2019.09.01

祐真朋樹の密かな買い物 Vol.6 VALENTINOのドレスTシャツ|2014年9月号掲載

ヴァレンティノのドレTを着てこの夏は乗り切ろうと思っている。足元はスニーカーがいちばんだけど、パンツはキメのスラックスにしたい。と、今度はパンツ丈で悩む。あ~、ファッションは面倒で面白い!

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僕が最近、ヴァレンティノに夢中だという話は以前もこのページで書いた。で、いよいよ暑さも本番となってきた今日この頃、非常に頻繁に着ているのがこのダブルフェイスの厚手コットンTシャツだ。ブランドはもちろんヴァレンティノ。同じ素材で2枚はセットインスリーブ、もう1枚はラグランスリーブを持っている。



ほぼ同じようなシルエットなのだが、ラグランのほうが肩まわりが少しだけルーズ。どちらも立体的な作りで、普通のTシャツのように身体のラインが出ないから、程よく体型をごまかせるのもいい。唯一の難点は、毎回ドライクリーニングに出さなければならないこと。贅沢なドレスシャツならぬ、ドレTである。



僕は今、パリのメンズコレクションを見終わって、東京へ帰る飛行機の中で原稿を書いている。今回のパリ滞在中、またヴァレンティノの店でTシャツを3枚買ってしまった。1枚はこのイラストと同じモデルの色違い。霜降りグレーとチョコレートカラーのダブルフェイスになっている。で、セットインスリーブ。



今回、ラグランは店にはなかったので、もしかしたらセットインだけが定番として残ったのかもしれない。ほかの2枚は、薄いコットン素材の霜降りグレーTとネイビーT。ネイビーのほうは、ウエストに切り替えが入っているのが特徴。着るとシャープに立体感が出る。



思えば、丸首(という言い方も古くさいが)Tシャツをこれほど猛烈に着るのも久しぶりだ。本来、シャツマニアなので、夏場も半袖長袖を問わず襟付きシャツで過ごすことが多いのだが、今年はなんだか様子が違う。そのせいか、足元も革靴ではなく、スニーカーを履く機会が増えた。



今回のコーディネートは、ヴァレンティノのドレTとウールギャバのスラックス、そしてアディダスのスタンスミスだ。スタンスミスは限定品のスエードタイプ。3色出たが、僕はこのトライブブルーにひと目惚れだった。イラストの白いシューレースは、その後、アッパーと同じブルーに変更。スニーカーのシューレースは、全体の印象を大きく左右する。



ヴァンズのオーセンティックも昨年末からよく履いていたが、オリジナルのひもは長すぎたので、短いものに買い替えた。汚れた白ひもは、汚れた白ソールと同じくらい興ざめ。コンバースのオールスターならともかく(?)、スタンスミスの白ひもが汚れているなんてのは大問題である。



ヴァレンティノのスラックスは、スーツにも使われそうな素材のもの。丈は短めにしている。しかしそれにしても、パンツ丈は悩みの種だ。極端に短くするか、靴によっては若干裾が甲にかかる、でも微妙に短い丈にするのか、それともツークッションで長めにするのか…。ロールアップは嫌いなので、大いに迷ってしまうのだ。パンツを買う時点で、どんな靴を合わせるのかわかっていればまだいいのだが、なかなかそうもいかない。



最近は、一度直した丈をまた短くしたり、試行錯誤している。パンツの丈は、ジャケットの袖丈同様、ミリ単位で決めなければいけない。この「丈」の迷いは、久々に到来したマイ・丸首Tシャツブームも影響していそうだ。首元と足元の関係は、事程さように密接なのであります。

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左はナイキの「ルナフライ306」。ひもはなく、極薄のベルトでホールドするだけの着脱簡単タイプ。真ん中は、アディダス「スタンスミス」のオールスエードタイプ。ひと目見て色に惚れ、即ゲット! 右のはゴールデングースのもの。真っ白のレザースニーカーが欲しかったんです

Text:Tomoki Sukezane 
Illustration:Sara Guindon
Photo:Hisashi Ogawa

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