エントリーしたのは、シルクにカシミヤ…極上の肌触りを約束する超高級素材を贅沢に用いた逸品ばかり。品質はもちろん絶対的に折り紙付き。ただ問題はそれがお値段相当かどうかってことだ。細かすぎる着眼点をもつ読者代表・綾瞳さんとアパレルの最前線で活躍するプロ、それぞれどうジャッジする?
Loro Piana
カシミヤニット
204,600yen
世界最高峰のカシミヤニットといえば、文句なしにここしかない!
生後1年未満のヒルカス山羊の子どもの下毛をすいて集めたベビー・カシミヤを用いたニット。とろけるような極上の柔らかさは唯一無二。ニット/ロロ・ピアーナ(ロロ・ピアーナ ジャパン)
着心地はさすが
UOMO読者代表・綾 瞳はこう考える!
肌触りは極上。ピタッとした感じがちょっとと思ったけど、世の中オーバーサイズ一辺倒だしだんだんよく思えてきた。タイトフィットなほうが素材のよさも味わえる。結局20万円をどう解釈するか? この価格なら比較検討の対象が家具や家電になる。僕なら半値で程々の質のベビー・カシミヤを探す(笑)。アフターサービス的な長期的観点ではありか?
値段相当
一方、ファッション業界代表・プロはこう見る!
ハイゲージの100%カシミヤはぐっと価格が上がる。目の詰まり方がほかのブランドとは全然違うし、リブもまったく伸びない。一生着る意気込みで買うから元はとれそう。(西野大士さん/NEAT デザイナー、にしのや ディレクター)
思ったほどのとろみはないがシルエットはさすが。ネックの高さもいい。20万円は出せないが「失敗のない」買い物。40歳記念とかなら…。(川辺圭一郎さん/TOMORROWLAND PR)
THE ROW
コットンスウェットパンツ
132,000yen
ブランドロゴなど装飾なし。あざとさを廃したスウェットパンツ
超細かなコットンパイル地に両面起毛を施し、温もりを演出。NYの曇り空やビルのコンクリートから着想を得たこだわりのグレー。パンツ/ザ・ロウ(ザ・ロウ・ジャパン)
手も足も出ない!(笑)
UOMO読者代表・綾 瞳はこう考える!
シルエットはきれい。いわゆる部屋着のそれとは一線を画す、外ではきたいスウェットパンツ。なにげにフロントジップだし、いい意味でスウェットっぽくない。ただ裏起毛されている通常のスウェットパンツと比べてどうかと言われると…。僕には正直価値が測りかねるが、ザ・ロウを購入する人は、本物を知っている真のセレブリティなのだと思います。
上質ではある
一方、ファッション業界代表・プロはこう見る!
スウェットパンツっぽくなく上品。はき心地がいいし、ポケットに物を入れてもシルエットが崩れない。絶妙なブルーグレーっぽさも好き。(池田尚輝さん/スタイリスト)
この金額を出せるかは別にして、表裏ともブラッシュ加工が施されて裏面を表にしてもはけるレベル。身長180㎝以上で脚が細い人がものすごくカッコよく見えるデザイン。(中野健吾/UOMO編集部)
NICENESS
カディコットンシャツ
42,900yen
まるでシーツを纏ったような手摘みコットンの極上の優しさ
インドの手紡ぎカディコットンを用いたフレンチカットドレスシャツ。ヴィンテージのような風合いの不均一な立体感や自然な色ムラも魅力。襟は着脱可。シャツ/ナイスネス(イーライト)
大満足!
UOMO読者代表・綾 瞳はこう考える!
大好き。全試着アイテムで断然トップ。まずシャツでは普通選ばないボタン! コートの前立て裏の「チカラボタン」用に通常使われるものかと。透け感&落ち感も垂涎もの。これを作りたいから手摘みの綿が必要だったんだと納得。無理な素材先行感がない。つけ襟のボタンの少なさが唯一の弱点。もうあと2個欲しい。1000円高くても買います(笑)。
※商品時はつけ襟のボタンは増えています。
納得の値段
一方、ファッション業界代表・プロはこう見る!
昔のシャツに多かった、つけ襟のデザイン。肌触りがよく大人が似合うシャツ。長く着続けて、自分色に育ててみたくなる素材。(田中望さん/Revolution PR)
上質なインドカディを使ったシャツが4万円台で手に入るならむしろ安い。風合いに味もある。ただ襟をつけると第一ボタンが留められなくなるのがマイナスポイント。(安武俊宏さん/BEAMS プレスチーフ)
Ermenegildo Zegna
ナイロンキャップ
61,600yen
形よし、表地のナイロンよし。でも値段の秘密はそこじゃない!?
スポーティなルックスとは裏腹に、ライニングにはカシミヤジャージー生地を使用。長時間かぶっていても快適さをキープ。キャップ/エルメネジルド ゼニア(ゼニア カスタマーサービス)
半額なら買い
UOMO読者代表・綾 瞳はこう考える!
ツバがラウンドした帽子って苦手ですが、これは欲しいと思える珍しい逸品。形がきれいだし、表地のナイロンもプラダとはまた違った上品な趣。こちらはよりマットでスーツと合わせても馴染みそう。服と比べて流行り廃りがないだけに長期間使える可能性があり元はとれるか。唯一気になるのはロゴのプレート。糸で留めてるだけだから取れそうなのが心配。
少々高いが
一方、ファッション業界代表・プロはこう見る!
イタリア製でこの素材、ブランド力を考えれば安いのか? とにかくライニングがふわふわで、かぶり心地はすごくいい。(柳雅幸さん/MAIDEN COMPANY プレス)
フィット感に感涙。パネルが多く後ろがゴムだから? 一日かぶったらどうか。2万円なら検討したい。(田中望さん/Revolution PR)
ツバのつけ根が浮かずにフィットするキャップって実は稀少。(安武俊宏さん/BEAMS プレスチーフ)
おしゃれな大人はコスパが良いものが好き。
Stylist:Sho Masashi
Text:Misato Kikuchi