ニュ~ヨーク♪ ニュ~ヨーク♪
いつ行っても楽しめる街、NY。でもJFKの入国審査はメチャ厳しい。何回体験しても慣れない緊張感。絶対ありえない話だけれど、顔パスにしてほしいんです、僕。
このページの担当編集I氏とともに、NYロケに行ってきた。到着した日のNYはなんと吹雪! でも今回のチームには3人の晴れ男(編集、カメラ、そして僕)がいたので、トラブルなく撮影を終えることができた。
NYは、どれだけ頻繁に来ていても、入国審査で緊張する。初めてNYへ来たのは今を遡ること26年前。23歳のときだったが、今でも入国するときはドキドキしてしまう。イギリスの入国も少し緊張するが、やはりアメリカがいちばんヤバイ。ほかの国とはまったく違う、あの嫌~な緊張感はどこからくるのだろう。
以前、パリからエールフランスでNYへ入ったときは、とてもイージーでノンストレスだった。単純に一人を調べる時間が短いのである。審査官がリラックスしていた。ところが、日本からの便となるとそうはいかない。いろいろな便の到着時間が重なって混雑するからなのか、係官はピリピリ。機内から寝ぼけたまま出てきたらアウトだ。入国カウンターへは心して挑まなくてはいけない。
僕と同じことを考えている日本人も多いはずで、それやこれやの妙な緊張感が、入国審査の行列に立ちこめる。成田や羽田のようなユルい雰囲気は皆無。まるで移民審査のような雰囲気(って、移民審査、受けたことはないけど)。
アメリカは、ハリウッドやディズニーランドを擁するエンタメ大国なのだから、大スクリーンを使って、長時間列に並ぶ入国希望者を楽しませてくれてもいいんじゃないかな。「Welcome to NEW YORK!」と愛嬌を振りまくコメディアンやアニメキャラの画像を流すのはどうか。今ならベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンの漫才なんかいいねー。映画『ズーランダー2』の宣伝を兼ねて。
…なんてことは、この先も絶対にないことはわかっている。だって入国審査だから。緊張した場で当たり前なのだ。イタリアとかフランスとか日本のユルさのほうが実は問題なのかもしれない。どちらが正しいか、僕にはわからないが、「ネーークスト!!」などと、奴隷を呼ぶような声が響く入国審査はなんとかしてほしいです。
僕は、アメリカ入国の際は、なるべく白いオックスフォードのボタンダウンシャツを着ることにしている。特にJFKではそうする。以前は〈ラルフ ローレン〉が多かった。最近は〈トム ブラウン〉だ。〈ブルックス ブラザーズ〉は試したことがない。
でもやっぱり、胸にわかりやすいマークが入っているものがいい気がする。〈ラルフ ローレン〉や〈ブルックス ブラザーズ〉のマークが入った白いボタンダウンシャツがベストだ。経験上、確実に審査がスムーズに終わるから。「リスペクトUSA!」。そんな態度をストレートに、アメリカブランドのボタンダウンシャツ&刺繡で示すのが大事なのだと思う。
でも、これからのシーズン、半袖ポロも入国審査向きなのではないだろうか。襟もあるし。ボタンをきちんと全部留めれば、白シャツ並みに優等生に見えると思う。イラストで着ている〈ラコステ〉は米国ブランドではないけど、でも青ワニ刺繡は〈J.CREW〉の別注の証し。いつの日か、入国審査の係官に「おっ! J.CREWの青ワニだね」「アメリカ人のセンスもなかなかだろ?」なんて声をかけられたらうれしいな、と思う。
Illustration:Sara Guindon
Photos:Hisashi Ogawa