冬なので、今回はあったかアイテムを紹介。最近僕が買った暖かいものといえば、ネルのパジャマに黒のタートルネックセーター、そしてかなりド派手なスニーカー。冬はやっぱりあったかいものを着たいけど、そのためにモコモコダサダサになるのはツライ。暖かさという機能性とスタイリッシュさ、この両立は絶対譲れないと思うのです。
今回紹介する3点は、下の写真右から、L.L.ビーンのコットンフランネルのパジャマ、ジョン スメドレーのタートルネックセーター、そしてバレンシアガのスニーカー。パジャマはイラストではオールインワンのようにも見えるが、実際は上下別々の普通のパジャマです。
冬の夜、冷たいベッドに入るときにはやっぱりフランネルのパジャマがいい。すごく寒い日には湯たんぽを使ったりもするが、それとて部分的に暖かいだけだし、そもそも暖房入れっぱなしとか電気毛布とかは喉がカラカラになるので論外。で、フランネルのパジャマは必需品なのである。
ここ数年、ランズエンドのパジャマが気に入って愛用していたが、今年はL.L.ビーンにしてみた。ランズエンドはおそらく日本人仕様で、しかもパンツ丈を好みの長さに調整して送ってくれるのでサイズぴったりで快適なのだが、L.L.ビーンはアメリカ仕様のままなのか、袖丈もパンツ丈もちょっと僕には長すぎ。でも寒い時期は、これはこれでいい感じだ。
イラストで巻いているタータンのマフラーは、フォーエバー21で買ったもの。品質表示は取れたのか、そもそもシールだったので今はついていないのか、今となってはわからない。大ぶりで暖かく、毛玉もできなくて超優秀。ものすごい頻度で巻いている。スリッパは夏にパリで購入したシャルベのもの。スエード製で、寒い冬でも足を入れたときにヒヤリとしない。手に持っているのはアーサー・エルゴートの昔の写真集。最近は息子さんが俳優としてご活躍ですね。
僕は黒いタートルネックが大好きで、最近もよく着ている。昔、’80年代中盤から後半頃だろうか、黒のタートルと言えばザ・業界人という感じで、僕もユニフォームのごとく着ていた。ちょっとアンディ・ウォーホルになったような気持ちで、タートル着てれば知的っぽく見えるかも?と、勘違いを承知で着ていたわけだ。
でも最近は、そういう内面的な云々よりも「首が冷えなくていいよね!」と思う。下の写真のセーターは、ジョン スメドレーが誇る定番タートルよりは若干太い糸を使ったもの。ネック部分がリブになっているので首にぴったりフィットする。しかもサラリとエレガントな雰囲気にもなるので最高だ。
バレンシアガのスニーカーは、欲しくてやっと手に入れた一足。でも今、何に合わせて履けばいいのか、迷っている。先日、細いデニムパンツと合わせてみたら、足だけが大きく見えて失敗。スーツをドレスダウンしたいときに履くのがいいのか、太いスラックスに合わせるのがいいのか、あれこれ思案中だ。
でも一つ言えるのは、このスニーカーには、トレンドを牽引するエネルギーが潜んでいるということ。僕としては、ただ流行ものを身につけている感じにはなりたくないので、なんとか日常に溶け込むような着こなしを目指している。ハードルは高いが、こういうことを考えるのが楽しい。
「最新の服を、いかに普通に着こなすか」が僕の長年のテーマだ。でも「普通」って何なんだろう。ただただベーシックなかたちと色の服を着る、ってことではないよな。その人それぞれの個性があって、しかもそれが悪目立ちすることなく、しっくり馴染んでいる。それが「普通」なんだよね。そして、小さな発見の積み重ねこそが、その人の個性になるんだと僕は思う。
Illustration:Sara Guindon
Photos:Hisashi Ogawa