日本列島に寒波が訪れていた1月の終わり、表参道にてパタゴニアの2024年春夏新作展示会が開催された。今回もUOMOブランド統括の山崎と副編集長の薬師神が気になる新作を試着して、その実感をレポート!
パタゴニア展示会場の入り口カウンターにて受付を済ませるふたり。パタゴニア・ファンの山崎は、トップスはすべてパタゴニアという気合の入ったスタイルで会場に現れた。
山崎:きょうは、50周年記念のラグビーセーターとパタゴニアのダウンを着てきた。あれ? 薬師神もラグビーセーターのネイビーのほう、買ったんじゃなかった?
薬師神:女子高生の双子コーデのようになるのは、いかがなものかと…。
そんなやりとりをしていると、前回スポーツカテゴリーのアテンドをしてくれた、パタゴニア マーケティング部の内野宗一郎さんが山崎に声をかけた。
内野:きょうはありがとうございます! 山崎さんは、この冬、もうどこかに滑りに行かれました?
山崎:ええ、ニセコに2回行きました。今回は何からでしょう?
内野:トレイルランニングカテゴリーのフーディニの新作からご紹介させていただきます。
フーディニにフードのないプルオーバーが登場!
内野:パタゴニアのライトシェルを代表するフーディニは、2004年にトレイルランニグカテゴリーに登場して以来、素材などのアップデートを繰り返している定番です。このジャケットは胸のポケットに収納できたりすることから、トラベルに活用される方やデイリーに着られる方も多い汎用性の高いアイテムです。
薬師神:いかにも。
内野:パタゴニアが目指す「それひとつで多用途に使える製品」の象徴として、もっとできることがあるのではないかと。今回、フードなしの新型を作りました。
内野:2024年春夏シーズンは、「いろんなシチュエーションに使える製品」のお墨付きとして、いくつかの製品にこのクラシックロゴを採用しています。キノコは…遊び心ですね。
小林:今季のテキスタイルとカラーは、ベンチュラの本社から見えるチャンネルアイランドの自然から着想を得ています。「北米のガラパゴス」と呼ばれるチャンネル諸島は、自然と動物たちが相互依存して美しい生態系を保っています。「どうしたら製品を通じて搾取資本主義を解体できるか?」というヒントがそこにはあるんですよね。
山崎:そのメッセージをテキスタイルやカラーのストーリーに載せて、伝えていくと。わかりやすいですね。とりあえず、気になるものを試着してみましょう。
01メンズ・フーディニ・ジャケット ¥15,950(左) 02メンズ・フーディニ・スタッシュ・1/2ジップ・プルオーバー ¥19,800(右)
薬師神:線画パターンはカラフルだけど、白ベースだから派手すぎず、合わせやすいですね。
内野:フーディニは撥水加工もされているので、春のバックカントリーでハイクするときなどにもおすすめですよ!
山崎:もともとフードが好きじゃないので、これはいいですね! そしてこのオレンジはロゴがボディと同色に…。
内野:今回カラーコレクションを3つのスタイルで提案していて、それぞれのロゴが違っています。山崎さんのワントーンの織りラベルは「スピリテッド」という、活気あふれるオレンジやアーストーンのコレクション。さきほどのクラシック織りラベルは「アウトドア」。そしてもうひとつ、「ファンクショナル」というコレクションがあります。
03メンズ・エアシェッド・プロ・プルオーバー ¥19,800
海から山までの新作レインジャケットに注目
内野:登山用ウエアではありますが、デイリーにも使えるレインウエアをいろいろとラインナップしています。
薬師神:日本以上に欧米はシビアだとおっしゃっていましたよね。
内野:そうなんです。パタゴニアを代表するトレントシェル 3L、グラナイト・クレストに加えて、今シーズンは新作でボルダー・フォークが加わりましたが、いずれもPFCフリーDWR加工(有機フッ素化合物不使用の耐久性撥水コーティング)になっています。
山崎:とりあえず着ましょう!
