2019.10.27
最終更新日:2024.03.07

祐真朋樹の密かな買い物 Vol.41 プラダのニッカボッカーズとゴルフ|2017年8月号掲載

30年来、上達していないゴルフ。でも集英社コンペのお誘いを受け、喜々として参戦させていただきました。いわゆるゴルフウェアがいやなので、プラダ青山店でパンツを購入。さて、本番はいかなる結果に!?

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僕はゴルフが好きだ。初めてゴルフをしたのは30年ほど前。でも、好きなわりには練習しないのでまったく上達していない。



コースに出るのは年に2〜3回がいいところ。それも数カ月のブランクを経ていきなり本番、みたいなことの繰り返しなので、まあ、これで上達するなら僕はゴルフの天才だ。もちろんそうはならず、この30年間、ずっとスコアは120前後をうろうろしている。



確か初めてコースに出たときのスコアが135。その後、計100回くらいはラウンドしているはずだが、今回の集英社コンペでも、125という洒落にならないスコアをたたき、堂々のビリに輝いた。去年の秋、年下の青年実業家から受けたアドバイスを思い出した。



「プレーしているときに、『見られている』と意識するとうまくならないですよ」。ゴルフにおいては百戦錬磨の彼が言うには「だからファッション関係の人はスコアがよくならない。つまり、格好が商売のスタイリストがうまくなるのは難しいですね」なのだそうだ。ん〜、そのとおりかも。



「なにくそ、練習を重ねてうまくなってやるぜ!」と若い頃なら思っただろうが、50を過ぎた今となってはそういう向上心もなくなり、「下手でもウェアやスウィングが美しけりゃいいかな」などと割り切っている。



考えてみれば、今の時代、カッコよくてファッションに長けたプロゴルフプレイヤーなど皆無だ。ファッションもゴルフも好きな僕としては実に残念な話だが、この現状は、なるほど青年実業家の言っていたことと合致している。下手なくせして「やっぱりゴルフ場でもスタイリッシュじゃないと」などとヌカしている僕は、おそらく一生うまくなれない。



ここでちょっと自慢すると、一応30年もゴルフをやっているので、名門セントアンドリュースのオールドコースを回った経験もあるんですよね。で、セントアンドリュースのクラブハウスへ行くと、1850〜’60年代の選手たちがプレーする姿をとらえた写真が飾られていまして、で、みんながみんな、とびきりおしゃれなのに驚愕したのでした。コム デ ギャルソンかプラダか、ってくらい、男も女も素敵でエレガント。



1850〜’60年代というと、日本は江戸時代末期かな? 日本にゴルフが紹介されたのは明治になってかららしいけど、当時、日本人はどんな格好でゴルフをしていたのだろうか。…などと思いを馳せながら、僕はやっぱりオールドコースでも120をたたいたのだった。



確かアウトの4番か5番でバーディが出て、2打目からはパターを握らされ、そのまま3パットでバーディ。なんだかゲートボールのようなプレーだった。



ジャイアンみたいな、身体も顔も大きくて怖い雰囲気のキャディの言いなりで回っていたのだが、そのホールも言いなりに打ったらいい結果が出た。格好よくはないが、気分爽快だった。



今回のコンペも、スコアは相変わらずだが、2度のパー、そして最終ホールではニアピン賞も獲得。プラダのニッカボッカーズでプレーができたので、個人的には気分も爽快だった。スコアは125だったが、ある意味、幸運に恵まれた。



ん? 僕はいったい、何を目指してゴルフをしているのだろう。おしゃれだけじゃなく、これからはベストスコアを追い求めないとまずいよね。



(左)ゴルフショップのゴルフウェアがどうしても苦手で、プラダのニッカボッカーズでコンペに挑みました。トップスはラコステの鹿の子ポロ。上達したい! (中)恵比寿にオープンしたL’OFFICINE UNIVERSELLE BULYのトゥースペーストと歯ブラシ。(右)自宅近くのよく行く焼き肉屋で出てくるトングが、単独でテーブルに置けるという優れもの。 うちにも欲しいな〜と思っていたらネットで発見、即購入。日本製です。
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Text:Tomoki Sukezane
Illustration:Sara Guindon
Photos:Hisashi Ogawa

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