総合美容専門店、オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーを大成功に導き、現在もクリエイティブ面を統括するパリの起業家ラムダン。卓越した目利きでもある彼がもし日本にギフトショップを開くなら、どんなラインナップになるのだろう?
ISAMI
ROTOTO
KAPITAL
ARIE-HÉLÈNE DE TAILLAC
FOOT THE COACHER
KAPTAIN SUNSHINE
OFFICINE UNIVERSELLE BULY
AKOMEYA TOKYO
DAIICHI RUBBER
CRUST BIKES
ギフトで誰か(または自分)の人生が少し変わるといい
「ビュリーのおかげで巨万の富を得て、欲しいものは大体手に入れたから、ウィッシュリストは特にないな(笑)。人間はいつでも買えるとわかっていると物欲が湧かなくなるものなんだ。それでも最近もらっていちばんうれしかったのは僕専用にカスタマイズされた自転車。友人から突然『君の股下を測らせてくれ』と言われ、贈られたのがパンツではなく300万円の自転車というサプライズ!
そんな僕がギフトを選ぶときに考えていることはただ一つ。『それをあげたり自分で買うことで、誰か(時には自分)の人生が少し変わるといいな』ということ。例えばボクシンググローブをもらったら、翌日からエクササイズを始めるかもしれない(ただのインテリアになるかもしれないが)。ギフトはファッションやライフスタイルが変わるきっかけづくりになるが、もらった人や自分がその後どう行動するかなんて知ったこっちゃない。
でもいちばん開きたいギフトショップが実は別にあって、そこではモノではなく“記録”を売る。世界各国の山々の土産店にあるポストカードに顧客の名前と奥さんや彼女へのメッセージが入って、現地の消印付きで女性の自宅に届く。つまり山に行っていたフリができる。あなたが実際何をしているのかではなく、周りの人に何かをしていると思わせることが重要な時代なんだ。店名は〈LAZY HIKER SOUVENIR STORE〉。出店先も決めていて青山か銀座。このエリアには自分の留守中に奥さんをダマそうとする男たちがたくさんいるから(笑)。自分へのギフトには最高の店だろ?」
Photos:Yoshio Kato
Stylist:Masanori Takahashi
Illustration:Anri Yamada