2020.03.23
最終更新日:2024.03.07

大人のジャケット道、2大セレクトショップのキーパーソンに聞いてみた!

ジャケット選びや着こなしを理解しても実践できるかは別。手っ取り早いのは、実際にかっこよく着こなしているお手本にしたい先輩に直接話しを聞いてみること! 日本を代表する2つのセレクトショップのキーパーソンに、それぞれのジャケットの流儀を語ってもらった。

「いかにも」な合わせは気分じゃない

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鴨志田康人さん ユナイテッドアローズ クリエイティブアドヴァイザー Camoshita UNITED ARROWS デザイナー

 スーツと比べると、ジャケットはオンもあればオフもあって着る人の自由度も高い。タイドアップしてVゾーンをどうするかとか、逆に気軽にTシャツを合わせてみるかとか、表現の範囲が広い。それが醍醐味。
 もともとクラシックなジャケットは好きだったんですが、今は、例えばネイビーのジャケットにグレーのフランネルパンツ…といった、いかにも“ジャケット然”とした合わせは気分じゃなくて。最近はタイドアップもほとんどしません。スーツを崩したもののほうが楽しいし、今日のジャケットもスーツの上物。色も上下でコントラストがはっきり分かれるのでなく、似たトーンでミニマルにまとめるのが好み。グレーのワントーンでもネイビーのワントーンでもいいと思いますが、個人的にはベージュやカーキが新鮮。
 ここまでがOK、ここからはOUTといったスタイルの線引きについては深く考えたことがないですが、だらしなく見えるのは好きじゃない。スニーカーを合わせても品があってほしい。常にスマートでいたい。それが唯一のルールです。いい大人って年を経るごとに、例えば合わせるソックスは黒とネイビーしかはかないなど着こなしの幅が絞られてくると思いますが、僕はもっといろんなものを試していきたい。この年でも物欲すごいですよ(笑)。

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衣装はジャケット(スーツの上物)、ニット、パンツすべてCamoshita UNITED ARROWS。ジャケットは2020年AWの新作。

PROFILE
1957年東京都生まれ。2007年より自身のブランドを始動。バイイングから商品企画、店舗内装監修まで幅広い役割を担っている。


大げさでなくナチュラルに着たい

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中村達也さん ビームス クリエイティブディレクター

 1986年にビームスに入社して以来、30年以上ジャケットを愛用しています。仕事中は基本ジャケットかスーツ。オンのスイッチが入るんでしょうね。簡単な社内のミーティングでも着ていないと落ち着かない(笑)。
 ’90sにはカチッとしたブリティッシュなジャケット、2000年代にはやわらかい仕立てのイタリアンテイストのもの、時代に合ったトラッドなものを選ぶようにしていますが、いちばん付き合いが長いのはブレザー。高校生のときはVANのアメリカンなブレザーが好きだったし、’80sは渋カジの少し前にブレザーブームが来たり…と、振り返るとやはり人生の節目で着ているんですよね。
 今日はデニムのブレザーをタイドアップで。タータンチェックシャツにネイビーのニットタイ。アクセサリーはいっさいつけません。腕時計をする左腕のみシャツのボタンを外してちょっとまくる。それから、若い人はあまりしないと思いますが、僕はほぼ必ずチーフを挿す。昔からの習慣を一貫して淡々と続ける。それが僕の流儀です。
 あっ、新品のジャケットはハンガーに掛けないのもこだわり。スーツは別だけど、ジャケットはナチュラルに着たい。パリッと見えすぎるとみっともないと思うんです。会社でもそのへんの椅子に引っかけてますよ。

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デ ペトリロのジャケット。素材はデニムながら、ナポリのテーラーの仕立てで製作。肩パッドを排したやわらかなアンコン仕様。

PROFILE
1963年新潟県生まれ。大学卒業後ビームス入社。BEAMS SHIBUYA、BEAMS F店長、BEAMS Fバイヤーを経て、現在の役職に就任。


Photos:Kanta Matsubayashi
Illustration:Akira Sorimachi

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