サンダル界の王者、ビルケンシュトック。完成された機能&デザインで、いつの時代も愛用者が多数。それゆえに、夏の足元はいつもビルケン一択!になっていませんか? この状況に一石を投じるべく、ビルケンの定番サンダル4型それぞれに強力な対抗馬をマッチアップ、徹底的に履き比べた。軍配やいかに?
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ダブルストラップ対決
履き比べたのは…


本命BIRKENSTOCK Arizona
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これぞ王道のデザイン。気軽に履けて、何にでも馴染む 西野大士さん
ビルケンの中でも最も愛用者が多いと思われるアリゾナ。太すぎず細すぎないベルトだから、街で素足で履いてもヌーディに見えず程よく軽やかな印象に。アッパーは肌に優しく耐久性のあるBirko-Flor®素材。¥11,000/ビルケンシュトック(ビルケンシュトック・ジャパン カスタマーサービス)
対抗 1trippen Kismet f
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モードに振りやすいミニマルなデザインが好印象 井上直哉さん
靴職人マイスターの資格をもつ二人のデザイナーがベルリンでスタートさせたブランド。人体構造学をもとにした機能美とミニマルなデザインが特徴。薄手の素材によるスマートな設計やサステナブル素材のソールが現代的。¥53,900/トリッペン(トリッペン 原宿店)
対抗 2Jutta Neumann MONASTERY
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上質さとクラフツマンシップを感じる大人のためのサンダル 鬼澤喜行さん
ニューヨークで創業したユッタ ニューマンは、素材の上質さとハンドメイドによる仕上がりのクオリティの高さに注目。ネイティブアメリカンに好まれるラティゴレザーを使用し、履き込むほど革が柔らかくなるので長時間歩き回っても疲れを感じない。¥52,800/ユッタ ニューマン(ヤエカ)
対抗 3AURALEE レザーストラップサンダル

靴専業じゃないから作れた一足 松川総さん
クッション材で膨らみを出したストラップや、丸みのあるシルエットのソールと、洗練された優しい雰囲気が実にオーラリーらしい一足。素材にはシボ感のある上質なカウレザーを使用し、ビスポーク職人による手作業で仕上げた上品なサンダル。¥46,200/オーラリー
A.履き心地
トリッペンのグリップには推進力を感じる(井上)
西野 慣れ親しんだビルケンを基準にすると、ほかはどうでした?
松川 トリッペンは薄いソールなので期待してなかったんですが、意外にもクッション性が高かった。
井上 わかります。推進力を感じるグリップで、疲れにくそうでした。
鬼澤 ただし重量感はあったので、好みが分かれるかも…。個人的には、ユッタ ニューマンのフィット感が最高だったんですが。
松川 確かにハイアーチが足の裏にピッタリきて抜群のフィットでした。
西野 ストラップのホールド感もいいし、厚いソールに安心感もありました。最初は少々窮屈に感じるくらいのサイズを選んで、自分の足の形に合うようにレザーを育てる楽しみもある。
井上 硬めの3足に対して、僕はオーラリーの柔らかさが好きでした。ソールが軽くてクッション性があって、優しい履き心地です。
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リサイクル素材を使用したトリッペンのアウトソールはチラリと見える柄もアクセント。見た目以上にグリップ力が高く前に踏み出しやすい。
B.合わせやすさ
ビルケンとユッタ ニューマンはラフで万能(西野)
松川 合わせやすさといっても方向性が二つに分かれるよね。ビルケンとユッタ ニューマンはラフで、トリッペンとオーラリーはシック。
井上 まさに、僕が選んだ1位と2位は、シックな2足でした。どちらも、白T&グレースラックスで、さらっと合わせたときに足元を品よく引き締めてくれそうだったので。
西野 なるほど。逆に僕はラフな2足が着回ししやすいと思いました。悲しいことに僕にはオーラリーはまったく似合いませんでしたし…。
松川 オーラリーはワードローブがモードでキレイな人のほうがハマるね(笑)。
鬼澤 それで言うと、何にでも馴染むビルケンと同じ方向性なのに、上品さをプラスしてくれるのがユッタ ニューマンじゃないですか?
松川 まさに。渋くて武骨ではあるけど、ビルケンよりもちょっとだけキレイな着こなしにハマりそう。
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ホールド感が調整できるので、素足でもソックスでも履き心地がいいアリゾナ。白ソックスとブルーデニムで爽やかにキマる。
C.デザイン
オーラリーのモードな佇まいは唯一無二!(松川)
井上 高級サンダルといえばユッタ ニューマンですよね。存在感が違います。
西野 あふれ出るクラフト感に好みは分かれると思いますが、ひと目で「いいもの」とわかる作り込みはさすが。経年変化を楽しめる上質なレザーですね。
松川 デザイン性ではオーラリーも素晴らしい。靴専業ではないファッションブランドだからできた一足だと思います。ありそうでない丸みも上品で、ニュートラルな雰囲気。
井上 黒でも重くならないソールの配色も絶妙ですよね。個人的にはトリッペンのミニマルさも好みですよ。サステナブルな生産背景かつ、ハイエンドなデザインとして手に取りたくなるって本当の意味で現代的なのでは。
西野 わかる。メゾンのサンダルのような佇まいだよね。
鬼澤 僕も、サステナブル素材らしいムラのある表情が好きでした。
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美しくタフで厚手のレザーとフットベッドに打ち込まれたリベットがユッタニューマンの特徴。すべての工程が手作業で行われている。
結果発表
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プロフィール画像"
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プロフィール画像"
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Stylist:Masashi Sho
Text:Takako Nagai