2020.03.16

このデニムが「僕を大人にしてくれた」。デザイナーと芸人が語る2つの名品とストーリー

多くの服に袖を通してきた大人たちには、必ず原点となる思い出の一着がある。「大人にしてくれた服」との出会いに耳を傾ければ、洋服を着ることの楽しみを再発見できるはずだ。

このデニムが「僕を大人にしてくれた」。デの画像_1

LEVI’S®557XXのデニムジャケット

「繊細なシェイプやパターンからデザインの根底を学び、 シューデザイナーになるきっかけとなった一着」

金子 真さん/CALMANTHOLOGY デザイナー
シューデザイナーとして17年のキャリアを積んだ後、2018年にカルマンソロジーを立ち上げた金子さん。自身を大人にしてくれたのは、意外にも靴ではなくてデニムジャケットだそう。「僕がこのリーバイスの、通称サードと呼ばれるヴィンテージのデニムジャケットを買ったのは20年前、会社勤めをしていた24歳の頃。当時から古着が好きで、給料が入っては古着を買うという生活を送っていました。そんな中で何年もかけて探し、やっとの思いで購入できたのがこれ。それまでのリーバイスの服は作業着として作られていたんですが、これは初めてファッションを目的として作られたものだから、着たときの背中のシェイプやパターンが本当に美しい。実は洋服からインスピレーションを受けて靴を製作することも多くて、これはまさにそんな一着です。本格的にシューデザインを始めたのも同じ時期だったので、僕のデザイナーとしてのルーツと言ってもいいかもしれないですね」。


LEVI’S®506XXのデニムジャケット

このデニムが「僕を大人にしてくれた」。デの画像_4

「憧れのデニムジャケットを ようやく手に入れたときの感動といったら…」

上田歩武さん/芸人「グッドウォーキン」
青春時代から今日まで、不朽のアイテムであるデニムに熱中してきたというグッドウォーキン・上田さん。
「リーバイスの506XXは、長く片思いしてきた女の子みたいな存在(笑)。別名ファーストと呼ばれるヴィンテージ・デニムジャケットを代表するアイテムで、最初にジーパンを買った15歳のときから20年以上ずっと憧れてきました。とにかくファッションが好きだった高校生の頃はヴィンテージデニムブームまっただ中。とはいえ学生に高価な買い物はできません。追随して発売されたレプリカジーンズをいち早くゲットして、制服の下にはき込んで育てたりしたものです。Gジャンにしても最初に手に入れたのはプレーンなリジッドで、いかにウォッシュ感を出すかが課題だったんです。だから大人になってやっとヴィンテージの506XXを手に入れられて、かなり感慨深い。今、現行のGジャンを買うにしても、このファーストをソースに手作業で作られている逸品を選んだり、Gジャンを見るときの一つの基準となったかもしれません」


Photos:Arata Suzuki[go relax E more] Shintaro Yoshimatsu Takahiro Idenoshita Teppei Hoshida Toru Yuasa Mitsuo Kijima[Cutout]
Hair&Make-up:ShinYa[Primal](Mr.Iseya) 
Stylist:Atsuo Izumi[Cutout] 
Text:Jun Namekata[The VOICE] Hisamoto Chikaraishi Takako Nagai

RECOMMENDED