2021.03.07
最終更新日:2024.03.07

「インドア」スタイリスト&エディターが選ぶ「アウトドア裏名品」20選 -PART4-

本誌1月号で対談した「無課金スタイリスト&エディター」のコンビはアウトドアとは無縁のインドアコンビでもある。誰よりも繊細な視点をもつ二人が実際のフィールドとかけ離れた場面で考える「裏名品」の話。

「インドア」スタイリスト&エディターが選の画像_1

16KEEN/Jasper

クライミングとコンフォートを両立した設計のスニーカー。¥11,800/キーン(キーン・ジャパン)


「インドア」スタイリスト&エディターが選の画像_2

17A&F Country/U hook Clip

ベルトループなどにワンタッチで固定できるアルミ製キーホルダー。¥2,200/エイアンドエフ


「インドア」スタイリスト&エディターが選の画像_3

18patagonia/Gift Wrapping

エコバッグならぬエコラッピング。パタゴニアの精神がよく反映されたアイデア品。私物。


「インドア」スタイリスト&エディターが選の画像_4

19GSI/Enamel Mug

厚い鉄板にホーローを施し、熱処理をした強固なマグカップ。¥1,400/ジーエスアイ(エイアンドエフ)


「インドア」スタイリスト&エディターが選の画像_5

20berghaus/Vintage Jacket

1966年に誕生した英国の登山・アウトドア用品ブランドのヴィンテージ。¥14,000/TOXGO


S 定番的に展開されているキーンのトレッキングスニーカー⑯はずっと気になっているのですが、今年こそ買い時かと。爪先までシューレースがある仕様が似ている、いつものジャックパーセルをこれに履き替えるのはありだと思います。ひもがアウトドアっぽくなるだけで気分は大きく変わるし、こなれ感が出る。無彩色の服の足元だけ白スニーカーというコーディネートがいつのまにかステレオタイプ化してしまってつまらないので、意外性のあるタバコスエードのアウトドアスニーカーは次の一手ではないでしょうか。

E 僕もスエードシューズは好きですが、これはトレッキング向きの吸湿性に優れたアウトドア素材で快適。フットベッドも柔らかくて履き心地がいいですね。セットアップもスニーカーもお店で試着することで初めてよさに気づくと思うのですが、実は僕がアウトドアショップでいちばん入念にリサーチするのはレジ周辺なんですよ。

S それなら新宿に本店のあるA&Fカントリーのレジ前は特に掘り出し物が見つかります。

E まさにA&Fのキーホルダー⑰はレジ前で見つけました。自転車の鍵用キーホルダーを探していたところ、こまごまとライトやパーツを売っている壁に掛けてあって。パンツポケットの縁とかにボールペンのようにサクッと差せてめちゃ便利。

S ソリッドなフォルムがいいですね。必要なものが出ると、ベターでなくベストを緻密にリサーチする文化系男子の強みを見た気がします。

E パタゴニアのギフトラッピング袋⑱はハワイのお店で見つけたもの。海外のパタゴニア店舗ではレジの奥に、ウェアの余り布で作った簡素な袋が山積みになっていて、ギフト用に別のアイテムを購入しなくても単品で3ドルくらいで購入できるんです。巾着のように絞れるわけでもないリボンが端についただけのアナログなナイロン袋で、旅行などで着替えを入れるのに使っています。

S お土産でもらったらうれしいな。フィールドへのフットワークは重いけど、ショップでのフットワークはめちゃ軽いですね。ところで今コーヒーが入っているのはGSIのマグカップ⑲!?

E アメリカのアウトドア調理器具メーカーのものです。会議のときに編集長がMacBookと一緒にホーローと思しきマグカップを使っていて。会議室という閉鎖空間にアウトドアのマグがある素敵な違和感が心に残っていたんです。実際は僕の勘違いで編集長の私物はホーローではなく磁器のマグでしたが…。MacBookにアウトドアブランドのステッカーを貼ってたから思い込んだのかも(笑)。

S でも文化系のデスクにホーローって想像すると和みますね。思い込みの勝利ということで(笑)。

E 最後は現行品ではなく古着の話を少し。

S 狙うはバーグハウスのヴィンテージ⑳

E アウトドアのヴィンテージはパタゴニアとザ・ノース・フェイスが鉄板なので新鮮です。

S バーグハウスはジャミロクワイが着用したり、ずっとUKカルチャーとの結びつきが強い。最近日本では現行品も手に入れるのが困難になったので、価格が高騰する前に、今のうちに昔のイギリス製バーグハウスを血まなこで探しておくのはオススメです。現行品では得られない大胆な配色、ざらりとした生地、アナログならではの愛嬌は将来的に年をとって力が抜けてからこそ満喫できるはず。価格も他ブランドに比べて現状手頃でカラバリも豊富なので、1色買うと違う色もコレクションしたくなる大人のガチャガチャ感覚!

E ガチャとはこれまた文化系…。僕たちが目指すのは、米大統領就任式にバートンのシェルと古着のセーターを再利用したミトンの手袋にスラックスという文化系アウトドアスタイルで参加した、バーニー・サンダース上院議員かもしれませんね。



Photos:Yoshio Kato 
Stylist:Junichi Nishimata 
Text:Takako Nagai

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