パタゴニアのヘヴィ・ユーザーなだけあって、試着したくてうずうずしている山崎は、気になるものに迷わず袖を通す。
04メンズ・グラナイト・クレスト・レイン・ジャケット ¥37,400
内野:こちらはH2No(エイチツーノー)になります。パタゴニアが独自に開発した防水性、透湿性、撥水性と長期的な耐久性を実現した素材です。今回紹介する3モデルはすべてPFC(有機フッ素化合物)不使用で、ラボ、フィールドでの過酷なテストに合格した製品です。
山崎:やわらかくて、パリパリしてなくていいですね! 雪山でも使えるんですか?
内野:使えないことはないですが、かなり薄手で軽量に作っており、丈も短いのであまり向かないですね。
山崎:そうなんですね。
薬師神:いえいえ、海沿いに住んでいるので塩害は身近な問題です! ボルダー・フォーク、試着します!
05メンズ・ボルダー・フォーク・レイン・ジャケット ¥33,000
薬師神:H2No、本当にやわらかい(感動)。めちゃくちゃ着やすいです!
山崎:グラナイト・クレストは脇にベンチレーションがあるけど、そっちはどう?
内野:両サイドのハンドウォーマーポケットは、フライボックスやトレイルマップなどを入れるのに十分な大きさを確保しています。センターファスナーには防錆のPUコートが施されています。
薬師神:なるほど、ファスナーに防錆加工。ポケットも充実しているし、愛犬の散歩によさそうです!
人気のクアンダリー・パンツにリペアパッチ(共布)が!
内野:玄人好みと思われがちなハイクパンツですが、速乾性があって旅にも最高なんです。
山崎:旅行のときは僕もお世話になっています。洗ってもすぐに乾くからね。あと、ヒップポケットやサイドポケットがファスナー付きというのもセキュリティ上安心だし便利。
06メンズ・クアンダリー・パンツ ¥13,200
薬師神:以前「WORN WEAR(着古した服)」キャンペーンのときにはアウターにリペア パッチが付属していたことがありましたが、それと同じですね?
07メンズ・クアンダリー・コンバーティブル・パンツ ¥17,050
内野:だったら裾が取り外せるコンバーティブル・パンツはどうですか? 速乾性はそのまま、新しいネットプラスファブリックになって、シルエットもアップデートされています。
山崎:裾って取り外して、皆さん、どうしてるんですか? ポケットに入れるわけにもいかないし…。
内野:トレイルではバッグに入れてますね…。中高山ハイクでは気温差も激しくなりますから、おすすめですよ。
実感できる機能満載のマウンテンバイク・ウエア
薬師神:コロナ禍以降、自転車に乗る人が増えていますよね。
内野:パタゴニアのバイクウエアは、ライダーの実感情報をデザインに反映しています。このパンツは腿の内側と膝の裏側にレーザー加工で通気孔をあけています。
内野:おっしゃる通りで、熱がこもりやすい箇所です。ライダーの意見を取り入れてこの仕様にしました。実際に乗っている人でないと思いつかない機能です。
08メンズ・メリノ・3/4スリーブ・バイク・ジャージー ¥14,300 09メンズ・ダート・クラフト・パンツ ¥20,900
10メンズ・ダート・ローマー・ストーム・ジャケット ¥41,800
内野:今日、着てきたかのように、お似合いです。
薬師神:完全にオーバースペックですけどね(苦)。でも着やすくて、配色もいいので、僕もちょっと欲しくなりました。
それぞれの視点でパタゴニアと向き合ったふたりの展示会レポートはまだまだ途中。デイリーに着たい、ライフスタイルカテゴリーのトピックは後編にて!
パタゴニアに関するおすすめ記事はコレ!
https://www.patagonia.jp/home/
Composition & Text:Hisami Kotakemori