持っていた!
1920年代の広告をもとに仕立てた一着
須山誉志雄さん(30歳/会社員)
スーチングのベースは、20歳の渡英時に働いていたバーバーショップにあるという須山さん。「これは1920年代に活躍していたイラストレーター、J.C.ライエンデッカーが描いた『アローカラー&シャツ』の広告を参考にして、吉祥寺のフォーボタンズで仕立てました。肩をしっかり出して、ウエストをシェイプ。無理を言って、普通スーツには用いられない英国の老舗メーカーのコート地でオーダーしました」。
英国調の一着をイタリア流の仕立てで
尾崎雄飛さん(39歳/サンカッケー デザイナー)
「イタリアの繊細な仕立てで、英国の構築的な一着を」という挑戦的な注文で3年ほど前に作ったベルベストのスーツ。そのため「胸と肩を力強く仕上げ、チェンジポケットも追加。ジャケットとバランスをとるべくスラックスの裾幅を広げてもらい、各国の伝統的強みを凝縮した一着に仕上がりました」。フロントボタンをメタル製にするなど、自分らしさを追求した点もオーダーならでは。
同世代が仕立てるフルオーダーに心酔
中森博一さん(35歳/エストネーション バイヤー)
「オーダースーツにはあまり関心がなかったのですが、ナポリのルカ グラッシアというテーラーで活躍する同世代の職人のスーツにひと目惚れしてしまったんです。伝統的な職人技で仕立てながら、デザインはモダンで洗練されているのが特徴。ボタン位置が高めに設定されているので全体的にスマートに見える。スラックスはヒップにゆとりをもたせたテーパードシルエットになっています」。
Text:Ryo Kikuchi