けっして派手でもわかりやすくもない。なのに持っているものをことごとく「欲しい」と思わせるその人=エディター小澤匡行さん。いったい何が違うのか? センス? 経験? そこには単なるベーシック志向とは一線を画す、買い物への緻密な複眼的視点があった。
休日の定番は「狭い」ほどいい
休日着こそ厳選された定番品に頼っています。もし同じジャンルで新しく気になるものが出てきたらどうするかって? そのときは躊躇せずまとめて買い替えることにしています。
1.ニューバランスの「991」
2.山と道のメリノウールキャップ
3.ハリソンのソックス
4.ユナイテッドアローズ別注サンスペルのドレスパックT
5.ジョン スメドレーのニット
6.パタゴニアの「キャプリーン・クール・ライトウェイト」
7.マイネッティのハンガー
8.ヴィンテージの片詰めのバンダナ
9.コモリのメリノウールのニット
10.ステューシーのビーチパンツ
「幅が狭い」と自覚しているワードローブ。仕事ではまだTPOを考えていろんな服を着るようにしていますが、休日の服は輪をかけて狭い(笑)。選ぶ視点は家族という単位で周囲から浮かず、着心地がいいか。必然的にコモリやスメドレーのニットのように型・色違いで複数買いすることに。
ニューバランスは好きな900番台の中でも991を愛用。現在も英国で生産され安定的に買える点が大きく見た目も好み。アッパーやパーツのレイヤーは991が最も上品だと思います。山と道のメリノウールのキャップはツバに芯がなくバッグにラフに入れられるのが最高。ハリソンのソックスはもともとリブのないロングホーズを探していて、メリノウールのショートを発見してまとめ買い。夏はほぼこれで、冬はロングかダブルタップスのソックスにシフト。「片詰め」と呼ばれるヴィンテージバンダナは昔から古着屋で買い集めていて、年代別のディテールを体系化して頭にたたき込んだ思い入れのある品。ネイビーで揃え始めたのはアーカイブ&スタイルの坂田さんの影響です。
当然年を経れば変化することも。ステューシーのビーチパンツは5年前、アローズ別注のサンスペルのパックTは昨年からのラインナップ。少々値は張るけどオリジナルより肉厚で首の詰まりも好み。パタゴニアのキャプリーン・クール・ライトウェイトは今年試しに買った一枚が好調で昨年までのMXPから総入れ替え。一枚で着られて長いロケの間もさらさらで快適です。
Masayuki Ozawa
エディター。「MANUSKRIPT」代表。執筆業ほかウェブサイト等のブランディングなど幅広く手がける。ファッションのみならずプロダクトにも精通。