2022.11.27
最終更新日:2024.03.08

スタイリスト野口強さんに聞きました「もし35歳だったら自分に何を贈りますか?」

洗練された中にも男気を感じるスタイリングでお馴染み。アーティストからの信望も厚く、本当に「いいモノ」を知っている先輩でもある。そんな野口さんが今、UOMO世代だったら、自分のために何を買うか? ウィッシュリストとその理由を聞いた。

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カッシーナ Cassina iMaestri Collectionの 「RIFLESSO」キャビネット

Cassina iMaestri Collectionの「RIFLESSO」キャビネット

1939年にシャルロット・ペリアンが自身の住まいのために制作したキャビネット。アルミサテンのスライディングドアと本体のマホガニーの色などを自分好みにアレンジできる。受注輸入で現在の納品予定時期は約半年後。「ウッド製でもシャープなイメージ。自分が買うなら本体かドアをブラックにすると思う」。W226㎝×H83㎝×D49㎝ ¥1,980,000/カッシーナ(カッシーナ・イクスシー青山本店)


ブリオーニ BRIONIのEssential ポリクレト タキシード

BRIONIのssential ポリクレト タキシード

ラグジュアリーなビスポークテーラーで、世界の著名人を顧客にもつブリオーニ。最上級の素材を使用したハンドメイドスーツは極上の着心地。「30代は結婚式などタキシードを着る機会も多いと思うから、フォーマルウェアをビスポークしておくといいと思う。セレブが集うようなパーティに招待されても、ものおじせずに参加できる」。¥759,000(既製品)/ブリオーニ(ブリオーニ クライアントサービス)
※生地を選んで1からオーダーするビスポークの場合は¥1,098,900~。


グローブ・トロッターのセンテナリー ラージ キャリーオン - 4ホイール

GLOBE-TROTTERのセンテナリー キャリーオン – 4ホイール

ヴァルカン・ファイバーボードの軽量スーツケースでお馴染み。今年で125周年を迎えた英国を代表するラゲージブランド。「ウィールのないセンテナリーのほうがビジュアルはいいんだけど、実用性を考えると4ウィールがおすすめ。リモワだらけの空港で、すぐに見つけられるのも利点かな(笑)。W40.5㎝×H56㎝×D21㎝ ¥275,000/グローブ・トロッター(ヴァルカナイズ・ロンドン)


Mies van der Rohe Collectionのバルセロナデイベッド

Mies van der Rohe Collectionのバルセロナデイベッド

「less is more」の名言で名高いミース・ファン・デル・ローエが1930年に発表したバルセロナデイベッド。1953年からNYの世界的ファニチャーブランド、Knollにてオリジナル仕様で生産されている。「これは自分が今でも欲しいものの一つ。レザー張りでソファ的にも使えるデザインが秀逸。現行の製品は機能性がしっかりしているのがいい」。W98㎝×H65㎝×D196㎝ ¥2,288,000/Knoll(ノルジャパン ショールーム)


JOHN LOBBの「City II」ストレートチップシューズ

JOHN LOBBの「City II」ストレートチップシューズ

普遍的なデザインを美しいプロポーションとステッチワークで表現。フォーマルなシーンでも履くことができる、ジョンロブの定番モデル。「City Ⅱは既製靴だけでなくカスタマイズ・サービスがあり、EEウィズも選べるので、甲高や足幅の広い人にはおすすめです。レザーの色や仕様も選ぶことができるから、自分だけの一足が欲しいという人はぜひ」。¥195,800/ジョンロブ(ジョン ロブ ジャパン)
※カスタマイズサービスは通常20%のアップチャージがかかる。


これから先の人生に向けて気分が上がるものを贈る

 今回、野口さんから挙がったのは、インテリアもファッションもタイムレスな名品と呼ばれるもの。中には30代の頃に実際に買ったものも入っている。

「35歳という年齢は、これから先の人生を考えるタイミングでもあるよね。だから男として持つべき名品を買い始めるにも、いい年齢だと思う。自分自身、20代後半にロレックスのデイトナ・ポールニューマンモデル、30代に入ってエルメスのカシミヤジャケットやジョンロブの靴などを買って、今も愛用しているから。インテリアに関しては洋服ほどのこだわりはなかったけれど、元SOPH.のデザイナーの清永(浩文)くんに『家具もいつまでも色褪せない本当にいいものを買ったほうがいい』とあるときにアドバイスされて。ファッションで名品のロングライフを実感していたから、そのとおりだと」

 それからジャン・プルーヴェなどのヴィンテージを買うようになったとか。

「リビングルームにビジュアルのいい家具があると、それだけで毎日の気分が上がるじゃない? 自分が若い頃はヴィンテージでしか存在しなかったものが、今はレプリカで買える時代だし、こういういいものを少しずつ揃えていくといいんじゃないかな」

 ファッションに関しては「オーダー・メイド」も推奨してくれた。

「革靴は足型に合っていないと名品を買っても履かなくなってしまうだろうし、洋服に関しては35歳の体型にぴったりと合った高級服を仕立てておくと、体型維持へのモチベーションにもなるでしょう?(笑) それも未来の自分への一つの投資だよね」


野口 強
1964年生まれ、スタイリスト。エキシビジョンやブランドのディレクションも手がける。




Photos:Yuichi Sugita 
Stylist:Sho Masashi 
Interview&Text:Hisami Kotakemori

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