毎日のように目まぐるしくスタイリングの印象が変わる人もいる一方で、一つのスタイルを貫き通す人もいる。いずれにしても、そこにはきっと自分自身にしかわからない嗜好やこだわりがあるはず。アートディレクター・藤村雅史さんのスタイルポリシーは?
藤村雅史さん(アートディレクター)の主張 髪から爪先までグレーだけ
「自分にいちばん似合う色はグレーだと思っていて、トーン違いのワンカラーコーディネートが鉄板です。『白髪だとグレーが似合っていいですね』なんて言われたりしますが、逆に言えば着られる色の幅が狭いんです。黒い服はやたら髪が目立つし、多色使いは締まりがなくごちゃついてしまう。ところでグレーは冷たい印象になりがちですが、マルニのグレーはどこかやわらかさや丸みがあるので、この年でも安心して着られます。デザイナーが代わってからというもの、独特の『かわいげ』がさらに加速したので、これからも買ってしまうと思います」。
Photo:Kanta Matsubayashi