ガチのキャンプやレジャーは一切やらないが、アウトドアアイテムには目がない、まさに「文化系アウトドア男子」を地でいくビームスメンズカジュアル統括ディレクターの中田慎介さん。アウトドアアイテムを用いたボリューミーな重ね着が好きという氏の文化系アウトドアスタイルの秘密は?
「もともとキャンプなどアウトドアのレジャーをやらないので、ウェアを買う際に重視しているのは単純にファッションとしての見た目。ただ雨は大嫌いなので都会で着ても濡れない&汚れないって部分は魅力です。大好きなアイテムはダウン。そして重ね着も好きなので、ボリュームがとんでもないことに…。僕“足し算”しかできないんです。気分的には’70sのヘビーデューティな王道アメカジ的な色合わせがブームなんですが、当時のようにピタピタなサイズじゃガチすぎる。とにかくビッグサイズを重ねてボリューミーに。それが僕のスタイルです」
バラクラバとフードのレイヤード!
「ヘビーデューティなアウトドアを今っぽく着るのがテーマ。これまでだったらジャストで着ていたシエラデザインズのマウンテンパーカをXLにサイズアップ。ヘビーウェイトなネルシャツにテーパードのきいたチノパンのスタイルを今っぽくアップデートしたかったので、足元は青×白のジョーダンで」。カモ柄のバラクラバはナイキ×マシュー・ウィリアムス。
「ダウンは羽毛がパンパンに詰まってるものに限る。ボリュームのあるシエラデザインズ×ビームス プラスのダウンを主役に、’70sを思わせるロイヤルブルー×オレンジを採用。ビームス創業時のコーポレートカラーでもある(笑)。パキッとした色の掛け合わせを調和させるため、ダイワ ピア39のオリーブのセットアップを間に挟んで」
ボリュームダウンにマイクロバッグのギャップ!
「この冬、ビームス別注で復刻したマーモットのマンモスパーカが会心の出来で。これを主役にオールブラックにトライ。中はスウェット上下にショートモッズコートを着用。重ね着したい欲求がどうしても抑えられず…(笑)。小さいバッグが好きなんですが、アウターの上から肩掛けだと使いづらいので、インにウエストバッグをしのばせて。かわいくないですか?」
シェルジャケットとインナーのインサレーションはともにビームス別注のザ・ノース・フェイス。「われながら色の合わせ方が好き。ピンクとピンクの間にアンユーズド×バズリクソンズのL-2Bのベージュを挟んだらいい感じにコントラストが出るんじゃないかなと思って…。試してみたら、まんまとうまくいった。完全自己満です」
「ループウィラーのカシミヤニットにスタジオ ニコルソンの中綿ベスト、仕上げにパタゴニアのインナーダウン。この冬はインナーダウンを2、3着買いましたが、何だか無性にアウターとして着たい気分。だからこれも今までだったらMだけど今年はL を選んだ」。オフ白のチノパンに合わせて、ジョウンド×リーボックのスニーカーで。
「週末は午前中ジョギングをしたり、子どもと公園に遊びに行ったり。休日仕様のスタイル。マスクにサングラスにワッチキャップ…やりすぎかもしれませんが(笑)。木枯らし残る冬の山を勝手にイメージしてナイキ ACGのゴアテックスブルゾン&インナーフリースをコヨーテカラーで」。ダウンショーツはナイキクラフト×トム・サックス。
「これも自分的には配色勝ち。ダイワ ピア39のゴアテックスインフィニアム素材のダウンにロスアパのフーディ。オリーブグリーン×サックスブルーが森と空っぽくて好き。あとはサイジングのアンバランス感もポイント。着丈短めなフーディの裾からたっぷりTシャツを出しているのは、あえて。このバランスがかわいいんです」
Shinsuke Nakada
1977年栃木県生まれ。2015年よりビームスメンズカジュアル統括ディレクターに。今の時代に響くキラーアイテムを多数発信するなど、知る人ぞ知る業界の仕掛け人。
アウトドアアイテムでつくる、大人のコーディネートをチェック!
Photos:Kanta Matsubayashi
Movie:Atsushi Tanizawa