時代が変われば、機能は次第に古び、また流行も移り変わる。それでも長く愛用し続ける理由とは? ファッションにもアウトドアシーンにも精通している4人のパーソナルな名品に迫る。
UGGⓇのトレッキングブーツ&UGGⓇ×White Mountaineeringのブーツ
その時々のライフスタイルがそのまま映し出されています
相澤陽介さん(44歳 White Mountaineering デザイナー)
ここ数年、ホワイトマウンテニアリングでは毎秋冬にアグと協業してブーツを作っていますが、そのきっかけになったのが、長く愛用していたインラインのトレッキングブーツ(写真上・右端)。日本で買えないモデルだったのでアメリカから取り寄せて…。厚底でグリップがよく、かつ内ボアなので非常に暖かい。これで雪山はもちろん北極圏にも行きましたね。
コラボレーションを始めて以降は、アグのブーツの足を包むような履き心地を生かしながら、雪山やキャンプでの実用だけでなく、山でも街でもこれ一足で快適に過ごせるデザインというものを毎回心がけています。その変遷をあらためて見てみると、「この年はスノーボードの仕事でよく雪山に行ったな」とか、「この頃から北海道との行き来が増えた」といった具合にその時々の自分の生活スタイルが自然と投影されていますね。最新のジップアップブーツ(写真下・左端)も、この秋に作った軽井沢の拠点との行き来に履きたいという視点で作りました。柔らかくて車の運転もすごく楽なんですよ。
写真上の右端の一足が愛用遍歴のルーツになっているアグのトレッキングブーツ。コラボアイテムはその隣から写真下にかけて順に、エスキモーブーツをモチーフにした2018年の2モデル、原点のトレッキング型をアップデートした2019年モデルのブーツ&スニーカー、ヴィンテージスキーブーツから着想を得た2020年モデル、そして今季のジップアップのボアブーツと続く。すべて相澤さん自身が履き込んできた私物だ。
Text:Kai Tokuhara