2021.10.08

「新品よりもずっといい」を体現。パタゴニアスタッフが愛用する“MY Worn Wear” 3選

ひとつしかない私たちの地球を守るために、さまざまな活動を行うパタゴニア。そのひとつが“Worn Wear(着古した洋服)”だ。買った洋服を長く着続けることで、環境にも貢献できるというメッセージをこめている。長く着ているとその洋服にストーリーが生まれ、リペアしながらでも着続けたくなる。今回はパタゴニアスタッフの”Worn Wear“をお届けする。

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やる気スイッチをオンにしてくれる僕の必需品

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三宅宏明さん(パタゴニア渋谷スタッフ) シンチラ・スナップT・プルオーバー

僕がクライミングに出会ったのは、19歳のときでした。怠け気味だった身体を動かしたいと思っていたら、5歳上の兄がおさがりでクライミングシューズをくれたんです。それがきっかけで、当時、渋谷の宮下公園にあった常設ウォールでクライミングを始め、夢中になりました。


あれから10年。クライミングに対する熱量はあまり変わりませんが、スポーツジムからパタゴニアに転職してクライミング漬けの日々から卒業。ワークライフバランスを考えるようになり、「登る」時間が貴重になったことで、クライミングへの愛情も増幅しました。



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このシンチラ・スナップTは、パタゴニアに入社した3年前に手に入れたものです。どのフリースを買えばいいか迷っていると「クライマーならフリースはトラッドなR2ジャケットか、スナップTだろ」と先輩スタッフからアドバイスされました。

僕にとってクライミングのハイシーズンは11月~2月の冬。自分は手汗が多い体質で、寒ければ寒いほど調子が上がります。だからシンチラもライトではなくオリジナルウェイトをチョイス。



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実際に着てクライミングしてみると、このスナップTは動いているときにも止まっているときにも、ちょうどよかった。保温性や通気性など機能的な面も含めてトータルバランスが本当によくて、「良きパートナーに出会えた」とうれしくなりました。

それ以来、このスナップTは着るとやる気スイッチをオンにしてくれる存在に。これからもガシガシ使い、壊れたらリペアして、「登る」時間を一緒に過ごすパートナーであり続けて欲しいと願っています。


私の山での成長を見守り続けて勇気をくれる相棒

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石津谷 知子さん(パタゴニア渋谷スタッフ) M10ジャケット

パタゴニアに入社する前から山が好きでした。当時は、はたからみると“山ガール”くらいにしか見えない私でしたが、それでも「地形図を見て、自分ひとりの力でどこへでも行けるようになりたい!(それこそが自由だ)」とひそかなる野望を抱いていました。


本格的に山登りを始めるとロープなど必要な道具がいろいろあって、当時の私にとってパタゴニアのウエアは高価でなかなか買うことができませんでした。晴れてパタゴニアに入社し、「買うならやっぱりハイエンドモデル!」と意気込んでM10ジャケットを購入。今思えば、たいして登れない自分がハイスペックなものを身に着けていたことに、ちょっとした恥ずかしさを感じたりもします。



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そして「ハイエンドモデルだから」という理由だけで選んでいたので、この色があまり気に入っていませんでした。それでも「どういうルートで登るとその山を一番楽しめるか。雪なのか、沢なのか、岩なのか。地形図にどういうラインを引くと美しいだろう?」とゼロから考え、感じ、このジャケットともに登り、勉強し、成長してきました。


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岩にこすられ、藪に引き裂かれ、焚火に炙られ、雨はもちろん滝にも打たれ…。思えばひどい扱いをしてきたけれど、いまだにしっかり仕事してくれる相棒です。

最初は「こんな私が、滝を登り、岩を登って山頂を目指すなんてできるのか?」と内心、弱気になることもありましたが、4年間少しずつ経験を重ねたおかげで、今では沢でも、岩でも「行こうぜ!」と言える自分になりました。勇気を出すとき、冷静になるとき、このジャケットはいつも一緒です。

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気に入らなかった紫色も、その強烈な色みが写真映えすることに気づき、今では大好きになりました。洗っても焚火のにおいが取れなくなってしまいましたが、リペアして愛用しているとても大切な一枚です。


このジャケットが布切れになってしまうまで登り続けたら、自分に見える山の世界が、さらに深いものとなっているような気がします。それまで、熱を切らさないでいたいと思います。


ジェリー・ロぺスと時間をともにした宝物

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城代哲治さん(パタゴニア渋谷スタッフ) パタロハ・ボードショーツ

若いときからサーフィンをしています。パタゴニアで働く自分が愛用しているのは、もちろんパタゴニアのボードショーツ。中でも20年以上前に買ったこの赤いボードショーツは手放せない宝物です。


海外に長期でサーフィンをしに行くことも多く、中でもインドネシアはお気に入りです。1999年の9月、インドネシアへ3度目のサーフトリップに出かけました。バリをベースにロンボク、スンバワを訪れ、最後のディスティネーションをジャワのG-ランドに決定。



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そこは世界でも3本の指に入る、完璧に割れるハイクオリティーなレフトの波の聖地。当時サーフィン歴数年の自分が、簡単に乗りこなすことを許してくれるような波ではありません。そんなわけでそこに2週間滞在した最後の日。なんと伝説のサーファー、ジェリー・ロペスさんがキャンプ・インしたのです!


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G-ランドはバリ島へのフライトの機上からアメリカ人サーファーによって見出され、世界で初めてサーフ・キャンプがつくられた場所。ジェリー・ロペスさんが最初に訪れたことで、世界的に有名になりました。


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同じ海で、ジェリーさんの流れるようなライディングを目の当たりにして過ごした数時間。この時間が永遠に続いて欲しいと願っていました。そのときにはいていたのが、この赤いボードショーツでした。


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ジェリーさんに再会したのはそれから6年後。2005年にパタゴニア・オーシャンがここ渋谷ストアの3階にオープンしたときです。驚いたことに、数年前のたった数時間だけ一緒にいた自分のことを覚えていてくれたんです! その理由を伺うと、「その赤いボードショーツが印象に残っていたんだよ」。今でもこのボードショーツを見るたびに、G-ランドでの記憶が鮮明に蘇ります。

★パタゴニアのWorn Wearに関しては公式サイト内に専用のコーナーがあり、さまざまなアクティビティやストーリーを見ることができる。
https://wornwear.patagonia.jp/


またパタゴニアではInstagram上でパタゴニア製品との「着ることについてのストーリー」を募集している。興味のある方はぜひ「#新品よりもずっといい」のハッシュタグをつけて投稿を!


Photos(still):Naoki Seo
Composition & Text:Hisami Kotakemori

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