冬のハイキングや登山だけでなく、スキーやスノボなど冬本番のアクティビティに向けて、「レイヤリング」について知りたいという人は多いはず。そこで今回はパタゴニア最新の「アクティブ・レイヤー」について教えてもらった。
アウトドアの楽しみ方や目的は人それぞれ。 だからこそ自分なりの快適なレイヤリングを
「天候が変わりやすいアウトドアにおいて、機能的な衣服を重ねて体温を調整するレイヤリングは、1980年代にパタゴニアが提唱してアウトドアシーンに広まりました。汗を吸湿・発散してくれるベースレイヤー、その上に保温用のミドルレイヤー、最後に防風・防水のアウターレイヤーとしてシェルを重ねるのが基本的な考え方です。
パタゴニアが提案するアクティブ・レイヤーは、その進化系です。ミッドレイヤーとして、あるいはアウターレイヤーとして、多用途に着用できる製品が多くなりました。現在はアクティブ・フリース、アクティブ・プロテクション、アクティブ・インサレーションに分かれていて、それぞれの製品に保温性、通気性、耐風性や耐摩耗性など特徴があります。
寒い環境下で積極的に動きつづけるためにアクティブ・レイヤーで、レイヤリングシステムをどのように微調整するかは着る人次第です。以下にそれぞれのカテゴリーの特徴を紹介しますので、ご自身のアクティビティに合わせて、自分なりのレイヤリングでアウトドアを楽しんでください！」（桑原）
アクティブ・フリース
通気性と速乾性、動きやすさを重視したアクティブ・レイヤー。冷涼な状況でのトレイルラインニングやスキーツアリングなど、運動量をともなう山のアクティビティに最適（今回紹介する01～06の商品がこのカテゴリー）。
アクティブ・プロテクション
耐風性が高く、摩擦に対しても強いアクティブ・レイヤー。冷涼から寒冷におよぶ気温下で保温性と通気性を提供しながら悪天候と摩耗に耐えるという利点があり、状況の変わりやすい山での用途を広げる製品（今回紹介する07・08の商品がこのカテゴリー）。
アクティブ・インサレーション
保温性が最も高く、動きやすさと通気性も両立したアクティブ・レイヤー。秋冬の様々な状況下で、ストップ＆ゴーを繰りかえす登山にもおすすめ。スノーボードやスキーのインサレーションとしても活用できる（今回のコンテンツでは紹介していないが、ナノエア、ナノエア・ライト、ナノエア・ライト・ハイブリッドが該当製品）
※紹介する製品はすべて、従業員にプレミアムな賃金が支払われるフェアトレード・サーティファイドの工場で製造。
アクティブ・フリース編
01.メンズ・R1エア・クルー
R1エアは軽量なテニクカル・フリース
R1エアは、通気性を備えた軽量なテクニカル・フリース素材を使用した製品。リサイクル・ポリエステル100％の中空糸を用いて、独自のジグザグ構造で仕上げている。5.7オンスと薄手ながらあたたかく、吸湿発散性と速乾性に優れ、通気性も抜群で激しい運動中の体温調整に向いている。左胸にジッパー付きポケット、裾の背中側と袖口に伸縮性のある素材を配して冷気が入るのを防ぐ。
R1エア・クルーは、ネックレイヤードを楽しみたい人におすすめ。ベージュ系のOar Tan（オータン）は定番的に展開されているカラー。
02.メンズ・R1エア・ジップネック
ジグザグフリースのハイネックトップス
R1エアのハーフジップトップス。こちらはフロントがハーフジップ仕様のハイネック。ジップがベンチレーションの役目を果たし、汗ばんできたらフロントを開けて、寒冷下では全部閉じてスタンドカラーにと、温度調整が細やかにできる。くすみのあるNouveau Green（ヌーボーグリーン）は今年の新色。黒やネイビーなどダークトーンから、カーキなどアーシーカラーまで合わせる色を選ばない万能カラー。
03.メンズ・R1エア・フルジップ・フーディ
寒冷な状況下で便利なフーディも展開
R1エアのフロントが全開するフーディ。ネック位置が高く、フードを被ると口元まで覆るのが頼もしい。ジッパーの開閉具合で温度調整が細やかにできて、フロントジップでフーディだからレイヤードのバリエーションが楽しめる。鮮やかなブルーグリーン系のLagom blue（ラゴムブルー）は今年の新色。
04.メンズ・R1プルオーバー・フーディ
裏面フリースのバラクラバ型フーディ
R1はグリッド・パターンを備えたハイロフトのポーラーテック素材の製品。フーディは本体（写真の薄い色の部分）に6.9オンス、身頃下部と側面、フード部分（写真の濃い色の部分）は3.8オンスと厚みを変えたハイブリッドなデザイン。薄手ながらあたたかく、激しい運動に耐えるのが特徴だ。
R1プルオーバー・フーディは目元以外の顔を覆うバラクラバ・スタイルのフードが付き、ベンチレーションの効果も併せ持つ長めのフロントジッパー仕様。また親指用ループを備え、寒冷な状況下でも手の甲をしっかりカバーしてくれる。アーシーなバイカラーのNouveau Green（ヌーボーグリーン）は新色。
05.メンズ・R1デイリー・ジャケット
ジャージー感覚で着られるジップジャケット
R1デイリーは裏面が起毛フリースになったジャージー風の素材を使用した製品。アウトドアだけでなく、日常のレイヤリングにも使いやすいのが特徴だ。汗をかきやすいネック部分の裏地には、吸湿発散性の機能素材、キャプリーン・クール・ライトウェイトがあしらわれている。Nouveau Green – Northern Green X-Dye（ヌーボーグリーン-ノーザングリーン Xダイ）はミックス調のカラーが新鮮な新色。
06.メンズ・R1デイリー・ボトム
一枚でもはけるレイヤリング用ボトム
前出のジャケットと同じR1デイリー製品。表面はなめらかながら裏面はフリースだから、薄手でも保温性は抜群だ。部屋着感のないテクニカル素材はレイヤリングのアンダーパンツだけでなく、一枚ではいたりショーツとのレイヤードも楽しめる。
アクティブ・プロテクション編
07.メンズ・R2テックフェイス・ジャケット
撥水加工されたマルチユースジャケット
R2テックフェイスは、熱をためこまずに快適なあたたかさが続くソフトなハイロフトのダブル織り素材を使用した製品。裏面は起毛素材であたたかく、丈夫な表面にはPFCフリーDWR加工（有機フッ素化合物不使用の耐久性撥水コーティング）が施されているので、シェルとしても活用できるクロスレイヤーだ。
R2テックフェイス・ジャケットは肉厚で、アウター的に着ることもできる。New Navyは定番的なカラーだが、今季から染料先染め繊維を採用し、水の使用量を大幅に削減。
08.メンズ・R1テックフェイス・フーディ
フィット感が向上した撥水仕様のフーディ
R1テックフェイスは保温性と通気性を備えた、ソフトで軽量なダブル織り素材の製品。PFCフリーDWR加工も施され、前出のR2テックフェイスと同様の機能ながら、やや薄手。すっきりフィットするストレッチニットの袖口で、レイヤードもしやすい。
ヘルメットの下に着用できる調整可能なフードが頭をしっかりとカバーし、つばの部分はフォーム入りだから視界を確保してくれる。格子状のテクスチャーが定番色の黒を立体的に見せて、本気のアウトドアユースだけでなく、タウン用の軽いアウターとしても応用しやすい。
Stylist:Takumi Urisaka
Composition & Text:Hisami Kotakemori
