意外と知らないのがTシャツ洗濯のセオリー。安価だからと気にせず洗いがちだが、プロに教えてもらった正しい洗濯をすれば白さが戻り、新しく買ったTシャツも長く着られるのだ!
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パックTシャツに「スローランドリー」を
皆さん、仕事に趣味に忙しく過ごされているでしょうから、余裕がない日は時短の洗濯でもいいんです。ただ、汚れが目立つようになったときや月に一度は、ひと手間かけた洗濯「スローランドリー」を行ってほしい。正しい7つの工程を守り、丁寧に洗うことであきらめていた汚れが落ち、白さが取り戻せます。Tシャツを捨てる理由でいちばん多い「ヨレ」は、アイロンをかけるだけでもとどおりになることがほとんど。洗いや脱水の時間についても、実はかなりの人が間違った理解をしているんです。定期的に繊維を傷めない正しいケアをすることで「パックT=シーズンごとに使い捨て」という考え方は覆るはずです!
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パックT洗濯の正しい7工程
BEFORE
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皮脂で汚れたTシャツ
肌に直接触れるTシャツは、着続けるうちに襟ぐりの黄ばみや黒ずみが気になってくる。これは皮脂やタンパク質が原因。あきらめて捨ててしまわず、正しい洗濯に一度トライしよう。今回の洗濯法は、最大6枚ほどのTシャツを想定。
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なかなか落ちない首元の黄ばみ…
1.下洗い
30分のつけ置きで汚れを落とす
湯に粉末洗剤を溶いて30分間つけ置き。白Tを洗う際は液体よりも粉末のほうが効果的。白さを追求するなら「過炭酸ナトリウム」を合わせて投入する。高熱に弱い繊維もあるので30〜50度が適温。黒ずみがひどい場合は、固形石けんで揉み洗いを。
2.洗い
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洗いは5分で、水量を増やす
洗いは5分で止める。長く回すと汚れが落ちると思いがちだがそれは間違い。重要なのは水量を多くすること。洗濯機が自動設定する水量より一段階上(+約15ℓ)の水位に設定するのがいい。ドラム式の場合は毛布洗いのコースなどに。
3.すすぎ
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すすぎを3回設定に変更
初期設定ではすすぎの回数が2回の洗濯機が多いがスペシャルケアの場合は3回に増やすのがいい。2回設定だと汚れが残っている中に柔軟剤などが入ることになり、黄ばみを生むことに。このひと手間が洗い上がりの防臭にもつながる。
4.加工
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柔軟剤とノリは用途で使い分け
最近発売された「レノアリセット」は繊維を保護して、生地の伸びを防ぐ効果がある。ただ着用時の汗の吸水機能を弱める面もあるので、「ハミング」などの吸水性に優れた柔軟剤もおすすめ。一方、パリッとさせたい人は洗濯ノリを使うといい。
5.脱水
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脱水は1分がちょうどいい
実は5分の脱水と1分の脱水にはそれほど違いがない。洗濯機の初期設定はデニムのような素材も想定しているためTシャツにとってはきつすぎる。長く脱水するほどシワができ、きれいに仕上がらない原因に。多少水分が残っているぐらいがいい。
6.乾燥
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実は、部屋干しがオススメ
紫外線で繊維は想像以上に傷つくので、部屋干しが基本。ここまでの工程を守れば汚れが落ちきっているので、太陽の下で乾かさなくてもニオうことはない。逆に外での乾燥が黄ばみの原因になることも。ハンガーは厚みのあるものをチョイス。
7.仕上げ
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アイロンで本来の姿に回復させる
アイロンがけによって劇的に変化する。シワをのばすというより形を整えるという意識で、首元はたるみを上から押さえつけるようにプレスするのが肝。首元のヨレがひどいときは、そこだけ濡らして乾燥機に入れると部分的に縮んで復活する。
AFTER
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たまに時間をかけるだけで、新品の輝きを取り戻す!
「下洗い」や「脱水」の時間など、ポイントを押さえることできれいに生まれ変わる。仕上げできちんと熱を加えることによって、生乾きのニオイもなくなる。
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首元の汚れもきれいに落ちる!
Text:Takako Nagai