気づけば黒、ネイビー、グレーの服を選んでいる都会の大人たちへの、スタイリスト二村毅氏からのはっとさせる新提案。それが“枯れた葉っぱ”、つまり自然にある色=茶系色の服を取り入れるというもの。もともと馴染み深い色ではあるけれど、自然や季節にもっと寄り添いながら着てみると気分がひと味違う。それこそ大人のファッションの楽しみ方だ。
BIRKENSTOCKの「ボストン」
JOHN SMEDLEYのクルーネックニットと
visvimのフィールドチノパンツ
YAECA WRITEのコットンラミーシャツ
UNUSEDのモヘアニットカーディガン
visvimのスウェットパーカ
ファッションを通じて自然や環境にどうアプローチできるか。最近それが自分の中で大切なテーマになっていて、自然由来の素材や、実際に自然の中で美しく感じる色からヒントをもらっています。そんな折、散歩の道すがら偶然拾った一枚の葉っぱから、「こんな茶色にオレンジがちょっと混ざったような色をファッションに取り入れられたらいいな」と。イメージは農業などの一次産業で働く人々やそこに興味をもつ人たち。自然の近くで暮らす彼らが作業着と遊び着を一緒にして楽しむ姿を想像しながら、服選びや着こなしを提案しています。もちろん都会で着るのにネイビーやグレーの服はシャープだし、ハイテク素材の服だって美しい。でもそこに少し、枯れた葉っぱのような茶系色を昔ながらの素材とともに取り入れてみると着こなしにいい味が出るし、何より秋冬の風景にすっと馴染んでくれる。この企画から何かしら気になる服をチョイスしてもらったり、着こなしのフックにしてもらえたらうれしいです。もっと外に出かけて日差しを浴び、少しの無精髭くらい許せるような心持ちになれば、“枯れた色”を着るのがより楽しくなりますよ。
―二村 毅
Direction&Styling:Tsuyoshi Nimura
Photos:Hiroaki Aoi
Model:Kenjiro Tateyama
Composition&Text:Kai Tokuhara