繊細な素材なので自宅で洗えるか不安になるが、コツさえ守ればお気に入りのニットが長く着られるように。
洗濯機をうまく活用して、自宅できちんと洗おう
皆さんセーターを洗わなすぎることが多い。ニットだって襟元には皮脂汚れがたまるし袖口も黒ずみます。特にウールやカシミヤは虫に食べられやすいので、清潔な管理が大切。3〜4回着たら、自宅で正しい洗濯を実践してほしい。おすすめはしっかりと下洗いをしたうえで、洗濯機の手洗いコースやドライコースにお任せしてしまうこと。優しい洗いのコースでは槽がほとんど動かないため、実は手洗い以上にダメージが少ないんです。洗濯に慎重になるあまり、ニットを甘やかしすぎて逆に傷めている人も多いのですが…日々適切なクリーニングをしてあげるのが、本当の優しさですよ(笑)!
中村祐一さん
長野県のクリーニング会社「芳洗舎」三代目。以前、本誌でパックTの洗濯術を教えてくれたことも。自身が運営するサイトで洗濯にまつわる悩みに答える。
洗濯に使ったのは…
JOHN SMEDLEY
定番のメリノウールを100%使用した30ゲージニット。ブランドも自宅での洗濯を推奨している。¥31,000/ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー)
1汚れた箇所を下洗い
まずは洗濯表記をチェック。問題なければ、ニットを裏返し、エマールやアクロンなどのおしゃれ着用洗剤を溶かした30〜40度の湯に浸ける。襟元と袖口を重点的に確認して、汚れの強い箇所には洗剤を直接塗ってOK。こすると毛羽立ちや傷みを起こすので、指の腹で馴染ませて優しく洗い流すのがコツ。
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2洗濯機を使えば、簡単に優しく洗える!
ドライか手洗いコースを選択。まず洗剤液を入れ、1分間洗濯機を回してからニットを投入。ほとんど槽が動かないコースのため、洗剤が後入れだとムラになってしまう。ニットは、裏返したままたたんでネットに入れること。ネットの網目は細かいほどニットが傷まない。
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3加脂剤を使ってもっと柔らかく
ニットがパサついてくると毛玉の原因になったり、汚れが染み込みやすくなる。柔軟剤で仕上げるのもいいが、ウールのセーターには加脂剤がおすすめ。ウールがもともともつ脂分を補給できて、本来のぬめりを取り戻せる。2回のすすぎの後、5ℓに5㎖を目安に洗濯槽に投入。
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4干すときは平置きで下から風を当てる
脱水後はニットの伸びを防ぐために平干しが基本。水分を含んだ状態でハンガーにかけると、全体的にかなり縦に伸びてしまう。日光のダメージも避けたほうがいいので陰干しがベター。扇風機やサーキュレータで下から風を当てながら乾かすと効率がいい。
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5アイロンを使ったほうがきれいに
アイロンがけをしない人も多いが、きちんとかけるべき。ニットは洗えば必ず縮む素材なので、アイロンで伸ばして元に戻してあげるまでやるのが正しいケア。首リブや裾を中心に、アイロンを押しつけすぎず、優しくニットを引っ張りながらスチームで伸ばす。
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ニット洗濯Q&A
Qセーターが縮んでしまった…
Aヘアトリートメントをつけて伸ばす!
Q平干しするためのグッズを持っていない…
Aハンガーで重力を分散させればOK!
Q毛玉がすごい…
AT字のカミソリを有効活用
Photos:Yoshio Kato(Still)
Stylist:Takeshi Toyoshima Model:Yuji Matsumoto
Illustration:Yoshifumi Takeda
Text:Takako Nagai
Stylist:Takeshi Toyoshima Model:Yuji Matsumoto
Illustration:Yoshifumi Takeda
Text:Takako Nagai