2020.09.30

【MY STANDARD 100】サステナブルを意識して、職人とコラボしたリメイクカーゴパンツ

コロナ禍をきっかけにスタートした新しい日常で、ライフスタイルが変わったという人は多い。洋服やモノへの考え方はどうか？個人的定番は不変？それとも新定番が生まれたか。この連載ではWITHコロナ時代のスタンダードアイテムを100人の大人に聞く。メゾンスペシャルの頃安祐示さんは、自分の定番に“サステナブル”という軸をプラス。

【MY STANDARD 100 #07】メゾンスペシャルのリメイクカーゴパンツ頃安祐示さん（メゾンスペシャル　チーフデザイナー）

サスティナブルリメイクカーゴパンツ￥16,000／メゾンスペシャル（メゾンスペシャル青山店）

サステナブルで希少性も備えたリメイクカーゴパンツが定番に加わった

コロナ禍をきっかけにアパレル業界を取り巻く環境は大きく変わりました。過剰在庫やオーバーストアなどの問題が浮き彫りになり、変わらざるを得なくなったというのが現状でしょうか。自分自身が身を置いている業界の問題だけに切実です。「価値のあるもの」をつくっていくという姿勢は変えず、デザインやクオリティだけでなく、思想や哲学、希少性を感じられるモノづくりを追求していきたいと改めて思いました。

働き方やSNSに対しての考え方にも変化がありました。店舗の営業ができなかった自粛期間中、自分自身がSNSを通してつくっているモノの“価値”を伝えていく必要性を感じ、インスタグラムのアカウントを開設。洋服に関しても、リモートワークによって自宅で仕事をする時間が増え、今までよりもさらにオーバーサイズやリラックスしたものを選ぶようになりました。ルームウェアに近いリラックス感があって、オンライン商談のときにもルーズに見られない。オンでもオフでもいける汎用性は、自分がデザインするときにも意識しています。

サステナブルへの意識も高まりました。コロナ前から過剰在庫にも向き合い、その中でファッションとして自分たちができることを考えてきました。捨てられてしまう古着をリメイクして、今求められる形で製品にしたいと思っていた折、兵庫でリメイク工場を営んでいる職人と出会い、コラボレーションしてリメイクパンツをつくりました。古着のリメイクなので、一点一点表情が異なります。ワイドシルエットではき心地もよく、それでいて希少性も感じられる。リメイクの力を実感しています。自分の定番に“サステナブル”という軸が加わりました。

ポケットが多くて機能的なカーゴパンツが好きです。以前はシャツやスニーカーを合わせていましたが、最近それだとカジュアルすぎる気がして。カジュアルパンツは、ジャケットやレザーシューズで大人っぽくスタイリングするようになりました。かっちりし過ぎるのも得意ではないので、オーバーサイズのダブルジャケットで適度なゆるさを出しています。ネックアクセサリーも好きで、きょうはエンダースキーマのものをつけています。靴は以前からのMY定番、オールデンのプレーントウです。

ひとりの職人が解体、縫製、仕上げまでを一貫して行う「スペシャルリメイクファクトリー」とのコラボです。ウエストはゴム入り、ドローコード入りで見た目よりもリラックス感のあるはき心地。