年月というふるいにかけられて残ったものには意味がある。それでもまだ欲しいものには理由がある。
ヘアデザイナーTAKUさんの、コート選びの極意を聞いた。
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TAKUさん ヘアデザイナー
「少しでも迷ったら買わないのが僕の流儀」
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ずっと着続けているコート 「HERMÈSのゴム引きクロスコート」
僕がこのエルメスのコートを手に入れたのは、確か23年前。30歳くらいのとき、NYの五番街にあるブティックだったと記憶しています。もちろん、それ以来ずっと着続けてきたというわけではなく、4〜5年着なかった時期もある。けれど、結局気づけばワードローブに残っているコートなんですよね。デザインにはどこか野暮ったさもあるんだけど、それがいい。そこにこそ普遍性があるんじゃないかな。劣化したゴム引きクロスは10年ほど前にリペア。レインコートだから本当はステッチを入れてはいけないんだけど、この先も大事にしたいって思ったから、あえてステッチを入れて補強しました。ワードローブに残る、残らないって僕は結果論だと思っているんだけど、このコートはできるだけ長く着ていたいなって思いますね。
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この冬探していたコート 「GRENFELLのバルマカーンコート」
今季は、意外とベージュのコートを持っていなかったので、グレンフェルのバルマカーンコートを検討中。撥水性がある生地で雨の日にも気にせず着られる感じがいいし、ジョンストンズ製の裏地も暖かくていい。そういうプロダクトとしての確かなメリットがあることも、コートには重要だと思います。と言いつつも、僕が服を買うときはだいたい直感。理由はほとんど後づけです。だから、このコートをまた長く着続けるかって聞かれても、そのときにならないとやっぱりわからないな(笑) ¥138,000/グレンフェル(ユナイテッドアローズ 原宿本店)
ユナイテッドアローズ 原宿本店 TEL:03-3479-8180
Photos:Arata Suzuki[go relax E more]
Stylist:Yoshiki Araki[The VOICE]
Composition&Text:Jun Namekata[The VOICE]
Stylist:Yoshiki Araki[The VOICE]
Composition&Text:Jun Namekata[The VOICE]