2020.04.22
最終更新日:2024.03.07

ショップスタッフの悲喜こもごも「本当にあった試着室の話」

経験豊富なショップスタッフたちの周りで起こった、試着室にまつわるウソのようなホントの話。コロナ明けにお店を訪れた時には、スタッフのみなさんにもっと優しくしたくなる!?

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シャツ9型、すべて試着していったのですが…

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某セレクトショップ スタッフ 昨年、オーセンティックな白シャツを身幅や着丈の長さの組み合わせを変えて、全9サイズで販売していました。ある日「すべてのサイズを着たい」というお客さんが来店。いろいろ悩みながら一着ずつ熱心に試着していたのですが、イメージと違ったのか、結局何も買われなかったんです。その方に響く一枚こそ究極の白シャツだったのではないかと思い、詳しく話を聞けばよかったと後悔しました。

僕たちよりも、You Tuberの意見を信頼しているみたいです(泣)

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某セレクトショップ スタッフ 「オシャレに興味はあるけれどそれほど詳しくない」というお客さん。そこでいろいろ希望を聞きながらアイテムを選び、いざ試着室へ。数分後、違う服を着たいとのことで、また何点か選び直して戻っていきました。すると、中から話し声が。ひと声かけてカーテンを開けてみれば、どうやらファッション系YouTuberの動画を見ながら、洋服の選び方や合わせ方を復習していたのです。さっきまでのアドバイスは…少し悲しくなりました。

初めて心が折れかけた…酩酊気味でブレブレの検眼

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某アイウェアショップ スタッフ ある日、海外からの旅行客であろう40代ぐらいの男性が来店しました。入店直後から漂うお酒のにおい。足元もおぼつかなく目も虚ろで、これはどこかで一杯やってきたなという感じ。店内をひととおり見ていった後で、一本のメガネをご所望に。そこで、検眼まで希望されるも言葉と足元はブレブレで、確実に目の前は見えておらず…(笑)。結局その日は帰ってもらい、翌日また来てもらいました。

試着室のカーテンはしっかり閉めてください!

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某セレクトショップ スタッフ お客さんから「数本、スラックスを試着したい」と頼まれ、試着室まで案内し希望していたアイテムを手渡しました。すると、カーテンを開けっぱなしの状態でいきなりはいていたボトムを脱ぎ始めたのです。さらには、パンツ一丁のまま別のスラックスの試着を始める始末。そのお客さんにとっては特に気にすることでもないのでしょうが、こちらとしては目のやり場に困ってしまいましたね(笑)。

急なパーティに出席するお客さんのために、 提案した即席ドレススタイル

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山内拓也さん / ワイルドライフ テーラー 丸の内 マネージャー 日も暮れかけていた時間帯に駆け込んできたお客さん。明らかに焦っている様子で、聞けばどうやら重要なパーティに急遽出席しなくてはいけなくなり、「テーラー」という店名が目に留まり入ってみたのだとか。クラシカルなドレススタイルを希望とのことだったので、仮の裾直しからフィッティング、さらには合わせるアイテムまで、その場でわれわれができる最大限の対応をしました。翌日、わざわざ菓子折りを持ってその方が来店。「助かりました」という言葉に胸をなでおろしつつ、これまでにない充実感を覚えました。

2時間かけてようやく見つかった勝負服!

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寺阪大晃さん / グラフペーパー スタッフ ショップスタッフをやってきて印象深かったのは、プロポーズを経て来週末、彼女のご両親にあいさつへ行くというお客さん。スキンヘッドのうえに強面だったのでよく覚えています(笑)。ご要望は、身だしなみには気を遣いたいけど堅苦しいスーツは避けたいとのこと。ジャケットもゆったりめだと威圧感が出ますし、インナーもストライプシャツを挟めばそのスジの人にも見えかねません。接客することなんと2時間。ネイビーのカジュアルセットアップに無地シャツを購入されました。後日、お相手の方と来店して、うまくいった話を聞いたときは、なんだか自分のことのようにうれしかったですね。

Illustration:Yutaka Nakane
Text:Ryo Kikuchi

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