大人っぽくシックに装えて、しかも秋冬らしい暖かみも演出できるのが、グレーまたはベージュのダウン。達人たちはすでに厳選した逸品を仕込んでいる。
01:ファーストダウンのダウンジャケット
「手持ちのダウンは黒が多くて、今季は黒以外のダウンが気になっていました。そんなときに出会ったこの一着は、モダンな印象のグレーに一目惚れでした。最近はなんだかグレーのアイテムに目が行きがちで、今日もワントーンを意識したつもりではないんですが、グレイッシュなグラデーションでコーディネートがまとまっていました。カジュアルなダウンに、ベルナール ザンスのスラックスを合わせてもミスマッチが起こらないのは、色のおかげかも知れません。自転車通勤なので、ショート丈というのも便利。ファーストダウンは価格も手頃で、通勤からプライベートまでいろんなシーンで着倒したいです」
「ハンドウォーマーポケットもお気に入りで、街着でも移動が多い人にとっては強い味方です。中にパーカーを着込みたいので、スタンドカラーでフードなしというのもちょうどいい。ダブルジップ仕様なので自転車を漕ぐときや、屋外で作業するときにも重宝。ファーストダウンは22年春夏からデザイナーが変わって、全体的にゆったりとしたストリート感のある雰囲気に。裾はドローコードで調節ができるので、シルエットが丸くなるくらい、かなり絞って着ています」
02:スノーピークのダウンコート
「ダウンジャケットは冬のキャンプで活躍する防風性の高いプルオーバータイプのものと、タウンユースに便利な薄手のジャケットタイプの2着を愛用してきました。今年は両者の中間的な役割としてスノーピークのタキビダウンコートを購入。色は今まで黒ばかりだったので、あえてカーキをチョイス。グレージュっぽい色味なので、街でも自然の中でも調和するし、着回しやすいのが魅力です」
「難燃性、耐久性に優れていて、秋冬のキャンプで火の粉が飛んできても穴が開く心配はありません。そのうえ新開発の素材を使っているため、軽量で肌触りも柔らかくて着心地もいいんです。フロントポケットは物入れとハンドウォームがセパレートされた構造。ハンドウォームポケットは裏起毛でファスナーも付いているので、使い勝手もいいです。もうひとつ気に入っているのが、ネックの高さ。ジッパーを閉めればマフラー要らずの暖かさで、フードをかぶれば風が強い日でも安心です」
03:エディバウアーのヴィンテージダウンジャケット
「近年、古着業界でもアメリカの古き良きカジュアルブランドがフィーチャーされていますが、やはりダウンといったら定番のエディバウアーを推したい。特に、登山家向けに誕生したとされる最高級ライン『リッジライン』は3年ほど探していて、昨年、やっと状態が良いものを手に入れることができました。フードの欠損もなく、サイズもぴったりで運命を感じましたね。当時のダウンはタフな雪山に耐えうるアクティブギアを想定して作られていたため、お尻まで隠れるビックシルエット。それが逆に今っぽい。Lサイズですが、185cmの僕が着てもゆったりとした着心地です」
「一番気に入っているのは色味。ヴィンテージのアウトドアものは、山で遭難しないようにとビビッドな色ばかりで、こういったクリームベージュは珍しい。元々アースカラーやカーキやネイビーが好きなので、見つけた瞬間にピンときました。あと、エディバウアーはタグひとつとってもとてもこだわって作られていて、アメリカのクラフツマンシップを感じます。当時の松ぼっくりのロゴは、刺繍で丁寧に作られており、『手間がかかるだろうなぁ』と唸ってしまうほど。ここにも技術が詰まっていると感じ、心がくすぐられます」
「中身は当時の最高品質であるグースダウンで、とても温かいです。フードもドローコード付きで、袖には折り返しのリブ。防風性もばっちりなので、昨年は真冬でもダウンの下はシャツ1枚で過ごせました。実際にキャンプや釣りといったアウトドアシーンでも活躍してくれます。今日は今年の自分の中のテーマであるソリッドな雰囲気に寄せ、ベルギー軍のヴィンテージパンツにラルフローレンの白シャツで、男らしさを残しつつスマートにまとめました」